政治とカネ
23日、たまたまのことだが、滅多に見ることのない衆議院予算委員会の中継を途中しばらく見た。稀にしか見ないのは、追求の甘さと人を食ったような答弁を聞いていると俗に言う“胸くそ”が悪くなるからだ。多くの会議では質問事項は前もって答弁する側に知らされ、それに基づいての質議になるのだが、答弁する側に一向に真剣さが感じられない。回答が苦しくても辛くても、言い逃れでも何でも良い、時間にさえ耐えられればいずれ烏合の衆の多数決で賛成でも拒否でも、好きなようになることが分かっているからだ。民主主義とはいうものの、やっていることはいうならば衆愚政治そのものだ。
格好の見本が昨日の松岡利勝農相の答弁であり、虚ろな表情で、しどろもどろで庇う安倍の発言だ。松岡は自身の巨額の光熱水費について「法律に基づき適切に処理している」との答弁をバカの一つ覚えのようにただ繰り返すだけだ。任命責任を問われることになる安倍が、庇わざるを得ないことを承知しているからだ。案の定民主党の追求に対し安倍は「法律に求められている中で説明を果たされた」と繰り返すことしかできなかった。
この問題は、光熱費や水道代がかからない議員会館にしか松岡の事務所がないのに、01〜05年の5年間で計約2880万円の光熱水費がかかったと政治資金収支報告書に記載していたというものだ。「何とか還元水」発言からすでに2カ月が経過、あの間抜け大臣が居坐れるのは何故だろう。
一方の民主党にしても、小沢代表の資金管理団体が約10億円の不動産を所有していることを突かれると、松岡への追求は尻切れとんぼに終わり、期待に外れない“胸くそ”の悪い芝居を見た後のような、消化不良の思いをするだけだった。
お前がやるなら俺もやる、と自民党は若手議員(松浪健太)を小沢の10億円の不動産攻撃に立たせた。この男、質議の間中、あらぬ方を見てしゃべり通した。正面を向くことは殆どなく、大きく首を右後方に捻り、何を、誰を見てのことか、そっぽを向いた姿勢の質議だった。両成敗を狙ったようなまるで幼稚な子どもの喧嘩並みのレベルだ。そうは言うけれど、お前のところだってどうなんだ?と。小沢が公表した不動産の関連書類を「偽物の可能性が高い」と指摘した。些か勇み足の言だ。この若造の言い分に民主党が怒った。「根拠のない誹謗中傷だ」と松浪の懲罰動議を衆議院に提出した。
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