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2007年1月31日 (水)

こぼれ話し

早い、早い。もう今年も今日で12分の1が終わる。若い頃は「光陰矢のごとし」は想像することすら出来なかったが、この年になってみると、矢の例えが間違いであるような気さえして来る。一年なんて一瞬の間だ。

このたび文化庁が世界遺産候補に小笠原や富士山など5件を追加登録することを決定した。
日本人は、現在ある世界遺産に登録されたもの以上に、日本古来の文化遺産や自然を、ユネスコのお墨付きを押し戴かないと自国の遺産としての価値も認められないのだろうか。それほど権威に弱い国民なのだろうか。地方の自治体が、地域の活性化を模索しての結果ならまだ可愛い、文化庁までが付和雷同の大騒ぎを見せているのが、今回の軽重混じった候補だ。富士山はまあまあ仕方ない。アルピニストの野口氏の献身もあって糞尿の山から徐々に姿を取り戻しつつあるからだ。しかし、糞尿処理は数年前に始めたばかりだ。それまでは垂れ流しの山だった。長い年月金魚の糞か蟻の行列のごとき連中の糞尿が地中に染み込むに任せていた。副流水は数十年掛かって地上まで届く。全く汚染されず、病原菌のない浄化された水になっているのだろうか。文化庁は待っておられずに、急遽自然遺産から文化遺産に姑息な切り替えを行った。富士山の自然が秀麗な環境に復帰するには何時になるか想定もできず、悪知恵を働かせた。考えてみれば熊野があった、この際その手を使おう、ということになった。そして、自然遺産での登録を諦め、文化遺産として登録するために、もう一つの樹海のゴミに目を向けさせないように企んだ。

それはいい、今後文化遺産として認知された後のことだが、登山は許可制にして登山人口の制限をして、現在以上には環境破壊が起らないように厳しく制限するべきだ。

文化庁の選定理由は「著明か、諸外国との交流など世界史的価値がある」と認めるものとしたが、他の4件には「四国遍路」「長崎の教会群」「南アルプス」を文化遺産として、「小笠原諸島」を自然遺産候補として、併せて2月1日までに国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出する。

先に世界遺産としての熊野古道をふくむ「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録されたが、以来、急激に増加した観光客による環境破壊が目立つようになった。一方、認知されたことで改めて土地の人たちのボランティア活動も活発化し、参詣道の手入れがされるようになり、却ってそのことが、環境破壊にもなっていることが言われている。自然が、自然ではなくなってきているのだ。同じく自然遺産でも白神山地の深いぶなの森林では、わいわいがやがやと競って観光客が訪れるところではない。他に比べると森林破壊は遅い。

熊野参詣道に立つ木々に、ペンキででかでかと世界遺産で増えた観光客によって被る村の被害が大書されていることが、テレビで報道された。観光客で潤おう村の経済がある反面、自然破壊のマイナスがすぐに訪れることは、世界遺産ならずとも、どこの観光地においても見られる光景だ。景観とはちぐはぐな建物が出現し、ちぐはぐな人たちが現れる。これが神社仏閣となると、一層の落書きが見られるようになる。

落書きも、その国民性を表わす。日本だけではない。古来から世界中のあらゆる所に落書きは残っている。古くは洞窟画などはその格好の例だろう。私は強く落書きを責めるつもりはないが、日本中の寺や神社には落書きはすぐに目につく。近代の道徳や価値観では、落書きを悪として窘めることが常識となっているので止めた方がいいのだろう。有名な落書きが、その場をより名高い観光地にしてきたこともある。ギリシャのスーニオン岬に建つポセイドン神殿(世界一夕日の美しいところとして有名)の柱には、後にギリシャが1821年に始まるオスマン帝国からの独立戦争を戦ったおり、義勇軍を率いて参加したイギリスの詩人、バイロンが若い時(1810年)に刻んだ落書きが残っており、夕日とともにその落書きを探すのも目玉とも言える。ほかにもまだ世界にはアンコールワットやローマの至るところ、マルタなど、落書きをあげれば切りがないほど多い。

今回の世界遺産登録、その全部に文化庁の言う条件が揃っているのだろうか、世界史的価値が。単に“おらが街に目玉が欲しい”を手助けするだけではないのか。

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