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2007年6月 2日 (土)

教育再生2次報告

毎日新聞(6/2)から
政府の教育再生会議(野依良治座長)は1日、首相官邸で総会を開き、第2次報告「公教育再生に向けた更なる一歩と『教育新時代』のための基盤の再構築」を正式決定した。土曜授業の復活と「徳育」の新設に向け、学習指導要領の改定など今年度中に行うよう提言した。大学の9月入学も、今年度中に学校教育法施行規則を改正し「全国立大学での入学枠」を設定するよう求めた。土曜授業と9月入学は、早ければ来年度から実施する可能性があるが、拙速な報告に対する懸念の声もでている。

新聞社のまとめた第2次報告のポイントを借りる。
♦「授業時間数10%増」確保のための土曜授業を実施するため、07年度中に学習指導要領を改定する。
♦道徳教育に代わり「徳育」を「新たな教科」として創設。多様な教科書と副教材で指導するが、点数評価はしない。こちらも07年度中に学習指導要領を改定する。
♦小学校での集団宿泊体験、自然体験、農業漁業体験活動を、中学校では職場体験活動を各1週間実施。こちらも07年度中に学習指導要領を改定する。
♦全国学力テストの成績不振校に改善計画書を提出させ、予算や教員定数、人事面で支援する。
♦テレビ視聴の抑制など「子育てにかかわる科学的知見」を情報提供する。

学力の低下が懸念され、「ゆとり教育」の見直しを打ち出した第1次報告に具体的要素をいくぶん加えたものになった。それぞれに現実問題として抱えている要素があり、根拠のない項目はない、といえる。特に反発の大きかった「親学」にしても、親による虐待や殺人、給食費不払いの実態などを踏まえたものだ。

上のそれぞれの項目について逐条的に取り上げることは手に余る。5月26、27日の毎日新聞による全国世論調査で、親に向けた子育ての指針(親学)を政府が提言することについてのアンケートがあるので、それについて述べてみたい。
 ♢政府の教育再生会議は、赤ちゃんを母乳で育てたり、子守唄を聞かせることを勧めるなど、子育ての手引きとなる「親学」の提言を検討してきました。政府がこのような提言を示すことに賛成ですか、反対ですか。
      全体  男性  女性
  賛成  47   48   46
  反対  44   44   44
 ♢教育再生会議は公立小中学校の道徳教育をさらに推し進めることを考えています。道徳教育の強化に賛成ですか。
      全体  男性  女性
  賛成  75   74   75
  反対  19   21   18
  (数字は%、小数点以下四捨五入)
 第2次報告では子育ての指針は打ち出す一方、親学という表現は盛り込まなかった。アンケートの詳しい内容は書かれていないが、20代は賛成が68%で反対の28%を大きく上回った。30代、60代、70代以上も賛成が反対よりも多かった。逆に40代、50代はいずれも賛成が約4割で反対が約5割。これから子育てが本格化する世代と、子育てを終えた世代で賛成が多く、思春期の子どもを抱える世代で抵抗感が強い傾向が出た、と分析している。

小中学校の道徳教育が圧倒的な支持で賛成票を集めている。その支持は誰がしているのか。本来が生まれ落ちて物心がつく前から家庭でしなければならない躾や道徳心の涵養を、家庭で行わずに放任したままで、すべてを学校に預けてからの丸投げにしている親たちが求めての賛成だ。学校に上がってからでは手遅れであることに誰も気がついていない。親なら厳しく躾けられることでも、同じことを他人の教師がやると、阿呆な保護者の苦情が殺到することになる。道徳を教えなければならないのは、子どもではなくて、親、大人にだ。それに公金を無駄遣いする役人や官僚だ。それには母乳、子守唄で後込みしたようだが、親学こそ最も重要な問題でなければならない。
 

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