従軍慰安婦問題 1、
今年1月31日、米下院に日系のマイケル・ホンダ議員(民主党)らが従軍慰安婦問題で日本政府に謝罪を求めた決議案を提出して、第二次大戦下の当時日本が植民地化していた朝鮮半島や中国で行っていた慰安婦問題が、再燃するところとなった。
安倍(当時、衆議院議員)はかつて「従軍慰安婦の強制性について検証する文書が出ていない」(97年5月27日の衆議院決算委員会分科会)と口にし、旧日本軍の直接的な関与に疑問を抱いていたが、首相就任後は旧日本軍の関与と「強制性」を認めた河野談話*を「受け継いでいる」との立場を明確にしている。
*河野談話『93年8月に、河野洋平・官房長官(当時)が述べた談話のこと』
慰安所の設置や慰安婦の移送に旧日本軍が直接、間接に関与したことを認めた談話。韓国人の元慰安婦らが日本政府を相手に補償を求め提訴したことを受け、政府は事実関係を調査。その結果を受けて出された。慰安婦の募集は主に「軍の要請を受けた業者」が当ったとする一方、「官憲等が直接加担したこともあった。慰安所における生活は、強制的な状況下での痛ましいものであった」ことを明確にし、「心からおわびと反省の気持ちを申し上げる」と謝罪した。
安倍(首相)は当初、河野談話には否定的な立場であった。それは従軍慰安婦の強制性について、河野談話に語られている「官憲が家の中まで入って(女性を)連れて行った」など「狭義の強制性」で解釈されていたため批判した。だが時間が経過し、「自分としては行きたくないけど、そういう環境の中にあった」など「広義の強制性」で解釈されるようになり、談話を受け入れたという経過がある。
一方海外では、強制性の微妙な使い分けは通用せず、首相の「(狭義の意味での)強制性を証明する証言や裏付けはなかった」との発言が、従軍慰安婦への関与を認めることに否定的と受け取られている。3月6日の毎日新聞はこの時点で、米下院の決議案が可決された場合は、日韓だけでなく、日米間の摩擦にも発展しかねない事態にあることを懸念している。
《なにも海外でなくても日本人にも安倍の屁理屈では理解することはできない。当時の日本軍は“上官の命はただちに朕が命と心得よ”に徹していた。命に背くことは「死」を意味した。平時の現在でも上位等級者の部下への命令にも、その伝え方には段階のあることを知っていよう。性差によっても言葉遣いに差が出るのが当然だ。柔らかく「お願いします」の依頼の形を取るものから「これをしろ」「やっておけ」の完全命令調と変化するように、組織の中ではその強制力は「くび」を覚悟でないと逆らうことは無理だ。まして戦争のさなか、安倍が云うような、官憲が直接女性を抱え上げ、無理矢理連れ出したことだけを狭義と言えるような、状態になかったことは容易に察しがつく。全ては軍隊という組織の中で行われた強制力の結果だ。強制力と云うのは「相手に無理矢理強制する“威力”」のことなのだ。それにもっと考えなければならないのは、敗戦とともに、証拠となる書類の類いの焼却、滅失が行われたことはこれまた容易に察しがつく。60年以上経過した今日、探しても見当たらないのは当たり前の話だ。これをして、「証拠がない」というのはナンセンスでしかない。》
《加えて、古今東西、幾千年の昔から、男の戦争に女が付きまとうのは、歴史の伝えるところだ。敗れた国の男子は殺され、婦女子は奴隷として、或いは慰み物として指揮官から兵へ与えられていた。近代においても中国で、朝鮮で、勝ち誇っていた日本軍の敗退に伴うソ連軍の日本人婦女子への暴行、強姦、ヨーロッパにおけるドイツの敗戦では同じくソ連のドイツ人婦女子への暴行、強姦など、平時の価値観から見ればあってはならない行為が人間性をなくして行われた。日本国内でも、敗戦により占領のため進駐して来るアメリカ兵に、女性たちは皆強姦される、と噂が流れた。敗戦で日本政府は朝鮮や中国で行った日本兵の性処理での経験を活かし、アメリカ兵の性処理のための施設を何よりも先に検討した。》
《原子爆弾が落ち、日本の負けが決まった(8月15日、天皇の戦争に負けた宣言)直後から、占領統治で上陸するアメリカ兵の性的慰安施設の検討にかかっている。9月2日の戦艦ミズーリでの降伏文書への署名さえしないうちの8月18日、政府は「特殊慰安施設協会」を設置する。即座に内務省、地方長官に占領軍向け性的慰施設設置を指令した。勿論各地でも鬼畜米英で洗脳されていた国民は、アメリカ軍の上陸を恐れ、性的慰安施設の設置を自ら進言するところも出ている。早速、政府がすすめた慰安施設の最初の売春宿が東京の大森で営業を始める。(後の経緯については‘参照’を参考)》
