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2007年3月13日 (火)

飛鳥美人を救え

本日の夕刊(毎日新聞)から
高松塚壁画の修理施設が完成して、文化庁が報道陣に公開(12日)した写真が載っている。同古墳の北西約750メートルの国営飛鳥歴史公園内に建てられた、鉄骨の約490平方メートルの平屋建て。総工費は約3億2600万円で、修理作業室のほか、修理機材や分析室、専用窓からは壁画を見学できる一般公開用の通路などがある。

安定した室内環境を維持するため一部を二重壁構造にし、各所に防犯カメラを設置。修理作業室には、揮発性の有機溶剤を無毒化して排出する管や、壁画が傷まないように紫外線を遮断する蛍光灯も取りつけられた。写真に写っているのはおよそ集まった10人ばかりの報道陣のちらほら。490平方というのは昔人間には約150坪、300畳と云った方が広さが掴める。その天井にぶら下がるのは部屋中をカバーできる回転可能の巨大な集塵用の鍔を持つ排気設備だ。石室解体後、運び出される極彩色壁画を約10年掛けて修理することになる。

《しかし、その通り行くのか不安だ。容れ物は出来上がったが、肝心の主の輿入れがない状態が続きそうだ。だらだらと調査ばかりで時間が経過する。文化庁は5日、石室天井石のすべてを検出、大きさや形状が判明したと発表した。むき出しにしたところで新たな亀裂がみつかったほか、想定していた大きさよりも小さい石があり、今後、石材の吊り上げに使う鉄製用具の改良や作り直しなど解体方法の再検討が必要な「深刻な状態」といい、4月上旬開始予定の解体日程にも影響を与えそうだ、という。

《また、ほかにも亀裂が発見されたり、石の欠損部を手当てした漆喰と石とに隙間が生じ、木の根が入り込んでいたほか、1ミリ大の蟻が侵入した穴も確認している。石の側面には黒い黴が散見されるなど、石室の劣化につながる要素も明らかになった、という。石室の解体のために準備していた鉄製の機械では、亀裂の入った石を挟むことは出来ず使いものにならないざまだ。用具の作り直しには約1ヵ月はかかるという。これからは気温も高くなる季節に入る。さんざん苦しんできた黴がますます増殖を始める。

《『国宝』を有り難がって慎重になり過ぎているが、国宝指定は誰がどのように決めたのかは知らないが、有り難がった結果がこの始末だ。石室などレプリカで十分だ。完全な修復が可能とは思えない進捗状況だ。ならば思いきって、すでに発見時の美しさを失ったとはいえ、今以上に黴だらけになる前に、一刻も早く壁画を救出することこそ大事なことではないか。暴言のようだが何十億何百億かけてみたところで1000年万年の保証が得られるわけのものではない。壁画を救うことを第一に、亀裂の石などどうでもよい、石室などたたき壊してでも壁画を救う荒療法が必要だ。救いだされた壁画は、誰でもが見ることのできる展示館に収納することが、見られる飛鳥美人にとっても幸せなことだと考える。

参照 高松塚古墳解体決まる 06/09/21

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