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2007年3月18日 (日)

北朝鮮への金融制裁と、拉致問題

今日3月18日夕方のテレビニュースで、米財務省が14日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)と凍結中の北朝鮮関連口座を、6カ国協議で核廃絶への「初期段階措置」で合意した際、米側は金融制裁問題を30日以内に解決するとの声明を受けて、今日の米朝間の会談が、友好な雰囲気の中で進んだことを報道した。前日までの北朝鮮の強気の「全面解除」が約束されなければ核廃絶はないとの意見に対して、どう友好的に話がされたのかについては具体的な説明はなかった。米側が行う、北朝鮮との核廃絶の駆け引きの中には、日本の掲げる拉致の問題は切り離して取り上げないことは分かっていることだ。

毎日新聞(3/16)から
また、韓国は6カ国の中でも魁けて北朝鮮への重油5万トンの提供で他国を先導し、3月末からの南北交流事業を加速させたい腹づもりだ。この支援を先行して実施することで韓国は、6カ国協議で主導権を取り、国際原子力機関(IAEA)による査察の受け入れを北朝鮮に促す構えだ。韓国は先月下旬、輸送費も含めて200億ウォン(約25億円)を「南北協力基金」から支出方針を決定し、米側に外交通商相が訪米した際、6カ国協議と連動させる考えを説明している。アメリカとの役割分担についても事前に調整したとみてよい。

一方、中国では米財務省がマカオの銀行の凍結口座の扱いをマカオ金融当局に任せたことで、いつ、どのような形で凍結解除するかの判断は、中国政府の意向が左右することになりそうだ。中国外務省の秦剛副報道局長は15日の記者会見で、BDAの北朝鮮関連口座の扱いについて「マカオ当局が適法妥当に処理することを支持する」と述べ、マカオ当局の自主性を尊重する姿勢を示した。

米・韓・中それぞれに比べ、拉致問題一辺倒の日本の立場は非常に難しくなっているのは事実だろう。日本政府は、米国がBDAの北朝鮮関連口座の凍結解除を容認したことについて「これによって急に今までの流れが変ることはない」(塩崎恭久官房長官)と比較的冷静に受け止めている。安倍晋三も「想定していたことだから、日朝交渉も含めて影響があるとは考えていない」と記者団に語ったが、同じ日麻生太郎は6カ国協議が動きだしたことは評価すべきだ、と述べている。日本国の首相と、外相の間での他国と比べて動かない日本の立ち場の捉え方の違いは、6カ国協議を通じて北朝鮮の非核化と拉致問題の両者を追求する日本政府の難しさだろう。

毎日新聞は「北朝鮮にごね得を許すな」と書いた。本来、核問題と切り離して解決すべき不法行為について米政府が譲歩したのは、膠着状態に陥った6カ国協議を前に動かすためだった。6カ国協議の最終目標は朝鮮半島の非核化にあり、金融制裁というカードをいかに巧みに使うかは米国に課せられた判断であることは云うまでもない。金融制裁が全面解除されなければ非核化には部分措置でしか応じない、という北朝鮮の言い分を、筋違いと云うものだ、と。偽ドル、麻薬、大量破壊兵器取引、資金洗浄の問題は、それ自身が国際規範に反する行動と云わざるを得ない。次回協議を身のあるものにするには、北朝鮮のごね得戦術を許さない工夫が欠かせない、と。

しかし、考えてみればその長年‘ごねる’ことで大国アメリカでさえ手を焼いてきたのが事実だ。日本が拉致を云っても馬の耳に念仏の状態がずっと続いている。そしてその日本は拉致以外には船舶の入港を禁じてみたり、送金を禁じることが精一杯の取る手段だ。事実問題として核実験までも行った北朝鮮に、拉致問題だけを大上段に振りかざしてみても、既に日本以外の国によって動き始めた北朝鮮への救済の手は、日本を置いてけぼりにして加速するだろう。拉致問題はますます遠退いて行こうとしている。のんびりと安倍の云う「想定していたこと」で澄ましてはいられないのではないか。

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