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2007年2月25日 (日)

トランス型脂肪酸

寡聞にしてまたまた耳なれない言葉に行き当たった。
毎日新聞(2/24)から
心臓病との関連が指摘され、米ニューヨーク市が飲食店を対象に削減を義務付けた*トランス型脂肪酸(トランス酸)への関心が高まっていると聞く。
 *米国連邦政府保健福祉省食品医薬局(HHS FDA)の2003年7月11日付け規則

《トランスといえば若い頃、秋葉原へ足しげく通い、山水だ、いやタンゴだ、とパワートランスや出力トランスを値踏みした。真空管アンプが華やかな時代だった。続いてはドラッグにまつわる話題としてトランスという語が恍惚の意味で使われたことで、単語としては知っていたが、数年前から話題になっているトランス型脂肪酸のトランスは全く別のものであることは知らなかった。

トランス型脂肪酸でいうトランスとは有機物の構造のことで、その構造にトランス型とそれに対応するシス型とがあるのだそうだ。

油脂はもともとグリセリンと脂肪酸から構成されている。そして脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分類される。両者の違いは単に構造の違いだが、この違いが性質に大きな違いを及ぼすのだそうだ。飽和脂肪酸(バターやラードなどの動物性脂肪に多く含まれている)は固まり易く、不飽和脂肪酸(オリーブオイルやサラダ油などの植物性脂肪に多く含まれている)は固まりにくい。
 ♦飽和脂肪酸は固まり易く、当然体内でも固まり易いため血液の粘度を高めて血液を流れにくくする -- 不足すると血管がもろくなり、貧血やめまいなどを起す。
 ♦飽和脂肪酸は中性脂肪*や悪玉コレステロール*(LDLコレステロール)を合成する作用が高いので -- 摂り過ぎると、肥満、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などを引き起こす。

そして実は、トランス型脂肪酸は不飽和脂肪酸なのに、固まり易い性質を持っている。*中性脂肪は体内の9割を占める脂質で、残りが細胞膜などを構成するリン脂質とコレステロールとから成っている。コレステロールは過剰にとると人体に悪影響を及ぼすが、我々にとって不可欠な物質でもあるのだ。》

【閑話休題】
日本人の平均的な摂取量は欧米人に比べて少なく、大きな健康リスクにはなっていないが、体内での働きを巡っては誤解もあるようだ。トランス酸はどのような食品に多く、どのようなことに注意すればいいのだろうか。トランス酸は不飽和脂肪酸の一種。植物油からマーガリンや洋菓子を作る時などに使われるショートニング(味付けのないマーガリン)を製造する際、水素添加して半固体にする時に生成される。

牛などの反芻動物の胃の中でも微生物の作用で生成され、牛乳やチーズなど乳製品や肉類にも含まれるが、量的には僅か。日本人の主な摂取源はマーガリンなどを使った加工食品で、乳製品や肉類からの摂取は少ない。

トランス酸については「体内で利用できない有害物質ではないか」との指摘もされているが、油脂の研究で知られる菅野道弘・元熊本県立大学長は「飽和脂肪酸と同じように生体膜に取り込まれて利用され、蓄積することもない」とトランス酸自体が有害なわけではないと話している。しかし、とり過ぎると悪玉コレステロールが増え、心臓病の死亡率が高くなるとの研究報告はある。このため、米国は総エネルギー摂取量のうちトランス酸の割合を1%未満に抑えるよう推奨している。米国政府が昨年1月から含有量の表示を義務付けたことから、ニューヨーク市は今年7月から飲食店を対象に1食当たり0・5グラム以下に抑えるよう規制することになった。

日本人の摂取量は、内閣府・食品安全委員会によると、平均1日当たり1・56グラムで摂取エネルギーに占める割合も0・7%と米国の推奨値を下回っている。これに対し、米国人は1日当たり約5〜8グラム、エネルギー比で約2〜3%も摂っている。

 主な食品のトランス酸含有量(100グラム当りの平均値)
   食パン       0.52(単位グラム)
   クロワッサン    2・8
   ロールパン     0・8
   ドーナツ      1・9
   クラッカー     1・4
   ポテトチップ    0・3
   ポテトスナック   0・4
   チーズ       1・78
   牛乳        0・15
   バター       3・3
(注)品目によって大きな差がある。ドーナツの場合差は大きく、油脂の種類によって含有量に約30倍も差がある。外食チェーン店のドーナツでは1個(約50グラム)で日本人の平均量を上回る約2グラムという例もあり、ファストフードの揚げ物の取り過ぎは要注意。

日本人の油脂の摂取は欧米人と比べて少なく、心臓病の年齢調整死亡率は80年代以降、減少している。油脂と健康問題に詳しい浜崎智仁・富山大学和漢医薬学総合研究所教授は「日本人がトランス酸の摂取をさらに減らしても、心臓病の死亡率を下げる効果は殆ど期待できない」という。厚生労働省新開発食品保健対策室は「トランス酸が減っても、その分、飽和脂肪酸が増えれば心臓病のリスクは変わらない。欧米と違い、トランス酸だけの含有量を表示することに大きな意味はない」と表示には消極的だ。

《その昔、ウォール街の大恐慌が世界を脅かした時、日本にもその影響が起り、アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひく、と例えられたことがあった。今度のニューヨークの削減義務づけのトランス酸騒ぎも、日本では“「狂った油」トランス脂肪酸、規制しなくていいのか、”と声をあげる向きもある。菜食中心の日本人も、欧米化されてきたとはいえ、まだまだ欧米人ほどの脂肪の摂取量はない。リスクを感じることもない。どんなものにも人間が口にしているものには多少のリスクはあるだろう、それをあれこれ挙げていけば、今に、食べるものはなくなっていくだろう。》

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