やっと がてんがいった
今年も既に4分の3を通過した。
毎日新聞(10/1)に面白い記事を見つけた。なるほど、そうだったのか、と思わせる内容だ。韓国ソウル支局の堀山明子から寄せられたものだが、『韓流ざんまい 姦通罪は女の武器?』とある。幸い私は韓国ドラマには全く興味がない。一度も見たこともないし、見ようとも思わない。それなのに何故今回取り上げることになったのか。私から見ての話だが、何故あれほど女性たちが黄色い声を上げ、空港まで出向き、カメラの砲列を布き、海を越えてまで男優を見たいと思うのか。韓国ドラマに反応する多くの日本の女性たちの気持ちが理解できないからだ。以下は彼女・堀山明子のレポートを鵜呑みにした上で書き進める。
《1997年、日本のテレビドラマ界は安っぽい不倫ドラマ「失楽園」がもてはやされた。同じ頃韓国でもアジア通貨危機の頃から始まった文化輸出を目指す国策を背景にして、2000年前後から韓国ドラマが東アジアの国々で放送されるようになり、俳優や韓国文化全般に対する人気が高まってブームが形成されていった。
日本で韓国ドラマに火をつけたのが2003年の「冬のソナタ」NHK衛星放送で、同年末同じく衛星で再放送、これで足らずに地上波に乗せて2004年12月に三たび放送して、一大ブームを巻き起こすことになった。世を上げて欲求不満のおばさんたちを中心に「韓流」を作り上げ、血道を上げたおばさんたちが大挙して海を渡り、ロケ地に降り立つばか騒ぎが発生した。その当時のことだが、妻の買い物に連れ立ち、スーパーやコンビニを回れば見たくもないのに‘ぺ’(よんじゅん)なる男優にぶつかった。至る所にポスターが貼られ、吊り下げられ、あのにやけた垂れ目で見られ、見おろされていた。日本でもおばさんたちのお相手をする男たちと同類のやさ男のタイプだ。昭和一桁男には我慢ならないにやけた類いなのだ。そういえば、その後目にする韓国男優の殆どがこのやさ男なのに気がついた。髯をつけて見せてもきりっとした男には知る限りにおいてお目にかかった試しがない。》
さて、本論に移ろう。
「法律は蒲団の中に入るな!」。ソウルの現役判事が9月上旬に起した違憲訴訟で、こんな挑発的な文言が訴状にあり、注目された。「姦通罪は『性の自己決定権』を侵害し、違憲」と提訴したのだ。韓流ドラマが男女の泥沼劇であふれているからと、韓国を「自由恋愛の国」と誤解するなかれ。韓国刑法には姦通罪の規定があり、“不倫”は犯罪行為として2年以下の懲役となる。
憲法訴訟は90、93、01年にも起きたが、「撤廃は時期尚早」との世論を受け合憲と判断された。かつて日本にも姦通罪はあったが、夫にしか提訴権がなく、47年に撤廃された。これに対し韓国は男女平等原則に沿って夫婦どちらからでも提訴できるよう、53年に改正した。このため社会的弱者である女性を保護し、夫の浮気を防ぐ「女の武器」として女性団体からも評価されてきた。しかし、4度目の憲法判断となる今回は様子が違う。約6万人が参加したポータルサイトの世論調査では「姦通罪の維持」に
賛成 49・63%
反対 50・37% と拮抗している。
この変化を「不倫が増えたから」と解説する人もいるが、離婚・再婚の増加で、結婚形態が多様化した実態が背景にありそうだ。
韓国最高検察庁の統計によると、姦通罪の親告件数は85年に1万7000件余だったが、05年には約8700件と半減した。中央日報が最近2年間の訴訟を調べた結果、親告したのは男性が51・8%であった。もはや姦通罪が「女性の武器」とは言えない時代になった。
そもそも韓国の姦通罪の親告は、離婚訴訟が条件となっているため、夫婦を「元のさや」に収める効力はない。夫が別の女性と同居したことが原因で離婚した知人の30代女性に「姦通罪での提訴を考えたことあった?」と尋ねたら、「どうせ別れるなら、刑事罰より慰謝料をしっかり取る方がいいでしょ」と言われた。韓国女性の結婚観が日本並みにドライになってきている感じだ。
結婚式を挙げてもすぐ届けを出さない夫婦が何組もいる。「夫婦にもお試し期間があってもいい」という考え方だ。05年の韓国統計庁調査によると、挙式から1年以上経て結婚届を出す夫婦は4組に1組というから、珍しくもないらしい。
「法律は蒲団の中に入るべきか」という姦通罪の存廃論争は、法律の枠を超えた「お試し夫婦」が増え続ける中で、すでに実態とズレているかもしれない。と結んでいる。
《日本ではまだ「お試し夫婦」という言葉は聞こえてはこないが、敗戦後間もなくの頃、人生2度結婚説を説いた人がいた。現在、はやっている年下の男と年輩女性からでもよいが、その年下の男性が年輩になった時、年下の若い女性をめとる。そして次には女性がある年齢になった時今度は年下の若い男性と、という具合につないで行くという考えだった。当時はとんでもない考えとして一笑に付されたが、当時思春期の身に、破壊された価値観の中で、将来の何でもありに展開するであろう性道徳に、恐ろしい不安を抱いたのを覚えている。
話はいきなり現在に飛ぶが、日本では韓国以上に不倫に浮気が広がっている。その典型的な例が、ここ数年騒動を起している離婚後300日規定の問題だ。日本の「失楽園」で不倫に涙した女性たちが、韓国の「冬のソナタ」に涙する。日本国に姦通罪はないが、「貞操は法律上の義務」である以上、不義こそ裁かれねばならない筈のものが、不倫の子が安っぽい人情論に摺り替えられて「生まれた子に罪はない、どうぞ同情を」で泣いてみせることで法律までも曲げようとする。韓国不倫ドラマにさきがけた日本の「失楽園」は、韓国ドラマの不倫話の受け入れには既に十分な素地が準備されてあったのだ。加えて韓国のイケメンと呼ばれるやさ男たちの姿が心地よく女心をくすぐる。そこに日本の女性たちが、韓国ドラマの男女の泥沼話にうつつを抜かす人気の一端があったのだ。
やっと理解できたように思う。韓国ドラマの人気の秘密は日本女性の不倫の心を癒してくれる強い支えでもあったのだということを。しかし、日本女性を熱狂させた韓国ドラマも06年度の日本向けに輸出された23本は興行的にはすべて失敗したということだ(西日本新聞)による。ここでも日本女性の浮気の虫は次のターゲットを見つけたのだろうか。》
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