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2007年10月 3日 (水)

懲りない面々(円天のL&G捜索)

毎日新聞(10/3)から
私のような銭(かね)のない、銭(かね)に縁のないやつには関係のない事件だが、ちょっとばかり銭(かね)のあるやつ、大きな銭(かね)のあるやつ、それに加えて欲の皮の突っ張ったやつや金(かね)の亡者たち、どうしてこうも学習能力もなく懲りないのだろうか。

どう考えても世の中に、そんな旨い話が転がっている訳もないのに、易々と引っ掛かって泣きを見る。確かに騙すやつが悪いことは百も承知していても、いつもいつも引っ掛かるやつが出ることが、貧乏人から見ていると、僻み根性も加わって愉快で堪らない。その額20年前の豊田商事(儲け話しは彼らに似つかわしい金(きん)の地金そのもの)の2025億円、2万7000人が被害者となった悪徳商法から、今回の円天の「エル・アンド・ジー(L&G)*」の1000億円(約5万人の会員から)にのぼる巨額詐欺事件となった。

 * エル・アンド・ジー(L&G)‥ 波和二会長が87年に設立。民間信用調査会社によると、遠赤外線を利用した健康蒲団「バイオゴールド」が主力商品とされる。年商約88億円で、約60人の従業員がいたが、先月下旬に大半が解雇された。同社を中心としたグループには、他に企業13社とNPO法人がある。現金を預けると同額面のポイントを支給する「あかりポイント制」を04年に導入。この制度を基に携帯電話を利用する「円天システム」を作り上げ、多くの会員を集めた。

無限の価値を生み出すとされた電子マネー「円天」を使った集金システムで、現金を一度預けるだけで毎年継続的に独自の「電子マネー」が携帯電話に振込まれる。元金も返還されるとうたい「お金を減らすことなく、毎年支給される円天で暮らせます」と宣伝していた。

円天で買い物ができる東京・銀座の販売オフィス「円天市場」には一時、食料品や蒲団、貴金属類がずらりと並んだ。しかし、「減らない金」のように見える仕組みにはからくりがある。商品を販売する加盟店は、円天での売上げをL&Gに渡して額面25%の現金と“換金”していた。それでも元が取れるように、加盟店は例えば本来現金なら2万円程度の商品を10万円天以上で売っていたという。

同社幹部も「日本円が入ってこなければシステムは回らない」と話し、現金あってのシステムだったことを認めている。一度の出資で無限の価値を生み出すとされた円天構想は幻想に過ぎない。一時期でも一定の場所で円天を使って商品を購入できた以上、全く価値のないものと引き換えに現金を集めたとも言い切れないところだ。警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部が3日、出資法(預かり金の禁止)違反容疑でエル・アンド・ジー本社や役員宅など約60カ所の家宅捜査を始めた。

     〈年代順の主な悪質商法事件〉
               (警視庁など調べ)
 企業・団体名 (摘発年)  推定  推定
              被害額  被害者数
 投資ジャーナル (85) 584億円  7800人
 豊田商事    (87) 2025億円  27,000人
 茨城カントリー
    クラブ  (92) 1200億円  50,000人
 経済革命倶楽部 (97) 350億円  12,000人
 ココ山岡宝飾店 (98) 420億円  12,000人
 法の華三法行  (00) 950億円  22,000人
 大和都市管財  (01) 1100億円  17,000人
 八葉グループ  (02) 1549億円  49,000人
 ジー・
  オーグループ (02) 300億円  33,000人

肉親の勧めで投資した女性は「お金でもてあそばれた」と嘆き、高齢の男性は「約束は守って」と声を荒げたと聞くが、一事が万事、何事も、旨い話には特に、疑うことで生きてきた私の世代には、金、金、金の虚ろな声にしか響かない。
 

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