「1円携帯」見直し
1979年12月、無線局の認可を受けて国内で始めて自動車電話が移動電話として世に出た。今の携帯電話の初めだろう。当時は高級車に乗ることができるエラいクラスの人たちだけの高価な(確か、30万円ほどしていたと思う)機器だった。
これは、遠い昔の話だが、今では1円で、いや、只で手にすることも可能なようだから技術の進歩には驚くばかりだが、そのために、小中学生には害でしかないものが易々と手に入り、世の中に問題を広めている。電話機としてではなく普通の電化製品であれば少なくとも、2、3万〜7、8万はするだろうものが只同然で使用することができる仕組みが出来上がってきた。
毎日新聞(9/25)から
総務省は20日、携帯電話の料金体系の見直しを盛り込んだ「モバイルビジネス研究会」の最終報告書を公表した。販売店に販売奨励金*を払って「1円携帯」など端末を安く販売させ、代わりに通信料を上乗せして回収する商法を改め、通信料と携帯端末の代金を分離した料金プランの導入を携帯各社に求める内容だ。各社はすでに、報告に沿ったプランの検討を始めており、08年度から端末の価格は割高だが通信料は割安な料金プランが登場することになりそうだ。
*販売奨励金(インセンティブ Incentive)、主に報奨金をつけた契約などに用いられる。
携帯電話における販売奨励金契約は、携帯電話会社と販売会社(代理店)の間で締結されるもので利用者に直接の関係はないが、この契約によって端末購入時の価格が安くなる恩恵を受けている。
ただ、端末価格が上がれば、買い換え需要の冷え込みが予想されることから、各社は「新プランへの変更を一気に進めると影響が大きい」とし、影響を受ける販売店や携帯各社、端末メーカーは顧客の動向を見守りながら、当面は現行プランも継続する方針もあるようだ。
現在の仕組みでは、端末を安くさせるために携帯会社が販売店に支払っている「販売奨励金」は1台4万円前後のようだ。端末の平均買い替え時期は2年程度で、単純計算では毎月1500〜1600円が通信料に上乗せされていることになる。現行のプランでは、頻繁に買い換えする人も、1台を長く使う人も同じ料金プランが適用され、1台を長く使う人ほど損になっていた。新プランも選択できるようになれば、不公平感は解消する。携帯各社は、早ければ来春から通信料と携帯端末の代金を分離した料金プランを導入するが、毎月の通信料は、この「上乗せ分」は安くできることになる。
一方、端末価格が上がれば、国内で年間約4700万台出荷される端末の売れ行きが鈍る可能性は高く、大幅な上昇が起る可能性もある端末メーカーには大打撃になる。国内の端末メーカーは11社あり、「飽和状態」(大手メーカー)になっている。競争が激化することは必至で、メーカーの再編が進む可能性もある、という。
携帯会社にも「新機能がついた高級端末がさらに高価になり、新サービスが普及しなくなる」(大手携帯会社)との懸念がある。携帯会社は「新プランがいいか、現行のプランがいいかを選ぶのは顧客しかない。両方のプランを用意し、市場動向を見極めながら、今後を判断する」(KDDI)方針だという。
総務省の最終報告書は、新しい料金体系を08年度から試験導入し、10年をめどに本格導入することを求めている。また、携帯端末はそのままで、他の携帯会社に契約を変更できる仕組みを10年をめどに導入するよう提言している。携帯の大半は、電話番号情報を記録した「SIMカード」と呼ぶICカードが内蔵され、他社の携帯に入れても通話できないようカギをかけている。報告書は総務省に対し、10年時点でカギの解除を義務づける方向で検討するよう求めている。
《端末の価格が上がることには大賛成だ。特に、小中学生(最近の社会現象を見ていると、高校生でさえ、持たせない方がよい、と思わざるを得ない)に有害な携帯の所持禁止の立法化を願うものには、無責任を通り越して野放図に買い与える保護者が躊躇して、子供へ与える玩具としては手が出せない高価なものになればよい。現在の世相を眺めても、電車の中、車の中、自転車に乗って、歩きながら、立ち止まって、或いはカメラ代わりの迷惑を顧みない非常識が氾濫している。これらのことが少しは減ってくれることも期待できるのではないか。それらの要因の1つには、多機能を売りにした不必要なものを増やし過ぎたことの弊害でもある。メーカーの淘汰もあるだろうが、電話機の原点に戻った反省も必要だろう。》
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