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2007年1月 5日 (金)

残業代不払い制度

昨年暮(12/28)のブログで触れた、ホワイトカラー・エグゼンプション(管理職手前の事務職労働時間規制適用除外制度)、簡単に言ってしまえば『一般職残業代不払い制度』となる。何でも横文字大事で考えるから、言った後ですぐに日本語、漢字で補わねばならないことになる。バカな習慣を拵えたものだ。

前回触れて心配したとおり、こんな法が認められるか、と声が上がっている。手厚い労働基準法で守られ、高賃金の安定した生活に馴れた現在のサラリーマンには、その労働条件を基礎に入手したマイホームの返済金、高い家賃の家に済み、溢れるほどの家具に囲まれ、ブランド物を纏い、温泉に、旅行、マイカーの支払いだ、と決まった高額の出費がある。

しかし、一方では企業だけが潤おう‘いざなぎ景気’の矛盾した社会の仕組みの中で、一向に上がらない給料をやり繰りしても疲弊して行く層もある。 メディアは頻りに景気を口にし、活字にするが、差別社会の格差はますます広がって行く。

通常国会に提出する予定であった改正案を、与党としては見送ることになりそうだ。労働法案の欠点を見直すことで先送りするわけではなく、与党としては「選挙に悪影響」があるとしての肚のようだ。サラリーマンのことを考えてのことではない。既に過労死は社会問題ともなっているなか、それ以上の激務が想定される条件下にサラリーマンを追い込むことになる法律を作ろうとしているのだ。

毎日新聞(1/5)から
個人が働く時間を自らの裁量で決められる一方、残業代は一切払われない「日本版ホワイト・エグゼンプション」制度導入を盛り込んだ労働基準法など労働法制改正案について通常国会(25日召集)への提出見送り論が4日、与党内で強まった。「残業代を取り上げ、働き過ぎを助長する」など労働側からの批判が強く、4月の統一選や7月の参院選への悪影響は避けられないとの判断から、と見られる。

厚生労働省は今国会提出を目指す構えだが、協議会設置で「時間切れ」を狙う案も与党内には浮上している。自民党の丹羽雄哉総務会長は4日、茨城県石岡市での講演会会合で「賃金抑制や長時間労働を正当化する危険性をはらんでいるという指摘もある。改正には慎重に対応しなければならない」と述べた。

《改正案では、彼が口にする危険性など、だれでも読み取ることができる。彼自身の頭では指摘をされないと理解できないことなのだろうか。危険性ははらまれているのではない、必ずそうなると言ってもよい。別の見方をすれば、部下の実力を見極め、仕事を案分するのは上司(この場合管理職)の仕事だ。部下の実力が同一、均一であるわけはない。その部下に応じて仕事量は案分されなければならない。誰でもが同量、同質の仕事が消化できるのなら、出来高評価などするのはナンセンスだ。それぞれの部下の力に応じて与えるのが上司の力量となり、その結果が出来高となるのだ。力不足で残業が見込まれるものの仕事量は、できる人間と同じ時刻に終えるためには、素晴らしくできる人間に回せばよいことになる。それが出来高の差となり、給料の差となるものだ。それを案分するのが上司の仕事だ。「あいつは鈍い」で評価するのは、逆に言えば、部下の評価が出来ない上司、ということになる。》

公明党の太田昭宏代表も2日、東京・新宿の街頭演説で「『残業代がなくなる』『こんな制度を作ったら大変だ』という声が溢れている。与党の中で協議するシステムを作らないとならない」と述べている。

《時間内に消化可能な仕事を故意に残業までくい込ませ、生活の糧にする考えは以前も存在した。給与水準が低く、生活レベルも低いなりに、少しでも超過勤務手当てが必要な若者たちもいた。必需品や、贅沢品のこともあったが、その購入を予定し、マイホームなど夢でも、充当する金額を稼ぐためにも時間外手当てを必要とするものもいた。》

同制度は管理職一歩手前の事務職を対象に、労働基準法に基づく1日8時間の労働時間規制を除外し、成果などを基に賃金を支払うとするもの。厚労相の諮問機関「労働政策審議会」の分科会が12月27日にまとめた最終報告の条件として
1. 労働時間では成果を適切に評価できない
2. 重要な権限と責任を伴う
3. 年収が相当程度高い
などを挙げている。

民主党は導入に強く反対しており、改正案が提出されれば徹底抗戦をする構えでいる。次期通常国会は参院選を控え6月23日までの会期の延長も難しいことから、与党内の自民党国対幹部は「成立は無理。反対をアピールする野党が得をするだけ」との慎重論が強まっている。

以上は朝刊の記事からだが、夕刊では柳沢厚労相は、5日の定例記者会見で「通常国会に法案を出す方針はまったく変えない」と述べている。「(与党内にも慎重論があるが)企画立案をやるホワイトカラー労働者はルーチンワークをするホワイトカラーと違い、クリエーティブにやっていく意識が必要。力を十二分に発揮してもらうには必要な制度」という。

今度の法案も今までと同じように、結局は政府与党の言う民主主義の数の論理で通過してしまうのだろうか。

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