子どもにも「メタボ」検診を
遂に狂気の波が子どもたちを襲うことになりそうだ。
昨日書いた住友病院院長・松澤佑次の言「『痩せましょう』『運動しましょう』といっても多くの人は聞く耳を持たなかった」が、「メタボ」で脅したら聞くようになった、という。今度は子どもたちに向かって脅しをかけることを思いついたようだ。
毎日新聞(10/28)から
厚生労働省の研究班(主任研究者、大関武彦・浜松医科大教授)が、小児(6〜15歳)のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の診断基準をまとめた。今後、日本肥満学会や日本小児科学会などとすり合わせ、関係学会合同基準とする方針だという。基準を守ることの重要性を広く呼び掛ける予定だが、専門科の中からは「子どもに基準が必要なのか」と疑問視する声も出ている。
《専門科の意見を聞くまでもないことだ。子どもの場合、生活環境、食習慣、などで成長過程に及ぼす影響は極端に違いが出る。寒い地域、暖かい地域の地域差もある。また、第一次性徴期に入ると男女ともにその変動が大きくなる。それに遺伝子として受けた個体差もある。》
研究班によると、成人と同様、腹囲が基準に該当し、基準値以上の検査値が二つあると、同症候群と診断する。腹囲は、成長期であることを考慮し、中学生80センチ以上、小学生75センチ以上、もしくは「腹囲(センチ)÷身長(センチ)が0・5以上とした。
<小児のメタボリックシンドローム診断基準>
1)腹囲
中学生80センチ以上、小学生75センチ以上
もしくは、腹囲(センチ)÷身長(センチ)=0・5以上
2)検査数値
・血中脂質(血中1デシリットル当たり)
中性脂肪120ミリグラム以上もしくは
HDLコレステロール40ミリグラム未満
・血圧(単位ミリHg)
収縮期125以上もしくは拡張期70以上
・空腹時血糖(血液1デシリットル当り)
100ミリグラム以上
【注】1)、に該当したうえ、2)、のうち2項目に該当するとメタボリックシンドロームと診断する
大関教授は「子どものころには具体的な症状は出ないが、基準に合致する子どもの血管では動脈硬化が始まっている」と説明する。
これに対し、昨日も反対意見として取り上げた大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)は「成長過程にある子どもを診断するのに、固定した値を設定すること自体、医学的に問題がある。安易に基準が広まれば、子どもの差別、いじめを招きかねない」と批判する。
《普通に考えて、身体が大きくなり力自慢の子は、将来スポーツ選手を目標に頑張るかもしれない。特に大きい身体が見込まれてスカウトの目にとまり、相撲界に入る道が開ける子だっている。従来でもアスリートを目指す子は、自ら心掛け、運動に励むようになって成長とともに身体を創ってきた。すでに成長が止まった大人が「痩せましょう」「運動しましょう」の掛け声に乗らないからといって、同じ法則を子どもにまで当てはめることをしなくてもいいだろう。もしも、大櫛教授が懸念することが起って、いじめなどが発生した時、これらを提唱するセンセイ達は、自ら責任を取ることまで約束するのだろうか、疑問だ。》
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