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2007年5月 6日 (日)

大学生はバカになった?なっていない?

石田衣良の「白黒つけます」から
《設問を決めた本人が一番戸惑った様子が手に取るように分かる。普通に世間で良く口にする‘バカ’に‘阿呆’。このなかなか簡単には答えの見つけられない二つの言葉、何がバカかという根源的な質問であることに後から気がついたようだ。こたえは勿論学力や知識だけではない。集計に当ってそのあたりは「自分でちゃんと考えて下さいね」と投げ出したようだ。だって「ぼくにも、どういう大学生がバカかなんて、難しい質問には答えられませんから。ひょっとして、バカなのかしらん」としている。

学力や知識だけで判断するものなら、エリートの中のエリートだけしか入れなかった帝国大学と比べると、裾野を広げ、無用なほど増え、偏差値と学業成績だけが優れていれば誰でも入ることのできるようになった敗戦後の大学は、一層その垣根は低くなり、少子化の恩恵も手伝って、望んで金さえ続けば誰でも一応卒業できる場所にまでに落ちた。

話は一転するが、私は現役時代、足がかり程度の役職を与えられたころ“お前は バカになれないからな”とはよく上の者から言われた言葉だった。偏屈で、長いものには決して捲かれない、権威を振り回すものには絶対に屈しない、何事も納得が行くまで説明をもとめるような会社人だった。サラリーマンとして、組織の中を要領よく泳ぐことのできない人間だった。そのため、出世の道は最初から自分で選ぶ気はなかった。反面部下からの信頼はある程度は寄せられていたと思う。この場合の私への上司の台詞の“バカになれないからな”は石田のいう、学力や知識ではない、知恵と言ってもいいものかも知れない。しかし、これこそが私の人格そのものだし、今でも変らない私の生き方になっている。》

さて、アンケートに戻ろう。
回答は、圧倒的少数になってしまった「大学生はバカになっていない」派から。
「昔の方がよかったというのは、永遠に変らないくり言です。いまや情報量は飛躍的に増大していて、それを受け入れている現在の大学生が、昔にくらべてバカということはありえない」(埼玉県所沢市・ドン・キホーテ)。「計算力とか知識量という意味では確実に落ちています。しかし、これはサッカーでいえばリフティングみたいなもの。一方で戦術眼とか視野の広さとか、そう言う意味での学力は落ちているように感じません。ネットやマスコミの資料を集め、まとめる能力は昔よりもうえです」(東京都世田谷区・隆)。

《情報量を多く受け入れることや、それらの資料を集めたり纏めることがバカでない証拠にはならない。それらの氾濫する情報をどう取捨選択し、どう整理し、どう活用するのかが問題だ。資料などパソコンに向かえば何の苦労もなく即座に集まる。纏めることは彼らの力じゃない、機械がやってくれることだ。》

もう一つ。「就職に有利な資格のためなら、つらくても多くの学生ががんばっている。だが、大学の授業や自分で見つけた課題に真摯に臨む学生は少ない。能力はあるのに、懸命に学んで批判的な目を養っても、社会では報われないことを知っているのではないだろうか」(札幌市・匿名)これに対する石田のコメントは、「そうなんだよ、お得なことしかやらないんだよ。でも、勉強って無駄なところが面白いはずなんだけど」とある。

《石田も言う通り、無気力そのものだ。まさにフリーターにニート予備軍だ。これでバカになっていないとは。》

<有効投票数>2867(男1402、女1405)
          バカになった なっていない
   全体       72・9%   27・1%
        男   71・0%   29・0%
        女   74・7%   25・3%
  10代以下 男   71・1%   28・9%
        女   76・0%   24・0%
  20代   男   68・1%   31・9%
        女   71・5%   28・5%
  30代   男   68・8%   31・2%
        女   75・6%   24・4%
  40代   男   72・0%   28・0%
        女   75・6%   24・4%
  50代   男   80・1%   19・9%
        女   79・8%   20・2%
  60代   男   72・5%   27・5%
        女   72・2%   27・8%
  70代以上 男   82・4%   17・6%
        女   57・1%   42・9%

