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2007年4月17日 (火)

グローバル・メディア・スタディーズ学部

毎日新聞(4/16)から
グローバル・メディア・スタディーズ、続いて、ホスピタリティ・ツーリズム、そしてまた、シティライフ。よくもまたこんなばかげた名前を作りあげたものだ。これ等はみな、れっきとした日本の大学に増設された学部の名前だ。名前を聞いただけでは一体何を教える学部なのか全く理解できない。これでも大学内部では検討を重ねた結果まとまったものだという。何でも学問の範囲が広がって日本語では表現しにくくなっていることや、少子化を背景に「他大学と差別化を図りたい」との狙いがあるのだそうな。誰でも大学に入れる時代になって、カタカナ学部・学科はまだまだ増える予想がたてられている。

《少子化がなぜカタカナに結びつくのか推定することは難しいし、差別化が何故カタカナになるのかも解らない。それに友人同士の会話の中で「やあ、お前何学部?」「おれ、グローバル・メディア・スタディーズがくぶだよ」これじゃあ、落語のジュゲムの世界だ。多分、何でもかんでも短縮することの好きな人種だ、「G・M・S、ジー・エム・エス」とか「グロメス、グメスタ」にでもなるだろうけれど。碌に考えもせず安易に作った学部の名前。上っ面をあれこれ飾ってみても、問題は中身にあると思うのだが名付け親に話を聞いてみよう。》

グローバル・メディア・スタディーズ学部を考えたのは、東京都・世田谷区にある駒沢大学が、06年度に新設したものだ。お終いの「スタディーズ(研究)」については「学部を重ねるようなもの」との議論もあったというが、新学部設置準備室長だった各務(かがみ)洋子助(准)教授は「『新たな学問分野を作っていくための研究途上』という意味を込め、あえてつけた」と解説している。女性の言い分の通る世の中だが、中身のない得体の知れない容れ物だけを作って、寄ってくる獲物を掻き集める。

《兎にも角にも授業料を振込んでくれる数の確保だけはせねば大学が維持できない。何でもいい、外聞など構っていられない、何か変ったことをやればいいのだろう。》

カタカナ好きを逃したくない大学は駒沢大だけではない。東京都・豊島区の立教大は先月、異文化コミュニケーション学部を08年度に新設すると発表した。大橋英五総長は「ちょっと長いし、どこかで聞いたことがあるかもしれないが、立教が展開する異文化コミュニケーションの中身を教育と研究の実戦で示していく」と説明した。

《コミュニケーションが伝達(知覚・感情・思考などの)であることは広い年齢層にも理解されている。これなどは日本の大学が学部の名前に冠しても不似合いだが許されても良い範囲だろう。》

05年4月には千葉県浦安市の明海大にホスピタリティ・ツーリズム学部が開設されている。単に「観光学部」としなかったのは「旅行業界を主要なフィールドとして『ホスピタリティ』(もてなしの心)を学ぶ学部であって、表現する適切な日本語がなかった」(企画広報室)と説明した。カタカナ語にする必要はないだろう「観光接待学部」でよいが、これでは政治家からお呼びが掛かるお座敷接待のイメージが強いのだろうか。

この他にも栃木県の宇都宮共和大のシティライフ学部、東京都・法政大のキャリアデザイン学部、東洋大の埼玉県・朝霞キャンパスのライフデザイン学部などがあるが、シティライフは「市民生活学部」のままでも不都合は無いはずだが、キャリアデザイン、ライフデザインはいずれも「就職支援」(キャリア支援と呼んでいるようだが)のための学部に過ぎない。カタカナにつられて集まる稚魚が釣れるのを待つ体制のようだ。

なぜ、このようにカタカナ語を使った学部が増えることになったのかは、91年に文部科学省の大学設置基準の緩和があってからだ。大手予備校・河合塾によると、
学部名の種類は、91年度の1307に対して
        06年度は1915 と
       15年間で約600増えている。

神戸悟教育研究部チーフは「学部・学科の名称は学生募集への影響が大きく、他大学との差別化を図るという狙いがある。だが、インパクトが大きければいいというわけでもなく、名が体を表わさないと逆効果」と話している。
 
《漢字が理解できない大学生にはますます字面だけのカタカナ学部がもてはやされることだろう。しかし、キャリアデザイン学部にしろ、ライフデザイン学部にしろ、大学は、せめて小中学校卒業程度の漢字ぐらいは読み書き可能なレベルに再教育しておくことだ。先ずは大卒で入社して即座に困るのは、小中学生レベルの漢字すら読み書きできない人間の多さだろう。カタカナ、横文字だけでは仕事にならない。国語の未熟さは特に目に余る惨状のようだ。設問の意味が理解できなければ数学も解けない。会話も成り立たない。「1に国語、2に国語、3、4がなくて5に算数、パソコンや英語など100番以下だ」は数学者、藤原正彦氏の言葉だ。尤もなことだと思う。あらゆる分野で国語力・読解力がなければ(聞く耳持たない輩は別として)物事の解決はない。》

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                  http://www.youtube.com/watch?v=1SQyEElkr2A

投稿: | 2009年12月25日 (金) 13時01分

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受信: 2007年4月17日 (火) 20時11分

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