蚊帳の外の日本外交
毎日新聞(6/21)から
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で米主席代表を務めるヒル国務次官補は21日午前、訪問中の日本から北朝鮮に向かった。ライス米国務長官は同日朝、麻生外相に電話でヒル次官補の訪朝を伝えるとともに、訪朝後に再度日本を訪問し、結果を説明する考えを明らかにした。
ライス長官は電話協議で、ヒル次官補の訪朝を「6カ国協議について議論するため、短期間訪問する」と説明した。麻生は、ヒル次官補が今回の訪朝で
♦日本は02年の日朝平壌宣言にのっとり国交正常化を実現する用意がある
♦北朝鮮が拉致問題を含む日朝関係に正面から取り組むことを期待している
との日本の立場を北朝鮮に十分伝えるよう要請した。ライス長官は「間違いなく日朝関係に付いても提起する」と応じたという。
塩崎長官は会見で「日米間で北朝鮮問題の取り組みに付いて緊密に連携してきたが、今回の訪朝に関しても事前に調整を行った」と述べ、日米の連携がとれていることを強調している。
《2月合意では、北朝鮮の初期段階措置の履行に対し、他の5カ国が重油5万トン相当の支援を行うと規定。これに関しては早々と韓国が単独で支援することが決まった。米国は北朝鮮が核施設の稼働停止・封印など「初期段階措置」を履行した場合、米政府は見返りとして200万ドル(約2億4000万円)相当の緊急人道支援を行う方針であることが18日、分かった。米国は当初、重油5万トン相当の支援の一部として人道支援を行う考えであったが、「韓国は米国がこれほど迅速に支援に乗り出せるとは思わず、決めた単独支援であった」ため、2月合意の枠外で、独自に支援を行うことになったものだ。
一歩先へ出た韓国を見据え、同紙6月19日では、計画の検討に拘わった元米政府高官は「初期段階で支援を行うのは、米国の2月合意への関与を示すことが目的だ」と説明する。米国には支援により北朝鮮に核放棄への取り組み強化を促したい思惑がある。米国は3月の6カ国協議の経済・エネルギー支援作業部会で「非政府組織(NGO)を通じて北朝鮮の病院などに小型発電機を贈ることを検討している」と表明した。
一方、日本は独自の交渉ルートを持たないまま、「拉致問題は解決済み」とする北朝鮮に真正面から拉致問題をぶつけて火花を散らすだけだ。日本は解決能力がないままに、北朝鮮を訪問するヒル次官補に「なんとか取り次いで欲しい」と頼み込んだ。日本国内は相変わらず数を頼みの衆愚政治が続いているが、6カ国協議が今後前進した場合、積極的な支援に転じた米国と拉致問題の進展がない限り支援に参加しない方針の日本との溝は一層鮮明になりそうだ。
このまま無為無策でずっと蚊帳の外で時が過ぎるだけなのか(この場合、拉致にあった人たちは永久に日本には帰れまい)、「牛に引かれて善光寺参り」よろしく、アメリカさんの尻についてご利益を期待するのみか。》
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コメント
始めまして、よろしくお願いします。
あなたのおっしゃる通りだと思います。
安倍さんは北朝鮮に対しては敵対行為の準戦争行為をしておりますので
「総連の解体、経済制裁等」まず、任期中に北朝鮮に行ける可能性は100パーセントの確率でありますまい。
まして、外務大臣が名うての右翼、麻生さんでは押して知るべし、です。
拉致不問の相当のバックアップが無い限りは、有り得ないと思えます。
その根拠は、安倍さんの韓国訪問時の核実験に象徴されています。
それに拉致家族の方々の方針です。経済制裁を主張するのは、安倍さんの力添えで援助されている関係に於いて、依頼されて主張するのは越権行為であり、真の親らしい心の喪失でもあります。
赤信号で入ってきた北朝鮮の船を
違反だからと言って小さな漁船で留めるような哀れで、愚かな行為です。衝突して死んだら、あいつが悪いんだ!といくら叫んでも意味を全く為さないと思えます。
アメリカがいつになくこの平和的解決を履行したがっている背景には何が潜んでいるのかが、知りたいものです。黙って中、露に北朝鮮での利権を思うままにさせたくないのか?裏読みできませんか?
どちらにせよ、日本を別にしたユーラシア東アジア大陸での制度を越えた合同は必然になる事でしょう。
日本が、自民党政権が、中、露への敵視政策である「弧」の結束を目指している以上、それに融合する、できる可能性は無いに等しいでしょう。
取り敢えずはオリンピック、万博までは、この推移が進むであろうが、やがてその後の情勢は未知数です。
日中の冷戦時代に突入する可能性も残されています。
投稿: ara | 2007年6月21日 (木) 22時33分