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2007年10月31日 (水)

ハロウィン

またまた西洋かぶれが広がりつつある。
ハッピバースデーにクリスマス。バレンタインにホワイトデー。昔は神や仏を信じた国民であったが、66年前、無謀にも仕掛けた戦争で、アメリカを主軸とする連合国に敗れてから、悪びれることなく綺麗さっぱりと、昔を棄て去って無宗教国となった日本には、キリスト教の習慣だろうと何だろうと、どれもこれも吸収しやすい土壌が作り上げられてきたように思う。

本来、日本の子供達が成長過程で通過したお正月や桃の節供、十三参り、端午の節供、などの行事は、今は百貨店の飾り付けデモンストレーションの競い合いのものに成り下がった。あちこちの家庭での餅搗きや、町内のどこの広場や公園でも見かけた独楽回しや、竹馬乗り、羽根つきなどはさっぱり見かけなくなった。

今日も妻を乗せて買い物についてスーパーに出かけた。うす暗い陰気な飾り付けのコーナーが目についた。商品が並ぶ展示場には柱を取り囲むようにして、くり抜かれた大小の南瓜のお化け顔の飾り物や、パンプキンの名の菓子が雑多に展示されていた。そうか、ハロウィンの日だったのか。

ハロウィンで思い出すのはアメリカで1992年に起った日本人留学生・服部剛丈(はっとりよしひろ)が射殺された事件だ。仮装して友人と訪ねた訪問先の家を間違って、別の家を訪ねたため、家の人(ロドニー・ピアース)から侵入者と間違えられて銃(44マグナム)を突きつけられ、「フリーズ」と警告された。服部は英語の意味が理解できず止まらずに男性の方に歩み寄って行こうととしたため、射殺された事件だ。この事件以来「Freeze、フリーズ」が「動くな」「じっとしていろ」という意味であることを多くの日本人の知るところとなった。

ルイジアナの裁判では12名の陪審員は全員無罪(玄関は屋内と同じであって、犯罪から身を守るための発砲は憲法で認める正当な権利である)の評決を下した。しかし、その後遺族が起した損害賠償を求めた民事裁判で、ピアースがガンマニアで何丁もの銃を保持していて、近所でもしばしば野良犬を射殺するのを目撃されていた。事件の当日も彼は酔っ払っており、制止する妻を振払って家から飛び出して発砲したことが分かった。ピアースの正当防衛は認められず、損害賠償の約7000万円(日本円換算)の支払い命令が下された。ルイジアナ州最高裁も上告を棄却したため確定した。

このハロウィンを、日本では、バレンタイン並にブームを企んでいるのが菓子メーカーか農業政策かは知らないが、同じキリスト教にちなむ聖人の日に関係があるからって、もともとのテーマが死であり、黒魔術の幽霊や魔女、蝙蝠やゾンビといった無気味なものや恐ろしいもので、ドラキュラやフランケンシュタインのようなものまで含まれるのだ。どう頑張っても、所を弁えない不良外国人が数百人乗り込んだ電車内で、ばか騒ぎするようなことしかできまい。昨年に続いて今年も大阪環状線内や東京では山の手線内で酒を喰らい、ストリップか露出狂まがいのことをやって迷惑をまき散らすことぐらいだろう。

今後も諸外国から人々の流入は数を増やして行く。キリスト圏だけではない、それぞれ彼らの国の風俗や習慣などを持ち込んでくる。電車内のばか騒ぎが、現場にいた国々の、それぞれの国のハロウィンの過ごし方かどうか、その他の国ではどのような行事があり、どのようなことが行なわれるのか、日本社会で協力できるものか、反対に取り締らなければならないものか、安全対策を前もって調査しておくことが望まれる。

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