不貞の輩(やから)
三つ(二つ)の蕾に一つの花“あのことは当分秘密”(花ことば)
不貞は当て字、正しくは不逞の輩と書くが、どちらにしても、ふてい奴らだ。しかし、今日(5/1)もまた、300日問題が紙面を賑わしている。もともとは“不貞のやから”たちの招いた結果を、「生まれた子が不憫」というだけで法を曲げようとする話だ。本来、法にてらせば不貞(不義密通の男女)をこそ裁かなければならないのに、世の中上げて不貞の輩たちを救おうと懸命だ。理由はただ、時代が変った、性道徳などというものは守る必要はない、ということにあるようだ。
現在の世の中どうもも狂っているとしか思えない。婚前の性交渉の結果の出来ちゃった婚、男か女か判らないような人間の跳梁、不倫に虐待、子捨て、子殺しに親殺し、離婚がステータスのような賑わいだ。
今度もまた、みんなで渡れば怖くない式の数を頼みの世論調査だ。調査の方法(28、29の2日間、コンピューターで無作為に選んだ電話番号を使うRDS(RDD)*法で全国の有権者1000人を目標に電話で調査し、1085人から回答を得たもの。)
*RDS法(Random Digit Sampling)の略。RDD法(Random Digit Dialing)ともいう。
質問と回答
♦離婚後300日以内に生まれた子どもは、前夫の子と推定する民法の規定についてうかがいます。この規定を見直す必要があると思いますか。
全体 男 女
必要だ 73 69 75
必要ない 18 22 16
年齢別でみると、「必要」としたのは40代(84%)が最も高く、30代(77%)、50代(73%)、60代(72%)、20代(58%)70代以上(52%)の順となっている。
【必要】と答えた人に
法務省は、離婚後に妊娠したことが明らかな場合に限って、離婚後300日以内に生まれた子でも、前夫でなく今の夫の子とする出生届を見直しを行います。離婚前に妊娠した場合でも、今の夫の子と認めるべきだと思いますか。
認めるべき 68 63 71
認めるべきでない
24 31 19
【必要】と答えた人に
♦DNA鑑定を使って親子関係を判定する見直しに賛成ですか。
賛成 82 82 82
反対 12 14 11
(数字は%、小数点以下四捨五入。無回答は省略)
《ここでも何故この問題が発生しているのかの根本が伏せられたままだ。民法733条、女性は婚姻解消後6カ月の再婚禁止期間、再婚をしてはならない、を無視したままで回答を求めているのだ。法律で言う婚姻解消とは前夫と別居していることでも寝室を別にしていることでもない。法律上の離婚が成立して6カ月が経過しないと再婚の婚姻届も受理されないことになっているのだ。これは人間の妊娠期間から親子関係が複雑になることを予め配慮してのことだ。この法律上の再婚が成立する以前の妊娠が、現在問題となっている300日問題なのだ。
DNA鑑定は、医学的には精度の高い結果を出すだろうが、単なる逃げ道に過ぎない。なぜなら、不貞を不問に付して、生まれてくる子への憐憫を迫る証拠となるだけのことだから。
《日本医師会でも「母親の不貞を明らかにして家族関係を混乱させかねない」などの理由で慎重な姿勢を示している。私が驚いたのは、性モラルなど無関係、とばかりに遊んでいるかに見えた20代の4割強が、70代のほぼ5割に次いで、規定の見直しを「必要ない」とみていることだ。70代が現在の性の乱れに顔を歪めているのは想像できるが、若い20代が、大人よりも厳しい道徳性を備えていることに安堵した一瞬だ。これからの日本、案外捨てたものではないのだろうか?
《自民党保守層からも「結婚制度にかかわる」「不倫を助長する」などを理由に上げて、慎重意見もでているようだが、保守だの革新だので考える問題ではないだろう。要は法律の根幹に係わる問題なのだ。幾度も書いてきたが、変えても良い法と、変えてはならない法がある。300日問題、不貞のやからの言い分が通るのだろうか。
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コメント
民法772条を始め、親子や夫婦に関わる法律は一筋縄ではいかないし、一概に「AだからBだ」とも言えない点もありますが、不貞の輩が高笑いするような法律は適切ではないですね
ご参考までに
http://stoyachi.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_c132.html
投稿: | 2007年5月10日 (木) 23時33分
民法772条を始め、親子や夫婦に関わる法律は一筋縄ではいかないし、一概に「AだからBだ」とも言えない点もありますが、不貞の輩が高笑いするような法律は適切ではないですね
ご参考までに
http://stoyachi.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_c132.html
投稿: スタヤーチ | 2007年5月10日 (木) 23時34分