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2007年5月12日 (土)

クラスター爆弾禁止リマ会議

毎日新聞(5/12)から
不良品の確率が高い不発弾による深刻な人道被害が問題となっているクラスター爆弾の禁止を目指し、23日からリマで開かれる国際会議「クラスター爆弾禁止リマ会議」を前に、議長国のペルー政府が事実上の「即時全面禁止」を柱とする禁止条約案を作成したことが分かった。

今年2月、「オスロ宣言*」が出された後3月20日、英国が主要国としては初めてクラスター爆弾の一部(特に不発率の高い二種)の使用禁止を正式に発表した。2月のオスロ国際会議で08年までのクラスター爆弾の使用、生産禁止条約づくりを目指す宣言が採択されたことから、国際的な世論を勘案してのクラスター爆弾規制論議で主導権を狙う巧妙な英国の外交戦略と見てよい。

*オスロ宣言については次を参照『続・クラスター爆弾と「オスロ宣言」』07/05/01

禁止対象となるのは英軍がイラクやコソボ空爆で使った空中投下のRBL755型と、M26ロケット砲弾の二種類とされている。廃棄される子爆弾は2800万発以上になる。不発の場合に自爆装置のついたイスラエル製のM85型クラスター爆弾は今後も使用する考えで、今回の決定は不発率の高い二種類に絞った「部分禁止」に過ぎない。

ロケット弾M26は米ロッキードマーチン社が製造する「多連装ロケット発射システム(MLRS)用に作られ、03年以降のイラク戦争で米英軍が大量に使用したことが知られている。一発当たり644個の小爆弾を持つM26を12発連射し、効果的な殺傷力を備えており、同システムは、日本、ドイツなど多くの米同盟国が採用している。英国の即時使用禁止は、これらの国々にクラスター爆弾利用の再考を迫るものになりそうだ。

MLRSを導入しているのは、独、仏、伊など欧州諸国に加え、イスラエル、韓国などがある。日本も陸上自衛隊が国産の同型システムを保有している。日本はこのシステム用のクラスター爆弾を92〜04年にかけて米国から購入している。爆弾を保有する理由を日本の防衛省は、本土侵攻があった場合の防衛に必要だと主張している。

《このように現実味のない仮想敵を作っておくことで、日本の為政者たちは国民の目を北朝鮮に向けさせ、どんどん国防費を巨大化し、日本列島に軍事基地を敷き詰め、その重みで最終的には日本を海中に沈めさせるまで止みそうにない。》

一方、英軍は今回、空軍保有のクラスター爆弾RBL755型も即時使用禁止とした。原形であるBL755型は1960年代に開発された旧世代の爆弾で、即時使用禁止には、前倒しで新兵器に差し替える狙いもあることが推定される。

4月には昨年夏の第二次レバノン戦争後、中国製のクラスター型ロケット弾の子爆弾がレバノン南部で発見されていたことが分かった。このロケット弾の実戦使用が確認されたのは初めてだ。中国製子爆弾は「MZD-2」と呼ばれる型で、122ミリロケット弾の中に約40発が装填されているもの。レバノン南部での不発弾除去・処理作業で見つかった。これまでに南部地域で処理した子爆弾約11万発のうち、中国製の割合は1%以下だったという。

《一割とはいえ、偽物づくりで世界中を席巻している国だ。輸出が増え、不良品が出回れば、被害はどこまで広がるか想像するだけで恐ろしい。》

主なクラスター爆弾の製造国と輸入国
(投下型爆弾) 製造国     輸入国
BL755型爆弾  英国   イラン、イタリア、ナイジェリアなど
CBU87CEM  米国   エジプト、ギリシャ、トルコ、日本など
CB470爆弾   南ア   イラク、ジンバブエ
CB500爆弾   チリ   エチオピア、エリトリア、イラク、スーダンなど
RBK爆弾  ロシア(ソ)  シリア、キューバ、北朝鮮など
(地上発射型)
ロケット弾M26MLRS 米  英国、イスラエル、韓国、日本など
ロケット弾DPICM イスラエル/ アルゼンチン、スイス、英国、米国など
(国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」資料などから)

その後4月に入ってドイツ政府が将来的な全面禁止を謳った条約案を各国に提示しているが、ペルー案はそのドイツ案よりも厳しい内容になっている。全面禁止に積極的な有志国や非政府組織(NGO)は今後、ペルー案を軸に交渉を加速させることを狙っている。
《クラスター爆弾禁止・規制の関する各国の立場》
 積極派  ノルウェー、ペルー、ベルギー、アイルランド
      オーストリア、ニュージーランドなど
 慎重派  日本、ドイツ、フランス、英国など
 反対姿勢 米国、中国、ロシア、イスラエルなど

ペルーはノルウェーなどと並び、2月23日に採択された「オスロ宣言」に基づき来年中の禁止条約作りを目指す「オスロ・プロセス」の中核国だ。ペルー案は全22条からなり、リマ会議で議論の叩き台となる。

《当然日本も出席するが、オスロ会議の時と同じように、安倍流に言えば、「禁止するか、しないかは言えない」と煮え切らない態度で終始するだけだろう。何せ軍事のことは特に、アメリカさまのお決めになることの後について従う以外は独自には何事も決められないのだから。それは文字通り、独立国とは名ばかりの、アメリカの飼い犬であることから逃れられない日本国の姿なのだ。》

5月28日【追記】
この後開催したリマ会議の事、日本のクラスター爆弾に対する考え方など書いた(5/25)。参照して頂ければ有り難い。
      


 

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