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2007年10月27日 (土)

「メタボ」健診

“私は「メタボ(メタボリックシンドローム)で会社をクビになりました!?”なる宣伝記事に驚いた。サンデー毎日11月4日号の発売案内だ。

言わずと知れた来年度開始になる「ウエスト健診」をからかった(?)記事だ。医療費削減のための取り組みだという。いや、からかうだけで済むことかどうか、「入社試験でもデブは不利か?」「肥満度が高いと配置転換も」「再雇用で内臓脂肪のハードルを設定する会社が出現した」「健康保険の負担を嫌って社内のメタボを減らせ!の大号令! などと取り上げて、幾つかの疑問を呈しながらまとめている。

デブ、デブとビール腹を撫で、シャツをまくり上げ、顔面に噴き出す汗を苦しそうに拭うさまを、夏の風物詩として眺められるのも昔話になるのだろうか。同じ肥満がメタボリックシンドロームなる名を頂戴した途端に病人扱いされる時代になったようだ。死ぬぞ、死ぬぞの掛け声を、金儲けにうずうずしている製薬会社や、医師たちが、世間に背を向けて銭勘定している姿が手に取るように見える。

そこでこの風潮に叛旗を翻したような山盛りのどんぶりを、ファーストフードやコンビニエンスストア各社が、ボリューム満載の“メガ”盛り商品を次々に発売している。中年層の脱・メタボの反動や、若者向けを中心とする「大食い」ブームに乗って、幅広い世代の男性の人気を集めているという。毎日新聞(10/24日)から

牛丼店「すき屋」は16日から“メガ牛丼”(680円、11月11日まで650円)牛肉が普通の2杯分の特盛りより多い3杯分。カロリーは1286キロと、ジョギング2時間の運動量に匹敵するが、「特盛り以上に注文がある」という。サークルKサンクスは30日、「大きなおむすび!」(315円、約550キロカロリー)重さ約290グラムと通常サイズの2・8倍という大きさ、11月19日までの限定発売。ファミリーマートは16日、通常弁当の1・6倍の「メガハンバーグ弁当」(540円、1184キロカロリー)を発売。セブンイレブン・ジャパンも9月から重さ約380グラムの「がっつりプリン&チョコパフェ」(490円、約740キロカロリー)を売り出した。

人気の火付け役は、日本マクドナルドの「メガマック」(330〜380円、754キロカロリー)だった。ハンバーグ4枚のボリュームが話題を呼び、1月から数回の期間限定販売で、計2000万円以上を売り上げたという。

コンビニなどはここ数年、健康志向の食品開発に力を入れてきたが、「量のこだわる客が以外に多い」(ファミリーマート)ことが判明。1品当りの単価は上がるため、少しでも売上げを伸ばしたい各社にとって魅力的な商品で、当面ブームは続きそうだ、と書いている。

サンデー毎日では、ある中堅機械メーカーの人事担当が、「近い将来“メタボ体形の人の採用はなるべく見送るように”という会社の方針になるかも知れません」と話す。
  「腹回(ウエスト)が男性で 85cm以上
            女性で 90cm以上
  さらに、脂質、血圧、空腹時血糖の3項目のうち2つ以上が基準値を超えると「アナタはメタボ」と診断される。「昨年、神奈川県の技術系のある会社が、再雇用の条件として、『肥満でないこと』という項目を出して来たのです。確かに『喫煙習慣がないこと』というのはまだ理解できますが、仕事に影響がない程度の肥満を再雇用のハードルに設定したケースと言えるでしょう。この先、“メタボ健診”が始まれば、このような事例が続出する恐れがあります」と話す。

反対に定年を控え、“メタボ足切り”にかかる世代だけではない。「ことは人権問題に及ぶ可能性があるので、あまり大っぴらに言えませんが、同じくらいの能力の新人が2人いて、どちらか1人を選べということになれば、太っている方の人を敬遠することは十分に考えられます」(ある家電メーカー・労務担当)。

これが女性となれば、下手すると究極のセクハラになりそうだ。もし漏洩でもしたら、職場の雰囲気は一気に崩壊しかねない。「なんで、健康診断で会社に腹周を図られる必要があるの。そんなの、自分自身でやれるわ、自分で健康管理するから、上司に申告する必要もない」と。ウエストの数値を管理する上司も、たまったものではないだろう。来年度から始まるメタボ健診を前に、企業内は労使ともども、まさにハラハラドキドキだという。

石川県の城北病院副院長で、県内にある20数社で産業医も務めている服部真医師は、こう指摘する。「メタボになる最大の原因は、長時間労働です。月に100時間以上残業をしている社員の面談を実施したところ、大半はメタボだったのです。労働環境、社会環境を変えない限り、メタボはなくなりません。それを『個人の責任だ』と社員の側に押し付けるのはあまりに理不尽です」

同医師によると、スウェーデンでは、各事業所のデスクは電動であることが求められ、一定の時間がくると自動的に高さが変わるのだという。一定の姿勢で仕事をすると健康によくないため、デスクの高さを変え、立った姿勢で仕事をするのだという、健康先進国といわれる所以だ。

東海大学医学部の大櫛陽一教授は「(メタボ健診の導入は)すべてが科学的根拠がなく、デタラメです。その基準に当てはめて独自に調査しましたが、男性は59%、女性は48%が“メタボ予備軍”という結果が出たのです。これでは今後、むしろ医療費は膨大に膨れ上がり、国も企業も個人も崩壊する」と話す。これぞまさしく本末転倒と呼ぶべきか。
               ‥‥‥ つづく

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