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2007年4月 9日 (月)

迎撃ミサイル配備

3月30日の毎日新聞一面に、恐ろしい記事が掲載された。
着々と仮想敵に対する軍備が進められている。本当に何処かの国(政府の頭の中にあるのは言わずもがなの北朝鮮だが)が攻撃を仕掛けて来るとでも思っているのだろうか。「備えあれば憂いなし」は、そこら日常の泥棒か地震、火事に対することだろう。何兆円もの税金を使ってミサイルを備え付けることじゃない。まるで挑発行為をしてでもいるかのように見える。

地上配備型迎撃ミサイル「PAC3*」のレーダー装置など装備一式が30日早朝、航空自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)に到着し、自衛隊に初めて配備された。昨年7月の北朝鮮の線香花火のようなミサイル発射を受けて、07年度中に予定していた配備が前倒しされたもので、北朝鮮から飛来した弾道ミサイルを撃ち落とすミサイル防衛(MD)システム**の事実上のスタートとなった。入間基地の他には東京都の中心の皇居前広場や日比谷公園などの国有地や都の所有地の使用が検討されている。民有地や私有地の場合、地権者や自衛隊の出動に批判的な責任者の理解を得るのが困難である、と判断してのことだ。

 *パトリオットミサイルPAC-3 - パトリオット(Phased-Array TRacking Intercept Of Targetの略で『愛国者』の意味)。ナイキミサイルの後継としてアメリカ軍向けに開発したもので、広域防空用地対空ミサイルである。PAC(Patriot Advanced Capabilityの略)-3の型式は能力発展型第3段階ほどの意味。
 **MDシステム - (Missile Defenseの略)ミサイル防衛システムのこと。相手国から発射された弾道ミサイルを、着弾前に2段階(最終段階)で撃ち落とすシステム。第1段階は、海上からイージス艦による海上配備型迎撃ミサイルSM3***で大気圏外で迎撃。第2段階は、地上配備型のPAC-3で落下前に撃ち落とす構想。
 ***SM3 - (Standard Missileの略)アメリカ海軍が開発。

SM3は今年12月、イージス艦「こんごう」に初めて搭載される。その後4隻に10年度中に積み込まれ、海上配備が整うことになる。
 海上、地上の配備とともに、弾道ミサイルを捕らえる新型レーダーなど計6基も下甑島(鹿児島県)、佐渡(新潟県)などに整備される。これらシステムの総経費は8000億から1兆円に上るとされ、整備完了は12年度の予定となっている。

ただ、PAC-3の守備範囲は15〜20キロと狭く、事前に飛来する地域に移動しなければ役に立たない点や、命中精度に疑問の声もある。周辺国(北朝鮮を指すが)からミサイルが発射された場合、10分以内に迎撃する必要があり、即応体制も未知数のままだ。どこへ飛ぶか不安なミサイルは、自国民の頭の上に落下することもあるし、15〜20キロという極地範囲では、日本中隈なく配備して置かなければ日本は守れない、ということになる。北朝鮮がミサイルを日本に向けて発射する、という架空の話で国民の恐怖を煽りに煽る。

防衛省は、10年3月までに浜松(静岡県)、岐阜、春日(福岡県)の空自高射群にPAC-3を配備する予定で、それぞれ関東、近畿、北部九州の防禦を行う。その他の地域については、土地の借上げ手続きや土地使用料を必要としない市ヶ谷駐屯地(新宿区)や練摩駐屯地(練馬区)の土地を最優先で使用することを予定。既成事実を積み上げるやりかたは、自衛隊が膨らんできた道筋と同じで政府の常套手段だ。次の段階に移る時は既に国民は抵抗することが不可能な状況になっている。

現在、仮想敵北朝鮮は、核放棄に向かって動かざるを得なくなっている中、平和憲法を蔑ろに大国でもない日本は力の軍拡を進め、大国米・ソの冷戦時代の轍を踏む。それが如何に空しいものであったかを嘘のように忘れてしまって。

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