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2007年8月18日 (土)

学校裏サイト、プロフィール

中高生がインターネットで情報交換する「学校裏サイト」で、いじめや問題画像の流出が問題化しているという。「裏サイト」は学校が公的に作るサイトとは別に、生徒個人が立ち上げている掲示板で、特定の生徒の写真が張り付けられ「きもい」「死ね」「消えて」などの文言が並ぶこともある。頻発する人権侵害に、親や教師たちは困惑している(毎日新聞8/16)。

東京都内に住む19歳の少年は、私立高校3年だった昨年、裏サイトに実名や携帯電話の番号、メールアドレスを勝手に公開され「うざい」「カンニングしている」などと書き込まれた。少年は同じ学校の女子との交際を始めてから嫌がらせが始まったという。「あいつとつき合うと犯すぞ」など脅迫メールが届いた。誰からのメールかも分らず、二人は友だちに逢うのも怖くなり、不登校になった。少年の場合は「全国Webカウンセリング協議会」に相談してメールアドレスを変えた。以来中傷メールは来なくなっている。

裏サイトで猥褻画像が広まった例もあるという。北関東の公立中では「女の身体を知りたい」という書き込みに対し、男子生徒が交際中の女子生徒の裸の写真を携帯電話で撮影して添付、大問題になった。校長は「PTAの緊急集会後に突然裏サイトは閉鎖されたが、別のサイトが立ち上がっていないか不安だ」と明かした。

《話は中学校で起きたことだ。思春期の男が「女の裸を知りたい」と告白するのは取り立てて珍しいことではない。しかし、このメールを見て、つき合っている女の裸を撮った男子生徒、撮らせた女子生徒の精神構造は一体どうなっているのだろう。どう考えてみても、男女両人とも親から見放された哀れな動物としか思えない。事件が出来して慌てて校長がPTA集会を開いてみたところで何の役にも立たない。原因は学校にあることではないからだ。そもそも「裏サイト」とは学校の管理下にあるものではない。生徒たちが名前を伏せて自由にアクセスして情報交換できることがこの名前が付けられた由来だろう。そのために、裏サイトには学校名が付けられることはほとんどないと聞く。大人が検索しようとしても見つけるのは難しい。》

昨年10月、仙台市の中学3年の男子生徒が掲示板で「死ね」と名指しで中傷される事件があり、同級生の女子生徒が侮辱の非行事実で家裁送致された。今春には大阪府警が女子中学生を実名で中傷するメールを掲載した掲示板の管理人の男を、名誉毀損幇助容疑で書類送検したが、嫌疑不十分で不起訴処分となったケースも発生している。

全国カウンセリング協議会の安川雅史理事長は「最近は親や教師の目から逃れようとパスワードを設けるサイトも増えており、密室化が進んでいる」と懸念する。情報モラルの問題に詳しい千葉県柏市立土南部小学校の西田光昭教諭は「裏サイトは子ども同士の口コミで広まる。子どもが親や教師に隠れてコミュニケーションの場を作っているため、校名で検索してもなかなか辿り着けない。学校側が逐一指導するのは難しい」と指摘する。

同小学校は「親も実態を知ることが大切」として、今年初めて保護者向けに携帯電話の使い方について研修会を行なったという。西田教諭は「問題が起きる前に親や学校が使い方などについて指導していくことが大事」と話している。

《もっと根本的な問題としては、通信料金も支払うことのできない小中学生に、携帯電話を持たせること自体が間違っている。子どもに携帯が不必要なことは、今までにも何度となく主張してきた。「いざという時」「何かと便利」「防犯のため」などは、すべてメーカーの『売らんかな』のキャッチコピーだ。いざという時、犯罪に巻き込まれてしまっては、携帯は絶対に何の役にもたたない。抜け道は幾らでもあるのだ。ただあると使いたくなるだけのものでしかない。しかし、これとて、毎日学校では顔をあわせることのできる友だちどうし、翌日逢えば会話はできる。売る方は消費者心理を読み、他社との競合で使い勝手など考えもせず、あれも出来ます、これも出来ますと、余計なものを次から次に付け加える。買い与える親の側では新機能についていけなくなるものも出て来る。子どもが何をしても教育責任を学校任せにしている親たちは、無責任な放任になり、子どもの好き勝手はますますエスカレートする。監督責任のある親として、しなければならない携帯の中身のチェックもようしない。現状では、小中学生の携帯電話の携帯は禁止にすること以外に防止策はないだろう。》

