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2007年6月15日 (金)

増え過ぎた鹿

毎日新聞(6/5)から
神奈川県の丹沢山地の稜線で、4月に餓死したとみられるニホンジカ*の死骸が相次いで見つかった。現在、丹沢には推計3700〜4500頭の鹿が棲息し、自然の許容範囲を超えていると指摘されている。増え過ぎた鹿が笹類を食べ尽くして山が荒れ、慢性的な飢餓状態に追い込まれ、力尽きたためと見られている。

 *ニホンジカ・・北海道から九州まで分布して棲息している。縄張りを持たず、繁殖力が旺盛で、条件に恵まれると限度なく増えるため、生態系に強い影響を与える。天敵であるニホンオオカミが絶滅している上に、降雪が少なくなったこともあって、知床(北海道)、奥多摩(東京)、大台ヶ原(奈良)、屋久島(鹿児島)などで増え過ぎが問題となっている。

丹沢の最高峰・蛭ヶ岳(1673メートル)にある蛭ヶ岳山荘周辺で4月下旬になって7頭の鹿の死骸が見つかっている(山荘管理人の話)。5月下旬になっても登山道まん中には、ひずめのついた鹿の足の骨が転がっており、白や茶色の鹿の毛が散乱していた。登山道から5メートルほど入った場所にも、白骨化した鹿の死骸が横たわり、周辺の樹木の皮は大きく食い剥がされていた。

山荘管理人の話では「季節外れの雪が降った4月下旬に死んでいた。野生動物は人間の目につかないところで死ぬ。登山道で見つかるのはそれだけ、山全体で多くの鹿が餓死したのではないか」と見ている。丹沢自然保護協会の中村道也理事長によると、東丹沢の林道周辺でも3〜4月に10頭の鹿の死骸が見つかったという。

神奈川県内の鹿は戦後の乱獲で激減し、県は1955年に狩猟を禁じた。その頃はちょうど国が杉や桧の植林を進めた時期で、鹿は植林された苗木を食べて爆発的に増加した。県では人工林の周囲に柵を巡らせて鹿を追い出し狩猟を解禁した。追われた鹿はより高い場所に移動した。現在では山頂付近で稀少植物まで食べ荒らしている状態だ。

羽澄俊裕・野生動物保護管理事務所代表は「山も鹿も極限状態だ。鹿の数を減らすと同時に、山の中腹に鹿が住める環境を取り戻さなければ、山も鹿も守れない」と警告している。

《先日開かれた捕鯨委員会で、日本の捕鯨が世界から認められなかったことがある。食文化の違いは難しい問題があるが、日本代表は委員会からの脱退も辞さない覚悟を訴えて帰国している。鹿もいざ捕獲して屠殺するとなると黙っておられない人たちが騒ぎはじめる。しかし、その人たちも、動物の肉を何のてらいもなく食して舌鼓を打つ。牛も、豚も、鶏も、クジラも、胃袋に納まるまでには幾多の人の手を経て形を変えたものだから。それがスーパーに並んだ途端に、動物が人間のために自分の命をくれているのだという感動を持つ人がどれだけいるだろうか。

鹿肉から作ったソーセージをタレントたちが旨い旨いと頬張る風景をテレビが報じていた。いっそのこと、鹿の牧場でも作って飼育することを考えればいい。食肉用に駝鳥の飼育も試みられているようだし、鹿を山の上に追い込むことを考えるくらいなら、麓に招いて繁殖力旺盛な鹿なら手厚い飼育で上質の鹿肉への改良を研究すればいい。西洋人並みに肉食に馴らされた日本人だ。殺すところを見なければ口に入るとなれば何の肉でも喜んで食するだろう。》

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