卵子の値段 約40万円
毎日新聞(4/19)から
不妊の女性が他の女性から卵子の提供を受けて妊娠・出産を目指す治療について、厚生労働省の研究班(主任研究者=吉村泰典・慶応大教授)が実施した国内初の意識調査の結果がまとまり、発表された。
調査は昨年12月、全国から選んだ20〜34歳の一般女性3744人にインターネットで調査票を送り、517人から回答を得た。国内での卵子提供による不妊治療の実施については52・6%が肯定的な答えになった。
制度について、卵子提供に肯定的だったのは25・8%
提供したくないなど否定的は42・9%
理由(肯定) 不妊夫婦の役に立ちたい
(否定) 自分の遺伝子を引き継ぐ子への抵抗感
生まれた子と自分の家族との関係が複雑になる
報酬 どんな報酬があっても提供しない、34・6%
金銭報酬があるなら提供しても、 24・6%
税控除等優遇措置があるなら、 21・9%
実費以外は無償で提供する 15・1%
「自分の卵子を提供してもよい」「どちらかといえば提供してもい」と答えた女性が4分の1を超えた。
卵子提供にあたり金銭など何らかの報酬を求めた女性は全体の46・5%。具体的な希望報酬額で最も多かったのは10万円、極端に高額な希望額を除いた平均は約40万円であった。
《ボランティア精神での提供は15・1%、金になるなら提供するとの答えが圧倒的だ。毎月トイレに流して排泄するだけの卵子、金になるならそんな旨い話はないだろう。しかし、ちょっと待てよ、卵子の提供は街なかに停めて呼び掛ける献血車とはちょっと違うんだよ。ドナーとして登録されることになるまでには少なくとも3カ月程度の精密な検査を通らなければならないことを知ってか知らずにか。その検査たるや微に入り細に亙ってのものなのだ。体が幾ら丈夫でもお脳の軽い女性では先ずだめ、アメリカの不妊治療センター(例:ネバダ州)では500項目に上る筆記テストと体の検査がある。日本人ドナーには耐えることの難しい内容を知ってもう一度回答させれば、殆どの女性は辞退するだろう。
例えば、触診がある、視診、聴診に始まり、胸部、腹部、肛門、膣、子宮頚部、子宮、子宮付属器、心臓、肺、甲状腺、超音波による卵巣、子宮、子宮内膜検査もある。当然、性病も心配だ。クラミジアに梅毒検査、子宮頚部細胞異常検査。血液の方でもエイズ、肝炎(ABC)、梅毒に血液型と盛り沢山だが、金儲けを考えていた女性たち、それでも提供するかね。
日本女性には耐えられないような内容だが、海外へ出向いて卵子提供を受ける人たち、その国の女性たちはそのような経過を経た上で提供してくれていることを感謝するべきだ。》
卵子提供で生まれた子との関係については、「生まれた子は事実を知らされない方がよい」が45・1%に達したものの、匿名や実名での子どもとの接触を容認する人が1〜2割いた。
《流行りの‘子どもの人格’を口にするわりには、子どもの側にたった親を知る権利、に無関心とは驚きだ。‘卵が売れれば後は関係ない’ということのようだが、中には生まれた子が卵子提供者が誰かを知る可能性があると解った場合でも、「提供してもよい」という人が28・2%いたようだ。》
調査を実施した朝倉寛之・扇町レディースクリニック院長は「卵子提供では採卵時に副作用の可能性がある他、1カ月以上自由を制約されるため、提供者の確保には何らかの対価が必要と考えられる。提供に前向きな女性は提供後の夫婦や生まれた子との関係にも関心を示しており、心理面でのサポート体制が必要だ」と話した。
厚生労働省の生殖補助医療部会は03年、不妊治療としての卵子提供を容認する報告書をまとめたが、4年経過した現在も制度化は進んでいない。報告書は、卵子提供の際は提供者は匿名とするが、生まれた子が15歳になた段階で「出自を知る権利」を認めた。同省研究班の意識調査でも、提供相手の夫婦や生まれた子との関係で、何らかの情報開示や接触を容認するという人が多かった。卵子提供時点にとどまらない長期的な支援体制の整備が不可欠なことを明確に示している。
また、報告書は実費以外は無償の提供を条件とした。しかし、意識調査では、提供に前向きな女性に限ってみると、3分の2が何らかの報酬を求めた。研究班は「金儲けではなく、採卵に伴う拘束への対価と考えれば、もっともな要望といえる」と分析、再検討が必要になるかもしれない、という。
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