振り上げた拳、さてどうする
ゴネにゴネてきた北朝鮮、とうとう核の放棄をせざるを得ない状況になった。日本にとっては大変なことになったぞ。「仮想敵北朝鮮」を声を大きくして唱え、国民を怯えさせ、恐いぞ恐いぞと煽り立て、今や日本中に迎撃ミサイルの放列を布こうと配備を始めた矢先だ。巨額の予算を分捕り、これから何年もかけて日本中をミサイル基地で埋め尽くそうと企んだ政府、防衛省、振り上げた拳の下ろしようがなくなったぞ。基地に金をかける大義名分がなくなったんだ。狙って来る敵もなくなり、狙うテポドンも飛んで来ない。それでも尚、仮想敵として今度は日本が海上から、陸から狙い続けるつもりか。将に安倍は憲法の改正を目指し『低い低いハードルの過半数』(投票率、有効絶対数などの枠決めもしないまま)を設定して、政府を私物化(私の政府)した上で、戦犯祖父総理の思いを達しようと目論んでいるさ中だ。
アメリカが譲歩に譲歩を重ね、最終的には不法資金と看做される分も含めた全額返還、となった。北朝鮮に核を放棄させる約束を実行(するか、しないかは北朝鮮任せ)するように追い詰めた。世界の金持ちにははした金の、たった30億円だが、北朝鮮の金さんには何が何でも欲しがった金だ。さて、次の手をどう打ってくるか。素直に核の放棄に繋がるのだろうか。それとも逆にナショナリスト安倍に力を貸すことになる、次のゴネる種をぶつけて来るか。
今朝(4/12)の毎日新聞社説は、米国務省とマカオ当局は10日、バンコ・デルタ・アジア(BDA)銀行の北朝鮮関連資金約2500万ドルについて全額凍結を解除すると発表した、と書いた。今後の焦点は、6カ国協議で合意された初期段階措置を北朝鮮が完全履行するかどうかに移った。
米NBCテレビは10日、北朝鮮の金佳冠(キムゲグヮン)外務次官がリチャードソン・ニューメキシコ州知事との会談で、マカオのBDAの北朝鮮関連口座凍結解除を受け、30日以内の核施設の停止と国際原子力機関(IAEA)の査察官受け入れを約束したと伝えた。
また、同知事は11日、南北軍事境界線上の板門店を越えてソウルに入り、記者会見の席で「北朝鮮は(6カ国会議で合意した核施設閉鎖など初期段階措置の実施期限である今月)14日までに国際原子力機関を呼び、寧辺の原子炉閉鎖に関する文献作成手続きに入るよう期待する」と述べ、北朝鮮に期限内に核施設閉鎖の作業に着手するよう促した。
次いで知事は、金佳冠北朝鮮外務次官が9日の会談で、核施設閉鎖時期を「今後30日以内」と発言したことに関し、「BDA問題の解決の遅れから出た発言で、その問題はすでに解決したのでもっと早期に可能になる」と説明した。作業着手から数日程度で閉鎖できるとの認識を示した。
社説に戻って、今回、米国が強いられて妥協したことが少なからぬ問題を残した、と指摘する。
1つは、米国の譲歩は自ら掲げた国際金融ルールに矛盾する内容をはらんでいる。それだけに、北朝鮮が今後、他の金融機関で非合法資金を操る前例として悪用しない保証はどこにもない。
2つには、米国の金融制裁は北朝鮮に核問題の譲歩を促す効果的なカードであったことは疑う余地がない。制裁解除にあたっては慎重な対応が必要であったが、解除までのヒル米代表らの詰めの甘さがあった。
口座・資金問題が解決をみた以上、北朝鮮には速やかに初期段階措置を履行することが求められている。だが、直前になって新たな難題を持ち出してくるのが北朝鮮のやり方だった。今後も、テロ支援国指定解除問や軽水炉供与などを持ち出す恐れがなくはない。
日本政府は、北朝鮮に対する輸入禁止と船舶入港禁止などの独自制裁措置について半年間延長を決めた。6カ国協議では日朝作業部会も設置されたが、日本側の拉致問題には一切耳を貸さず、北朝鮮は誠意ある対応を示さなかった以上、制裁を解除する理由はない。
米政府内には「2500万ドルで寧辺の核施設を封印できれば高い買い物ではない」との政治判断があったと言われる。その判断が正しかったかどうかは今後の北朝鮮の対応を確認するまでわからない。
《社説は問題点を北朝鮮に向けたものだが、私見のように着々とミサイル防衛を整備しようとしている日本の国内政治のことには一切触れていない。北朝鮮はすんなりと核廃棄には動くまい、と仮設を立ててご丁寧にアメリカにさえこれからも注意を怠るな、と警告を発しているのだ。それ以上に私は、盲蛇に怖じず、盲滅法、猪突猛進、独断専行して何が何でも憲法を改正しようとするナショナリスト安倍にこそ恐怖を感じている。北朝鮮に向かって日本が振り上げた拳、一体どうするつもりだ。拳にはしっかりと、自国民の頭上に落ちるかも知れないミサイルが握られているのだが。》
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