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2007年8月24日 (金)

私立高校の大学合格者水増し

大阪の私立高校の3割が、成績優秀な生徒の受験料を負担して有名大学を何校も受けさせ、学校の進学実績を水増しして公表していた。同じケースは兵庫、滋賀、静岡など各県の私立高校でも相次いで発覚しており、全国に広がっている可能性があるとみられる。これよりも先に問題化した必須課目の履修漏れや高校球児の特待生制度などと同様、背景には少子化に伴って激化する各高校間の生徒の奪い合いの激化がある。

問題が発覚したのは7月。大阪学芸高(大阪市住吉区)が、男子生徒1人の受験料を負担し、関西の有名4市立大の計78学部・学科を受けさせていた。しかも、合格校数に応じて受験生に奨励金を支払っていたという。

これを切っ掛けに、大阪府が私立高校(通信制を含む)101校を調査したところ、07年度で31校が同様に受験料を負担して1人に複数校を受けさせ、70校が実人数とかけ離れた延べ人数のみを公表していた。最高で1人が71学部・学科を受験したケースもあった。

現在の受験システムを知らない時代錯誤の頭には、どうしてこのような神出鬼没のような芸当が可能なのかとても理解できることではなかった。が、これも当世風の少子化の為せるわざではあるようだ。それに加えて1人が数十もの学部・学科を受験できる入試制度が、水増しを可能にしたのだという。

90年度の大学入試センター試験導入により、市立大も合否判定にセンター試験の成績を利用できるようになった。受験生側はセンター試験を受けさえすれば、願書を出すだけで多くの市立大を受験できるのだ。大学側にとっては、志願者集めだけではなく、当然、受験料収入にも結びつく。その意味では高校、大学双方の利害が一致しており、高校側だけの問題ではない。

大阪の公立中学校の卒業者数は、ピークだった87年の約15万人から、現在は約7万人に半減している。一方、私立高校数は5校増えた。全国的にみても、私立高校数は微増しているのに、生徒数はこの20年間で3分の2近くまで落ち込んでいる。

 全国の私立高校数と生徒数の推移
           (文部科学省調べ)
 1985年  1289校   145万6472人
 1995年  1320校   142万6539人
 2005年  1321校   106万8923人
 2006年  1325校   103万8282人

時代の推移の中で、新しい学科、ユニークな分野も必要になったこともあるが、逆比例のような歪み現象が生まれて来た。単純に1校当たりの人数を比較してみるとよく分る。1985年の1130人に対し、2006年は784人だ。逆に1130人を現在の生徒数に当てはめてみると、学校数は919校ですむ。如何に少子化が影響しているかが分る数字だ。特に私学の場合、経営は銭かねがあってこそ成り立つ。大阪府の担当者がいう「私学は崇高な建学の精神を忘れ、目先の利益に追われている」との厳しい指摘も、「武士は食わねど高楊枝」では精神論も萎えてしまう。あのてこの手で生き残りを模索するのは当たり前のことだ。

ある私学関係者は「ユニークな授業や資格取得など特色づくりに取り組んでも、保護者が見るのは結局『国立や有名私立に何人合格したか』だ。出身大学名で採用する企業は今も多く、わが子を『勝ち組』に入れようとする親の意識は根強い」とこぼす。

文部科学省は「私学を指導するのは都道府県。水増しは法令違反に当らず、モラルの問題だ」と静観の構えでいる。水増しは、学校間の過当競争が招いたモラルの崩壊ではあるが、有名大学入学という「ブランド」を求めがちな保護者側の姿勢が競争を後押しした側面も忘れるべきだはない。

文部科学省のいうモラルなんて何処にあるのか、日本の最高学府と呼ばれる赤門をくぐっても、勉強だけはできたが、モラルの持ち合わせなんて露ほどもない。悪をしたければ赤門へ行って官僚になればよい。自分たちにモラルの持ち合わせがないから水増しも、嫌みは口にしても静観するより手はない。大体が少子化の波は早くから来ていたのに、有効な施策を施すこともせず、高みの見物で見ていただけだからだ。それにブランド志向の親もいけない。目の色変えて買い漁る着るものや、指や手首を飾り、肩からぶら下げるもので止どめておけばいいものを、身の程知らずに欲をかいて名前だけの有名大学に入れようとする。しかし、昔勉強の場であった大学は、ただの男女友好の場でしかなくなっているのに。

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