« そりゃ 当然でしょう | トップページ | こぼれ話し »

2007年1月30日 (火)

子どもの幸せ 昔と今

毎日新聞(1/30)から
石田衣良の“白黒つけます”による「昔の子どもと今の子ども どっちが幸せ?」が集計された。
有効投票数4193(男性:1819、女性:2374)の73%以上が圧倒的に昔の子どもが幸せであった、と回答している。代表的な回答に選ばれた男女の年齢が書かれなくなって、それぞれの回答文から想像するよりないが、設問に問題がる。

『十年ひと昔』と言われたのは遠い昔の事。今では時の流れはそのような悠長なものでなくなった。技術革新の「ひと昔」はほんの数年、早い時は2、3年で様相が一変するからとても10年とはいかない。いつものように10代以下から70代以上までから回答が来ているが、10代以下の世代には、70代以上の人たちは前世紀の遺物に近いものに映っているだろう。その昔のことは想像することも不可能だ。全てに関して「時代が違う」で片付けられて来たのが今までだ。同じように30代以下の人たちにとっても、テレビは生まれた時から存在し、それ以前の昔は存在しない。逆に70代以上の人たちには、余ほど時代の変化を身近なものとして感じる時期を過ごしたか、仕事に携わってもいなければ、20年昔も、30年昔も同じグループに入る「昔」でくくることができる。テレビはおろか、今は何処の家庭にでもある電話さえ、たった50〜60年昔は限られた家庭にしかなかった。石田が「昔」をどのように定義したかが不明瞭なので、今回の集計の目的が何か分からないが、私が昭和一桁の70代半ばなので、その記憶のある(記憶力の乏しい頭脳なので幼稚園以前のことは数えるほどしか思い出にはない)時代まで遡って(当然、軍国少年の時代もあった)集計と照らし合わせてみたい。

       昔の方が幸せ 今の方が幸せ
 全体     74・4%  25・6%
  男     73・0%  27・0%
  女     75・4%  24・6%
 10代以下男  55・0%  45・0%
 10代以下女  59・4%  40・6%
 20代  男  63・8%  36・2%
 20代  女  73・6%  26・4%
 30代  男  75・7%  24・3%
 30代  女  76・3%  23・7%
 40代  男  77・5%  22・5%
 40代  女  77・8%  22・2%
 50代  男  78・9%  21・1%
 50代  女  77・2%  22・8%
 60代  男  67・2%  32・8%
 60代  女  67・6%  32・4%
 70代以上男  68・8%  31・2%
 70代以上女  81・8%  18・2%

先ず、「昔の子どもの方が幸せ」の回答から
 「生まれ持った能力や家庭環境を受け入れ、身の丈にあったことをやっていたのが昔の子。今の子は勉強を始め自分の実力以上を求め過ぎる傾向がある。親の期待や友だちの評判を気にしているのでしょうが、それってかなりキツイ」(富山県黒部市・匿名)「わたしの子どものころは未来への不安はありませんでした。ただたのしくてなにをして遊ぼうかということしか考えなかった。うちの子は退屈が口癖で、なにしたらいいのと聞いてきます。言われる度に切なくなる」(兵庫県姫路市・える)

《親も子も女性だと思う。年齢は不祥。私の時代は未来への不安が一杯の時代だった。戦争も敗戦濃い末期、子どもながらに男はいずれ戦争に行って、天皇陛下万歳、と叫んで死ぬことは避けられないと、思っていた。女の子は男がいなくなった家庭や銃後を守ることが使命と教えられ、訓練され、薙刀を振り回していた》

「子どものころ牛が田んぼを耕し、馬が荷馬車を牽いていた。子どもは七輪で火をおこすのが仕事だった。おばあちゃんがいつも昔話をしてくれて、寝入る前に桃太郎や金太郎を何度聞いたことか。数え切れないほどの素敵な心象風景がありありと浮かんできます。まだ50年も経っていないのにこの変わりようはなんでしょうか。今の子どもは忙しすぎます。エンデの『モモ』のとりになってしまいました。時間泥棒にしてやられてのです」(和歌山県橋本市・陽子)

