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2007年2月19日 (月)

携帯等 西と東

毎日新聞(2/19)から
今日午前8時半ごろ、大阪市中央区の市営地下鉄御堂筋線本町駅のホームで、兵庫県川西市の女性会社員(25)が男性にぶつかり、線路内に転落したが、駅員が線路に飛び下り、ホーム下の避難場所に誘導して助かった。直後に同駅に入ってきた新大阪発天王寺行きの下り電車が、女性から約20メートル手前で急停止した。女性は転落の際、頭に軽傷を負っただけで済んだ。

大阪府警東署の調べでは、女性は混雑したホームを携帯電話のメールを打ながら歩いていたという。この影響で下り4本が3分の遅れ、約4500人に影響が出たという。

死亡事故にでもなっていれば、海の向こう(米・ニューヨーク)で法制化されようとしている交差点内でのiPodの使用禁止や、映画館内やコンサート会場内での携帯禁止(こちらは12日、ニューヨーク市条例が成立した)のように、日本でも、運転中の携帯禁止に準じた法令の必要が取りざたされていたかも知れない。街に出ると嫌でも目に飛び込んで来る。歩きながら、自転車を走らせながら、勿論電車の中、スーパー内、食堂内などなど。或いは2004年11月に施行された改正道交法で、いっとき減っていた運転中の携帯使用。つい先日、危ないというより、阿呆の名こそ似つかわしい若い母親を目にした。赤子を抱き、そのまま片手で携帯で話しながら運転している。死ねばいい、と瞬間思った。

死ななくても取り返しのつかないことになった事故が現実に起っている。古い話だが、2002年8月4日夜。神奈川県横浜市内在住の57歳の女性が、金沢区の市道を徒歩で帰宅中、後ろから走行してきた自転車が衝突し、転倒した女性は首などを強打。手足に痺れが残って歩行困難となる後遺障害に悩まされ、職も失うことになった。後ろから来た自転車に乗っていたのは当時16歳の女子高生で、無灯火走行だった。しかも事故直前から携帯電話の画面に注視したまま、前方を全く見ない状態で運転を続けていたという。

民事訴訟での判決は、「原告の後遺障害との因果関係も認められる」として賠償責任が生じることを認めた。被告の父親の賠償責任は認めなかったが、結果として被告に対し、約5000万円の賠償支払いを命じているのだ。無灯火の上、前方不注意、恐いもの知らずの若者の行為の結果だが、己の招いた代償はあまりにも大きいものになったということだ。

携帯や、日本でも広がっているiPod。私もテープ使用時代のウォークマンを耳に、日中歩いてみたことがあった。数分と聴いておられなかった。恐かったのだ、大きなボリュームで聴いたわけではないのに、世の中の音が全く消えて行った。不安で不安で音楽を楽しむどころではない。1、2分も無理だったし、その日1回きりで歩行中の使用は全くしなかった。余ほど周りへの配慮を無視しない限り、通常の神経で聴けるものではない。乗り物の中で、音漏れのシャカシャカも神経を苛立たせるが、マナー知らずは携帯の声高の会話も同類だ。

アメリカでは携帯で、上に書いた厳しい条例が作られ、映画館の中での携帯の呼び出し音、コンサート会場で携帯で音楽を拾い、通話先の有人に聴かせたりするマナー知らずには、厳しいお灸が据えられることになったようだ。公園会場では携帯電話で話す、ダイヤルする、通話を聞く、さらには公演中に1回着信音を鳴らすだけでも条例違反となり、罰金50ドルとなる。問題を提起したのは劇場側からの苦情で、演目中にひっきりなしに鳴り響く呼び出し音や、やかしい会話だったという。

勿論、条例に反対する人たちもいた。「携帯電話の使用だけではない、思いやりに欠ける駆動は、数多くある。公演中に話したり、勝手な時に大声で歌ったり、飴や咳き止めなどの包装を開けたり、咳きやアレルギーの症状のときには公園会場を訪れることさえ迷惑になる。礼儀や常識を法制化してはならない」と。禁止条例は60日後に発効する。

以前ブログに書いたことがある。現在畏まって聴く娯楽にクラシック音楽がある。例えばテレマンの「ターヘルムジーク」。これは「食事の音楽」という意味だ。貴族たちが、ワイワイガヤガヤと食器を鳴らしながら、旨いものを口に頬張り、ぺちゃくちゃとお喋りをしている近くで、楽団員たちが食事が進むように弾いて聞かせた音楽のことだ。コンサートだからと咳(しわぶき)もせず、唾も飲み込めず、聴くのがコンサートではない。したければ咳き込めばいい、鼻をすすればいい、音楽は窒息するような思いで聴くものではない。私は携帯を持たないからコンサートでその点での迷惑は誰にも掛けないが、遠慮なく自由に咳はしている、何度でも。余韻を楽しもうとする人間の頭上で、声高に、我先に「ブラボー、ブラボー」を叫ぶ阿呆どもよりは優れた客だと自負している。

アメリカの路上横断時のiPod規制法案は、2007年1月、音楽に気を取られ、市内バスの進路に出て死亡した23歳男性の事故などを受けてのものらしい。施行されると、音楽プレイヤー、ビデオプレイヤー、携帯電話、スマートフォン、ゲームなどあらゆる携帯電子機器を利用することが禁止される。違反者には100ドル(日本円で約12000)の罰金が科される。

日本でも、携帯等はマナーを期待するだけで解決される問題ではなさそうだ。

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