ヤンバルクイナ絶体絶命
世を上げて地球温暖化が喧(かまびす)しい。
地球温暖化防止の具体的な取り組みについて話し合う京都議定書第2回締約国会議(COP/MOP2)が11月6日〜17日、ケニアの首都ナイロビで開かれた。地球温暖化対策を新たなビジネスに結びつけたい先進国と、経済成長への悪影響を懸念する途上国は、二酸化炭素の排出削減などの責任の分担をめぐって対立しながらも、13年以降の温室効果ガス削減の継続を明記した会議報告書を採択して閉幕した。
最大の課題であった中国をテーブルに着かせたことはよかったが、経済成長への悪影響を嫌う途上国に配慮したため、具体的な内容の進展は見られなかった。今後、世界第2位の温室効果ガス排出大国・中国(第1位は言わずと知れたアメリカだが、この国は京都議定書にも参加していない。)などを、地球規模の温暖化対策を実効性のある取り組みに巻き込むことができるか、課題を残したままだ。
地球温暖化は地球表面の大気や海洋の平均温度が上昇する現象であり、一般的には地表・水系内の生態系の変化や海水面上昇上昇による海岸線の浸蝕といった2次的な諸問題も含んでいうことも多い。話題の氷河や北極、南極の氷が溶けたなら、といった数字も目につくが、地球の大陸氷河は一万年前ごろまでには殆ど融解しており、その結果、海面は100メートル以上上昇して、現在の海岸線を形作ったと考えられている。現在の温暖化では、小規模な氷河、などの融解は観察されているが、南極やグリーンランドの大規模の融解は検出されてはいない。
テレビの映像で恐怖心を煽るような番組で、島が沈む として報道するが、この島の標高は精々1.5〜4メートル、季節による水位の干満で沈む島として元々の現象でもあったのだ。無闇に騒ぐことではない。しかし、ここ100年間で地球の海面は10〜25センチほどの上昇が観測されているのは事実だ。一方では気温上昇は海水の蒸発を促し、大気中の雲の量を増大させ、降水、降雪量を増やすのでむしろ氷河などはもっと成長する、という仮設もある。しかし、温暖化による海面の上昇は間違いないとされ、2100年までには約15〜95センチ海面上昇があると予測されている。
温暖化は気候変動を招き、その最も影響を受けるのが今度の会議の開催されたアフリカなのだ。海水面の上昇による沿岸都市への影響と同時に、内陸部の農業が被る被害が考えられている。熱帯雨林の狭隘化、砂漠地帯の広域化広などから、生態系への影響も大きい。
世界自然保護基金(WWF)は地球温暖化の影響で、地域によっては最大7割の鳥類が絶滅すると警告している。地球の長い歴史の中で、絶滅した生き物は数え切れない。現在生きている人間からしてその先祖には6500万年前ころに絶滅した猿人、163万年前ころのクロマニヨン人、やジャワ原人、北京原人など絶滅を味わっている。確かに現在のような人的要因がもたらすものではなかったが、保護して存続が維持可能なことでなかったことも事実だろう。現在程大気汚染もなく、温暖化も進んでいなかった17世紀ころから、特定することの可能であったものは、哺乳類だけでも1627年のオーロックスから始まって、2006年のヨースコウイルカに至る間には118種の絶滅を見ているのだ。爬虫類や鳥類、植物などを加えると、数えることも不可能なほどの絶滅があるのだ。
9月9日のブログでヤンバルクイナの激減のニュースを取り上げた。05年10月の調査時717羽が確認されたが、飛べない鳥である上に、ハブ駆除おために持ち込まれたマングースなどに食べられたり、交通事故で固体数はいっそう減少している。環境省は22日、絶滅の恐れがある野生生物の恐れがある鳥類、爬虫類、両生類、無脊椎動物で57種を加え計200種をレッドリストに加えた。今となってはレッドカードも役にはたつまい。10年、20年のスパーンではどうにもならない。1万年、10万年、いや100万年のスパーンで見た時、地球の歴史が辿ってきた輪廻が見えるはずだ。
同じ意味では在来種、外来種騒動にも言えることだ。考えてみれば直ぐにも分かる。同じ動物の日本人とは一体なんだろう。恐らくはアイヌやクマソこそ在来の日本人であったかも知れない。そこへ北から朝鮮人、中国人、モンゴルなどが、南からは遠く南方系や、琉球が外来種として混じったものだろう。しきりにブラックバスを外来種として排除しようとして躍起だが、これから40億年も続く地球を、10万年、100万年のスパーンで眺める時、やはり外来種として排除することを続けているだろうか。そして現在その必要が本当にあるのだろうか。日本人の在来種コンプレックスは逆に喜ばれてもいる面さえあるのだ。ハーフだ、クォーターだ、と混じる程に美人が生まれるとさえ信じ、外来種の混じることを、国際結婚だと喜ぶほどだ。
在来、外来は最近、しきりに考えることの一つになっている。
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