破れかぶれの 安倍「私の内閣」
日本が拉致、拉致と唱え、具体的には何一つ手を打てない間に北朝鮮は、凍結されていた資金約30億円を確保した。早々と韓国は30日にも北朝鮮に向けてコメ40万トンを支援する。アメリカは6カ国協議の合意に基づく核廃棄に向けた初期措置を履行する場合、200万ドル相当の経済・エネルギー・人道的支援を行うことを報道した。日本は拉致問題の進展がない限り、北朝鮮への支援はしない方針だ。しかし、日本が拉致問題を持ち出さないところで北朝鮮の核廃棄は着々と進められている。日本を除く6カ国協議国が目的とする北朝鮮の核廃棄問題は、日本が持ち出す拉致問題によって、核問題の交渉を停滞させることになる危険性の方が極めて高い。
日本としては、拉致問題を6カ国協議の場に持ち込むのはどのようにすればいいのか、頭の痛いところだが、今日のアメリカ議会では、安倍の発言(広義の強制とか、軍隊が直接家の中にあがり、強制して女性を徴発したわけではないなど)から一層強ばらせた慰安婦問題が多数決で日本に謝罪を求めるよう議決された。
安倍にとっては泣きっ面に蜂の状態だ。国内的には年金問題を抱え、会期を延長してまで今国会で、何が何でも通過させたい法案がまだまだ数残ったままだ。そして遂に何をしていのか見失った結果、むちゃくちゃな結論で誤魔化すことを思い付いた。ちょうど62年前、第二次世界大戦に敗れた日本は、その戦争責任が取りざたされていた時の総理・東久邇の宮稔彦内閣<1945・8・17〜10・9>(皇族で陸軍大将=明治天皇の女婿・皇太后の叔父)がその責任を国民に向け、「一億国民総懺悔」を口にしたのと全く同じ、社会保険庁の全職員1万7000人を悪者にして、その彼らの責任として、賞与の一部返済を迫った。これでは国民の怒りの感情を逆撫でするようなもので、責任の所在を有耶無耶にして終わらせようとの魂胆が見え見えだ。
毎日新聞(6/27)も書いているように、近づいた選挙向けのパフォーマンスに心を砕くより、政府が今やらなければならないことは、はっきりしている。として次のことを挙げる。
♦保険料を払ったはずなのに年金記録が残っていない人をいかにして救済するか
♦誰に帰属するか分かっていない宙に浮いた記録を早急に統合させる
♦原因の究明と責任の所在を明らかにする
ことだ、ボーナスの返納よりこちらの方が優先度が高いし、国民もそう望んでいるはずだ、と。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
とにかく慰安婦問題については、小林よしのり著『戦争論2』の「総括・従軍慰安婦」を読んでみてほしい。
あらゆる関連本の中で最も良い。
この問題の全容も把握できる。
投稿: 加藤 | 2007年6月28日 (木) 00時35分
人物像の見えない加藤様
再度の小林よしのり 推挙。未知の人なので取り敢えず、本日書店に赴き店員に案内してもらって手にし、チラッっと眺めました。(店員からコミック本の立ち読みはお断りしています、と叱られました。)
正直な感想です。全く興味のない漫画です。私の世代は田河水泡に代表されるデッサン力の基礎を備えた簡潔にして的を得た最小限の文字で興味を引くのが漫画でした。ダラダラと文章が綴られていては1ページとは耐えられません。
私は無類の活字好きです。このことは私のブログを精通していただければ即座に納得していただけることです。読書の数も人後に落ちるとは思いません。ただ上手くない漫画(少なからず絵にも身につけた来歴も自信もあります)にこぼれる程の文字は趣味ではありません。
続いて、肝心の慰安婦問題ですが、彼小林の考えを知る必要を感じていません。彼が傲慢を言うように、私は私の独断と偏見を信じています。敗戦直前、占領軍の上陸以前に性的慰安所の設置を国是とし、全国に通達を出し、早くも敗戦12日後の8月27日には東京では大森に、慰安所を開設させた日本の為政者を思えば、飛ぶ鳥落とす勢いの当時の軍隊が、見下していた朝鮮民族、漢民族、高砂民族、南方民族を日本軍人の慰安にあてがうことぐらいは、当然のことと考えていたろうことは簡単に推理できます。当時の軍人の威圧、傲慢ぶりからすれば、少年ではありましたが、彼らと同じ空気を吸った世代の人間として、恥ずかしいことではあっても慰安婦は認めざるを得ないのです。
しかし、もっと大事なことは歴史の見方は一つではあり得ないことです。これも何度も書いて来ましたが、主張する人の拠って立つ基盤は、思想、出自や学閥派閥でいくらでも変化するものです。誰が正しいかなんて誰にも言えません。だから私は私の独断と偏見を信じるだけなのです。
投稿: 小言こうべい | 2007年6月28日 (木) 13時15分