パソコンが子供用になる?
“簡単操作で有害サイト NO!”
携帯電話は小中学生の子どもにとって、有害ではあっても益になることは何一つない。早くから小中学生(有識者の15歳以下をいう人もある)の携帯電話使用を禁ずる立法化を提案しているが、これらは皆、子供達の保護者の監督責任の放棄が原因で問題化しているからだ。この問題に関しては、メーカーの対応の無策を攻め、親ばかりを責めることに疑問を呈する人もいるが、それは違う。根源的にはこのような危険な玩具を買い与える方にこそ問題があるのだ。何故危険かはこれまでにさんざん書き連ねてきた。子どもにとって、危なっかしい玩具ほど好奇心を抱く。保護者たちにも心当たりはあっても、その時代にはこのような玩具は世に存在していなかった。それだけにどのように接していいのか分かっていないことが起因しているのが実態だ。
これまでにもプロテクトをかけるソフトは幾つか出ているが、親は無理解の上、「うちの子に限って」の無責任から予防手段が打てないまま来ている状況だ。
同じように小学校では教室にパソコンが並び、子供達は早くから使いこなし、下手な大人以上に利用することが可能だ。教室では教師がしっかり監督している。心配されるような有害サイトを見るものはいないだろう。しかし、今では家庭には家族が使用するパソコンが1台、或いはそれ以上あるのが普通になっている普及率だ。子どもが手を触れないように管理しているパソコンであれば心配ない。家族共有の場合、或いは専用で買い与えているような場合、携帯電話と同じような使用のされ方で、有害サイトへのアクセスから問題が多発している。
【閑話休題】
玩具大手のバンダイとパソコン周辺機器大手のバッファローはパソコンを簡単に子ども専用に切り替えることができる「ぱそこんキッズキー」を共同で開発し、14日から発売を開始した。キーと名がつけられてるだけに、普通に鍵の形をした可愛らしいミッキーマウスとくまのプーさんの絵を、柄に貼られたキーをパソコンのUSB端子に差し込むだけで、子ども向けのポータル(玄関)サイト「ヤフー!キッズ」にしか接続できなくなり、有害サイトは見られなくなるというものだ。
USB端子にキーを差し込むと、自動的に切り替えのためのソフトがインストールされ、完全に独自の画面が立ち上がり、「しらべる」、「あそぶ」、「マイドキュメント」、「メッセージ」、「ファンリンク」のアイコンが表示される。必要な初期設定*は子どもの名前と誕生日の入力で使えるようになる。さらに未就学児童向けには「おもちゃ箱モード」も用意されているという。
*なお、設定によっては特定のアプリケーションやネット上のサイトへのアクセスや、URLの入力、プリンタの使用、標準ブラウザの使用を許可できるほか、子どもがどこへ接続したかのログの閲覧機能も搭載する、という。
何のことはない、抜け道をしっかりと教えているのだ。これは「グッズは単なるお飾りですよ」と言っているのに等しい。
小学1〜4年生の子どもを持つ保護者を対象にバンダイが行なった調査によれば、家庭内でパソコンおよびインターネットを利用している割合は7割を超えるという。しかし、その半数はどのように使わせればよいのか分らないままに、何の対応もできないままに使用させているのことが分かったという。
また、「やふー!キッズ」には、小中学生向けに事前に安全を確認したサイトしか登録されていない。ゲームソフトについては、保護者が設定したものしか使えないように設定できるほか、パソコンを長時間使うと画面に注意表示が出る機能もある。
携帯電話の使用に当ってと同じことだが、パソコンも保護者は子どもの使い方について「子どもの自主性に任せている」と体の良い言い逃れで保護者の監督責任を放棄しているのと同じことだ。「ぱそこんキッズキー」を取り付けることで有害サイトはもう見られない、と保護者が思い込むことは間違っている。簡単に取り付けられるグッズだ、逆に簡単に取り外すことができるものなのだ。学校での使用の際と同じように、保護者がそばについて使用状況を監視できていればよいが、目がとどかない時間、取り外しての使用は簡単なことだ。ログを調べて分かったとしても、その時はすでに後の祭になっている。子どもは本当に純真だが、また大人の目を欺くことにかけても長けている。しかし、保護者たちは携帯電話でもそうだが、情けないことに“子どものプライバシー”に恐れをなしてチェックをようしない。
こんな不確かなグッズに信頼をおかず、年齢階層別に使用可能な制約を組み込んだ安価なパソコンをメーカーが作ればよい。企業は採算性を危ぶむことになるだろうが、下取制度としてのシステムを検討し、流通の仕組みをしっかりとしたものに作り上げれば将来的には採算ベースに乗る可能性もあるのではないか。今、どんなに厳しいルールを作ってみても社会全体がモラルを失っている現実がある。そして、保護者への啓蒙が不可能なことも分り切っている。便利な機械の負の部分をこれ以上大きくしてはならないだろう。
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