ここで石田はコメントを入れる。「確かに子どもも大人もやられてしまった。みんな遮二無に目的地も知らず駆け回っている。子供用の栄養ドリンクが売られている国なんて、いつから日本はこうなってしまったのかな。でもね、思いではいつだって美しいものです。そこだけに目を向けてはいけません」と。

続いて、「今の方が幸せ」という回答
「子どもの死亡率は50年前の10分の1。犯罪に巻き込まれる子どもも、実は30年前の半分以下。徴兵におびえることも、飢えに苦しむこともない。ただ幸福すぎて不幸を知らないことが、今の子どもたちの不幸かもしれません」(川崎市・Y)「いじめられはしなかったが、学校が嫌いで嫌いで、日曜日の夕方から暗澹たる気持ちになったのを覚えている。今の子は週休二日制。これだけでわたしは昔の子より今の子が幸せと断言できる」(秋田市・満)《この人、現役の教員だそうだ。この程度の価値観、こんな先生に教えられる子どもたち、可哀想だな》

また「今の方がずっと幸せ。昔は世の中全体が貧乏、不衛生で、たべもの、着るもの、住まいと現代とは(ママ)比較にならない。子どもの人格は否定されていたし、男と大人の論理がすべて優先されていた。虐待もあったし子どもの人権なんて無視されても、あたりまえでまかりとおっていた」(北海道芽室町・木偶の坊)

ここで石田は彼の押す回答を引用して、まとめに入る。
 今回の投票結果は7割を超える圧倒的な得票差で、昔の子どものほうが幸せなんだけど、自分の独断で逆転させてもらう。それは、希望を込めてやっぱり、「今の子どものほうが幸せ」でいいじゃないですか。だって相手は嫌でも次の時代のバトンを渡すぼくらの子どもたちなのです。そして、もう一つメールを記している。
「非常に難しいです。なぜなら、僕は昔の子どもであって、今の子どもではないから。だから、えいやっ!で、今の子どもが幸せにしました。いつだって今が一番いいからです。今日は昨日より絶対にいいんです、きっと。街行く子どもが笑っているから、間違いないんです」(大津市・門久雄三)
そして、「ぼくもその意見に大賛成。みんなで今の子どもたちを幸せにしよう、と結んでいる。

《物が溢れ、放っておいても勝手(労働の対価としての経済観念も教えずに)に親や大人が与える金銭(小遣い)、或いは好きなものが要求すれば手に入る現在は、物質的には恵まれているが、それが幸せかどうかは幸せの価値観をどう捕らえるかによるし、子どもたちが置かれた環境による。私には黙っていても溜まる金銭(小遣い)や玩具よりも、喧嘩しあえる、喜び合える1人の兄や弟、或いは姉や妹がいる方が何十倍も嬉しく、幸せなことだと思えるのだ。どんなに貧しく苦しい時代でも、日本の子どもたちは笑って生きて来た。今、世界では貧困や予防接種も受けられないで、10秒間に3人の子が死んでいると言われる。幸いどんな不幸な時代にも、日本の子がそこまでの不幸を味わうことはなかった。あえて、幸せ、不幸せを問おうとしても、今も昔も変わらないと思う。ただ、少しだけ、昔の方が幸せだったのは、子どもを育てる環境が、現在よりも進歩していなかった分だけゆとりがあり、家族や家庭など、子を取り巻く情愛の部分で血の通った熱いものがあった。親の懐で肌の温もりを感じて生活できていた。子どもは親の背中を見て育つ、とは言われながら、今では背中を見て育ちたくても、子どもが起きている時間に背中を見せられる親は、少なくなっている。その分、家族愛の薄い今の子はちょっぴり幸せではない気がする》。

|

« そりゃ 当然でしょう | トップページ | こぼれ話し »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107998/13717882

この記事へのトラックバック一覧です: 子どもの幸せ 昔と今:

» 退屈な生活にちっちゃな幸せ [新鮮!情報特急便]
幸せとは相対的なものです。平凡な日常にちょっとしたプラスの出来事・・・。幸せですよね。ちっちゃな幸せ見つけてみませんか? [続きを読む]

受信: 2007年1月31日 (水) 06時13分

« そりゃ 当然でしょう | トップページ | こぼれ話し »