また、自分の趣味や血液型、写真などのプロフィール(Profile プロファイル・横顔或いは人物短評)をネット上に公開し、友だちを増やす遊び「プロフ」が中高生の間で爆発的に流行している、という。友だちの写真を断わりもなく添付したり、アクセス数を上げるために際どい写真を公開する子どももいる。「学校裏サイト」で人権侵害が頻発しているように、プロフについてもトラブルを警戒して多くの学校が生徒指導に乗り出している、ということだ。

《何度も書くように、指導する相手を間違っている。指導しなければならないのは、ものの善悪も教えることを怠ってきた、そのような子どもたちの親なのだ。何という家庭教育をしてきたことか。》

プロフは複数の業者が専門サイトを運営している。女子生徒に人気が高く、用意されたフォーマットに自己紹介の情報を書き込み、完成したプロフィールを友だち同士で交換して、掲示板に書き込まれたメッセージを読んで楽しむものだ。そのため、個人情報の露出に無頓着な子どもも少なくない。不特定多数が見ることができるにも拘わらず、正面から撮った本人と分る写真を自ら添付したり、学校名を書くケースもある。友だちとのリンクを張る子も多く、交友関係も一目で分かってしまう。サイト間のアクセス数を競い合うこともあり、「何フェチ?」「異性の身体で好きなパーツは?」などの質問もあるという。

関心をひくためにセミヌードになった女子生徒もいるという。女子生徒の裸の写真を添付したプロフもあったり、別人の写真転用や、出合い系サイト関係者が作った偽プロフの可能性もありで、実態は闇の中だという。東京都内のある公立中の調べでは、2年女子の4人に1人がプロフを持っていた。また、相手によって使い分けるために3つのプロフを持っている私立女子中3年生もいた。

東京都町田市の公立中学校では昨年10月、教師の検索で約10人の生徒がプロフを持っていた。たばこを咥える生徒の写真が添付されたものもみつかった。学校側は生徒と親を呼び、プロフを止めるよう指導した。「トラブルが発生してからでは手遅れ」とのプリントを作り、全保護者に配ったという。生活指導の主任教諭は「携帯電話やネットは現状が掴みにくく、トラブルは目に見えにくい。保護者の指導が大事」と話している。プロフについて、多くの学校が適正使用の呼び掛けなど生徒指導に乗り出しているというが、プロフ禁止を打ち出す学校は少数派だ。子どもの人権や個人情報を守るための対策が、さらに求められそうだ。

子どもの携帯電話利用を継続調査する群馬大大学院の下田博次教授が親へ警告を発している。
「プロフをはじめとした携帯電話による逸脱行為やいやがらせは日常化している。ある女子中学生は別の女子生徒になりすまし勝手にプロフを作成、性交渉相手を求める言葉を書いた。昨秋は30代の男が、女の子のプロフを見て誘いをかけ連れ回す犯罪も起きた。親は安易に携帯電話を買い与える前に、実態を知る必要がある」と。

《親からは放任されて育ち、判断力も身につけさせていない子どもに、流行だから、便利だから、だけで危ない玩具を買い与える。思春期の男女、お互い異性に興味を持つのは当たり前のこと、大人の世界の性風俗そのものが乱れ切っている。本来あっては恥ずかしいはずの婚前妊娠、それが堂々と数万人の前で見栄を切って恥を曝すこと(何処かのプロ野球選手)ができる世の中だ。(前にも書いたが)時代遅れかも知れないけれど、私が男女どちらの父親でも、そんなふしだら、不始末は絶対に許さない。

親はわが子の成長に無関心に過ぎる世の中だ。勿論みながそのような親と子ではないが、このような心配をすることもない。その前に倫理の一つも教えないでは、携帯電話など中学生の子には買い与えることはない、まして小学生には全く必要はない。》

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コメント

あなたのおっしゃる通りだと思います。
あれほど危険なツールを簡単に子供に渡す今の日本は狂っている。
しかし、これほど普及すれば、政治家が決断をしなければ、子供から取り上げるのは不可能だと思います。政治家に決断させるには、「携帯は子供を危険にさらすことはあっても守るものではない」と世の親に認識させ、世論を盛り上げるしかありません。
残念ですが、そのためには、生け贄として、子供たちが目を覆いたくなるような悲惨な目に遭わねばならないでしょう。多くの子供がまともに生きるためには、少々の犠牲者が必要なのが、今の日本ではないでしょうか?

投稿: | 2007年8月19日 (日) 14時54分

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