《いつも思うことだが、時代を比較する時、昔をどう捕らえるのか、が問題となる。今回は特に昔の大学生を知って現在の大学生との価値観を比較するとなると、昔を10年一昔とすると最低でも年齢は30歳から上の意見がポイントになるのだろう。まして10代以下に大学生が云々できるとは考えられない。誰かからの聞きかじりや、知識として知っている昔の大学生との比較など参考にはならない。20代でもほぼ同じことが言える。10年昔の大学生を批判できるはずがない。》

それではバカになった派の意見を聞いてみよう。
「学生に接する機会が多いのですが、知識不足というより、考えることをしない者が多い。学力低下より、考える力をどう育てるかを問題にしてほしい」(岡山県・かめ)。「進学率が1割だった親の世代より、3割のわたしたちのほうがバカだし、5割の今の学生はもっとバカ。明治時代のほんのひとにぎりの大学生は、それはそれはエリートでした。高度な学問が理解できるヒトは、いつの時代もすこしです」(東京都・一応大卒)。「この春から大学生ですが、正直同じ学科のメンバーにがっかり。ごく少数の個性的な友人以外、幼いというか、人間的に付合いたいという魅力を見出せません。学力おいても、もの足りない気がします」(横浜市・わた)。

《人はそれぞれです、人間的とは何か、人間だから人を殺す、騙す、裏切る。それらを知ることが、学問や知識だけじゃないこれから先の人生で、それはもっと大事な勉強になるんだよ。一枚の薄い紙にも表と裏がある。ものは一面から見ただけでは本質は掴めませんよ。人をそのように見ることは鏡に映った己を見ていることでもあるのです。》

続いて、「大学の男子寮の管理人として3年。学年が若くなるほど、幼稚化していくようです。今の1年生はトイレは汚しっぱなし、水は流しっぱなし、平気でたべものを捨て、食事のしかたもなっていません」(東京都文京区・一彦)。

《これは者申す相手を間違っています。この若者を作ったのは、ここまでの長い間、家庭教育をして来なかった親の責任です。社会人として最低の躾すら施していない子を、世の中に送り出しているのが現在の親たちです。20年近くの間放って置かれた子どもたちが、大学生活の短い期間で修正できるものではない。男だけに限らない、女性のだらしなさも同じだ。》

石田のまとめは次のようになる。
回答からは、今の大学生はバカになってしまった! 学生諸君、くやしかったら、バカにされないようにがんばってください。まだまだ先は長いのです。人生は笑っちゃうほど一生勉強なのだ、と。ここで最後のメールを紹介する。
「確かに入学したら、自分の望む勉強ができないとあきらめてしまったり、なんとなく大学にはいったという人もいました。でも、その人たちはバカなのではなく、ただ夢中になれるものが見つからなかっただけなのです。情報が溢れる現代社会で夢をもつのは容易ではなく、人々の考えは現実主義に偏っています。そんななか無気力にすごしている大学生が単純にバカあつかいされてしまうのは心外です」(横浜市・梅紫)。そして石田の結びはこうだ。その現実を自分の頭でつくり変える、それがほんとうの知性です。みんなでいっしょにがんばろう。バカは脱出できるのだ!と。

《現代の若者の代表的な意見だろうか。己の進む道や目標が持てないのは、世の中の仕組みが悪いからとして、その先がない。溢れる情報の整理の仕方も分からない。無気力を社会のせいにしてそこでとどまる。何のために大学まで入ったのか、学力や知識だけではない。日本の最高学府といわれる大学を出ても、バカをしているバカな官僚は掃いて捨てるほどいる。現在の大学生がバカだというのは、昔の大学生がみなバカでなかったことを意味するものではない。》


              

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