ひとりごと
《“あるある”に大騒ぎしてスーパーを走り回った納豆ファン、騙した方は悪いが騙された方はバカとしか言い様がない。食べてダイエットできたり痩せられる食物は、毒物でない限り、この世に初めから存在しない。このテレビ局、叩いて出てきた埃が他にもまだ3件あった由。食べ物に限らない、うまい話にはどこかにからくりが仕掛けられている。最近、特にインターネットを利用してする売買の不正が話題になる。私のような何事も疑うことで生きてきた人間には、自分の目、自分の手で、じかに感触まで確認できるものの他には、1銭(子どもの頃、口に頬ばれないほどの大きさの飴玉が2個買えた)たりとも支払う積もりはない。特に衣服をテレビ画面の透過光で見る商品の色彩は、反射光下では違って見えることが多い。返品することが可能でも、手数がかかるだけ。
《似たような話は幾つもあるが、公取委が乗り出した問題も話題になった。考えるだけでもばからしいが、まんまと引っ掛かる人間もいるものらしい。人間年齢を重ねると骨まで萎縮するが、逆にその足の骨を伸ばすことができるとチラシで矯正や整体を宣伝した「コジマ身長伸ばしセンター」(東京都中央区)が、公取委に提出した資料からは根拠は合理的ではない、として不当表示と看做され2月22日、表示を行わないよう排除命令を出された。何でも「『コジマ式ローリングハイトストレッチャー』で全身を回転させて成長ホルモンの分泌を高め、骨がのびる」というもの。同時に、年齢とともに大きくなる頭の骨と骨の隙間を整えることで自然な小顔になれる「小顔整形術」なるものを宣伝していたという。こんなもの本当に信じるものがいるのだろうか。
《サンデー毎日、3・11号の発売の目次が目についた。渡辺裕二の記事、いつまで同じ髪型なの?と、女優の仲間由紀恵のことが書いてあるらしい。渡辺はジャーナリストだそうだが、年齢も風貌も知らない。仲間由紀恵といえば、先のNHKの連続ドラマで山内一豊の妻を演じた女優。この女優さん、並みいるいまどきの女性(女優に限らないから)とは軌を一にしない自我を持っている女性と感じた。これまでにも女性の化粧に関して書いてきたが、特に現在、日本人女性に下がり眉がいなくなった中で、普通のカーブで書かれた眉を持つ希有の女優じゃないだろうか。オカメ面であろうと、長面であろうと、四角面であろうと、柳眉を逆立て、怒りで逆上したような眉が日本中を歩き回っている。女優、アナウンサー、モデルにおばあちゃんたちまでが。中には眉を剃り落とした跡のあお青とした男の髯づらを見るような女性も混じっている。仲間由紀恵の眉がごくごく自然に見えるのは、そのような印刷物さながらの眉でないからだ。深剃りをせず、太いままの眉は、見ているだけで美しい。渡辺が云う同じ髪型のどこがいけないのか理解に苦しむ。
《日頃女性の眉の不自然さが目について困る年寄りに、今日3月1日の毎日新聞の“女の気持ち”欄に横浜市金沢区にお住まいの71歳女性の「まゆそり」なる投書が目に入った。
「私の場合をちょっとご披露いたしますと、顔剃りというよりもまゆそりなのです。毎朝のまゆそりは、私に一日のメリハリをつけてくれる時間。まゆだけでも凛と描けば、顔の印象は全くといっていいほど違ってくるものなのです。(略)顔全体は時々ですが、まゆだけは毎日そります。化粧水とクリームをぬり、老眼鏡をかけ、左手指でシワを伸ばしながら、カミソリでまゆの上下を丁寧にそっています。その後、ベビーパウダーで肌を落ち着かせ、まゆ墨でまゆのしっぽを描きます。(略)たかがまゆそり、されどまゆそりです。当分はまゆのお絵描きを楽しむつもりです。今日は富士山を描くつもりで描いてみました。そして、鏡の中の顔に笑いかけます。
今日も一日よろしくね、と。
《読者モデル(58・男性)を「男性の装い」でもっとすてきに!と、おじさん変身させ隊!強力メンバー(オンワード樫山メンズ商品開発室長・黒部和夫、松屋専門課長・宮崎俊一、資生堂ビューティークリエーション研究室長・富川栄(女性)、同ビューティーアーティスト・向井志臣)ら4人が、寄ってたかって実験台にした。テーマは『老いを隠す正統派カジュアル」このために、まゆをキリリと目力を、と取り組んだのは、やはり女性富川。眉さえ上げれば人間が引き締まる、と勘違いしているのだ。そして、黒部は我々世代には聞いたこともない「ジップアップニットで首元カバー」だ。私は“自然”を最も尊ぶ。年輪は、或いは皺や白髪は経験を重ねてこそあらわれるもの、60歳は60歳、70歳は70歳のどこがいけないのか。
《入手可能な人は毎日新聞2月9日を開いて欲しい。変身前・後の写真(モノクロ)が載っている。後と先を差し違えて間違ったのではないか、とも思えるほど、変身後のスタイルは見すぼらしい。首元カバーとおっしゃるショートトレンチコート、襟から覗くだらしなく開いた立ち襟のカーディガンとシャツ、トレンチの幅広のバンドは見ているこちらが胸を締め付けられているようで苦しくなる、バンドはない方がすっきりとする。トレンチコートはショートやハーフよりは膝辺りまである方が年相応に気品が出る。変身前のセーターのすっきりしたスタイル、襟元が余ほど清清しい。それに、若づくりする必要はさらさらない。
《現在の日本のカリスマと呼ばれて有頂天のコーディネーターやスタイリストたち、美意識が根本的に狂っているのじゃなないか。ぼうぼうと伸びたハリネズミか山嵐のような髪、何カ月も洗髪もしていないように見えて、汚らしくてむさ苦しいだけだ。加えて女性以上に男の剃った眉は汚らしい。
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コメント
向井志臣の小中高の同級生です。酷い言われ様で笑ってしまいました。
確かに品がないかも!
投稿: | 2007年6月 9日 (土) 11時10分