5日の参院予算委員会でも「狭義の強制性を裏付ける証言はなかった」とする安倍の発言で、自民党の「歴史教育を考える会」(会長・中山成彬元文部科学相)は「強制連行の事実はない」との立場から、河野談話の見直しを求める考えであったが、反発する中国や韓国との間で板挟みになる首相に配慮して、見直しを求めないことで落ち着いた。中国の李外相は「日本政府は歴史の事実を承認し、責任を負い、この問題を適切に処理しなければならない」「日本の軍国主義が犯した深刻な罪の一つ」「歴史認識は一種の強大な進歩の力であり、後ろから足を引っ張るような時代遅れのことをすべきでない」と日本側に配慮を求めた。
また、大平洋戦争の戦場にもなったフィリピン外務省は5日、声明を発表し「この重要で微妙な問題について、フィリピン政府は、河野官房長官談話や、02年に小泉純一郎首相(当時)がフィリピンの従軍慰安婦被害者に送った書簡の内容を遵守するよう求める」と訴えている。同じように台湾も、安倍の「日本軍による強制を裏付けるものはなかった」と発言したことに対し、「深い遺憾と抗議を表す」との声明を発表した。
参照「慰安婦問題」06/07/05
-- つづく --
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コメント
今晩は、時々拝見していてちょっと辛口で好きなブログです。
今日は少し異見がありコメントしてみました。
「従軍慰安婦の軍の関与の証拠は無いのは当たり前、戦後のどさくさで都合の悪いものは隠滅している」と書かれていましたが、時代背景を考えると売春そのものは当たり前(合法)という時に、その関係の書類を探し出して隠滅を計るでしょうか。私自身は戦後生まれですから自分の体験ではないので確実性は低いですが、想像では天皇の戦争関与などの書類は隠滅されても、慰安婦関連なんて重要度はほとんど無かったのではないでしょうか。
私は左翼でも右翼でもありませんが、私たちの父や祖父達先祖がそんなに悪い人ではなかったと思いたいです。もちろん何万人も出兵していたのでとんでもない人が居たと思います。でも、中国や韓国の言うような強制連行を国が指示したとは思えません。
また、従軍慰安婦の第一人者の中央大学吉見義明教授が1997年1月3日の「朝まで生テレビ」で「植民地での奴隷狩り的強制連行は確認されていない」ことと、および「挺身隊が慰安婦にさせられた例も確認されていない」ことを認めました。この部分はhttp://www.tamanegiya.com/jyuugunniannfu.html より転載です。
もちろん色々意見があることは存じておりますが、南京大虐殺も強制連行も、それらを言っている人たちの反論が、私が聞いている限り途中で立ち消えて居るように感じています。
これからも辛口なブログ頑張ってください。
投稿: おなす | 2007年3月20日 (火) 01時40分
強制慰安婦について世界各地で残虐な日本民族に対する非難が上がっているのに、日本政府自民党とマスコミ人は日本国内でまったく報道しない。日本人は朝鮮だけでなく世界各地で殺人や強姦を繰り広げていて、東ティモールなどでも日本人が強制的に少女らをかき集めて強姦していたことがわかっている。日本人は少女らに銃剣を突きつけて、「強姦させないと親や赤ん坊を殺すぞ!」と脅迫しながら無実の少女らを無理やり強姦していた。そうして、約束に反して日本人は強姦した少女ともどもそれらの家族を赤ん坊まで結局皆殺しにしていたのである。今の日本人のほとんどはこれらの殺人鬼の子供や孫であるから、エロノミストや植草ミラーマンのような凶悪な人種が現代の慰安婦を囲って優雅な犯罪人生を楽しんでいる。日本人の残虐さは世界でも際立っている。新井泉さんを強制的に虐待して殺害したのも、こうした日本民族の極度の残虐さを捕まらない殺人に利用したもので日本人は非常に悪質である。
投稿: 祐子 | 2007年3月20日 (火) 02時46分
従軍慰安婦は女子挺身隊が戦後になってから千田夏光と言う人物によって創作された言葉です。
しかし、最近では、吉田清治と言われている人物が朝日新聞より掲載された従軍慰安婦問題は全くの出鱈目で事実無根の虚構的な作り話で有ったことは明確になりました。
因みとして、従軍慰安婦の実態は朝鮮半島のキーセン(妓生)が戦時中の日本の軍部に女子挺身隊として斡旋された売春組織です。
戦時中に於いて、日本軍が強制的に連行して当時の朝鮮半島の女性を強姦したような事実も史実も完全にありませんでした。
また、キーセンの売春組織は戦時中に於いては日本軍の駐屯地などに売春宿舎の施設を作って、キーセンの売春婦に高額な金銭を払っていたようです。
今でも、韓国では、キーセンパーティと呼ばれている性的風俗ツアーが行われているようです。
韓国のキーセンパーティは海外からの男性旅行客の為のオモテナシ的な感覚として今も変わらずに続けています。
男性旅行者の韓国への慰安旅行の実態についてはキーセン、つまり、性的風俗を目的としているようです。
投稿: 間吊田和志輿為 | 2014年12月21日 (日) 00時25分