話題 二題
熊本市の慈恵病院(蓮田太二理事長)で5月1日に完成、保健所の検査を通過して開始が注目されていた赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」が、今日5月10日正午から受付を開始することで、朝から各テレビ局が取り扱っている。真昼から持ち込む母親はいないだろうから、夜間を狙っておそらく隠しカメラを準備して張り込みをやるだろう。放送局によっては時に過激な発言をするコメンテーターが、「子捨て箱」と命名するべきだ!と手元のボードに書いたが、見過ごしてはならない意見だと思う。最近は、離婚後300日問題でも分かるように、子どもを引き合いに出すことで、殆どの無理は一歩下がって妥協する風潮がが生まれている。この「こうのとり・・・」も同じだ、“子どもの命を先ず優先”で、ほかは目を瞑ることになる。コメンテーターが多くを語る時間は与えられなかったが、最後の選択として子どもを手放すことになった母親の身になって考えてみれば、同情するべき点もあろうが、生んでは捨て、殺す母親も現実に存在するのだ。このような女性がいる限り、「こうのとり・・」が無差別に匿名の女性を救済することになるかどうかはわからない。心配は、捨てる方の母親を助長させることになるのではないか、ということにある。
早くから取り組んで来たドイツでも、昨年のブログでも記したように、未だに法的な位置づけが曖昧で、設置以後の捨て子や保護者による乳幼児殺害が減ったというデータもないのが実態のようだ。いずれにしても、しばらくの間はマスコミの興味の対象になるだろう。
もう1つテレビからの話題を。
つい昨日まで34億円と報じていた全国の保育料未払い金の総額が、な、何と65億円と報じる番組みを見た(私はテレビのチャンネルに疎く、番組名も担当のアナウンサーやコメンテーターも固有名には殆ど興味がない。気になったものを後から調べてみるのだが、今朝のこの話題を報じた局も番組も突き止められなかった)。
34億円は昨年度の全国での未払い総額だが、今朝の数字は過去5年間の集計になるものだ。局の違いを強調するための差別化を狙ったものかどうかは分からないが、34億円を超えて印象は強烈だ。給食費の滞納22億円の時も驚いたが、その給食費の優に3倍に上る。ただし時効を勘案した数字だとすると、給食費の方は時効2年、一方保育料は5年が時効となっているから、総額はその違いもあるかも知れない。
どっちにしても驚く保護者のモラル低下の現実を見せつけられた数字だ。給食費では33%の家庭が経済的な理由で支払いのできない理由となっていたが、保育料に関しても、払えるのに払わない保護者が問題となっているようだ。子どもを保育園に押し付け、面倒を見させておきながら、身勝手な滞納を続けておれば率園でき、5年過ぎれば払わないで済む。我侭な鉄面皮の親が得をすることになる。その一方で預けたくても入れない子が2万人も待機している。だからといって無碍に未払いの家庭の幼児を退園や通園拒否をすることは児童福祉法が足枷となってができない。そのため未納額は今後とも増加することが懸念されている。各自治体の未納者リストを見て気がつくのは、当該自治体職員が未納者リストに名を列ねており、その額も膨大な金額になっている。当然保育園の運営は地方自治体の税金で賄われていることを熟知している人間たちだ。一般市民の上を行く悪質な親たちだ。各自治体が保護者に納入を促すためにはまず足元から姿勢を正さなければ市民の協力は得られないだろう。
悪質な保護者の中には車の支払いや住宅ローンを優先させて、保育料を納めると生活が苦しくなるから支払わない、という言い訳が相変わらず目立つ。子どもの保育費が支払えないのなら、園から引き取って待機組の子に回すことを考えればいい。子どもは必ずしも保育園に入れる必要はない筈だ。保育料が支払えないのなら子どもは最初から保育園や幼稚園には入れなくて良い。きちんと支払うことがで約束できる保護者の子を受け入れる仕組みを作ればいい。入園を許可する際に、滞納の違約が発生した時には退園を求められた時には応じることを。保育費の支払いが苦しい保護者には個別の対応を考えれば良い。
保育料は児童福祉法を根拠とする負担金であると解釈されており、滞納の場合は同法の規定により、地方税の滞納処分の例にならった処分をすることが可能だ。自治体によっては長期の悪質滞納者には督促状を送付したり、3カ月、或いは4カ月と滞納が続く場合、電話や勤め先、自宅訪問などによる納付の呼び掛けや、自治体によっては給料の差し押え、財産の差し押えなどの強硬措置に踏み切らざるを得ない実態が起っている。
自宅訪問では子どもに対応させ、保護者がカーテンに隠れて様子を窺うようなことさえ発生した例も報告されている。滞納、未納の親たちは、地域住民の税金を泥棒しているようなもの、食堂に入って無銭飲食で食い逃げするようなものだ。払えるのに払わない親たち、言い訳や逃げ隠れする親たち、あなたたちを親として成長した子どもたちが将来の日本を作って行くことになるのだ。子どもの手本となれるよう、行いを正して欲しいものだ。
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