子どもの ネット利用
毎日新聞(12/18)から、
子どものインターネット利用が、親の認識以上に盛んな実態が調査で明らかになった。
マイクロソフトは今年6月、オンライン上で「子どもと親のインターネット利用意識調査」を実施した。中学生以上の子どもと親それぞれ412人ずつから回答が寄せられた。それによると、
♦インターネットの利用について
約9割の子どもが 「毎日」と応えたが、
約4割の親は 「2〜3日に1回」と認識していた。
♦電子メールのやり取りをしている
子どもは 「85%」
親の認識は 「47%」
♦掲示板への書き込みをしている
子どもは 「40%」
親の認識は 「12%」
♦自分のブログの更新をしているか
子どもは 「40%」
親の認識は 「10%」
などと、各項目で親の認識が、子どもの利用実態を大幅に下回った。
さらに、41%の子が「ネット上で知り合った友達」とメールのやり取りをし、28%の子が「ネット上で知り合った顔見知りでない大人」と、ブログ・チャット・掲示板で情報交換をしていた。ところが、このような実態に気づいている親の割合は、各項目とも子どもの半分程度。親の知らぬ間に、子どもがネット上で見知らぬ人たちとかかわりを持っていることが浮き彫りになった。
それとともに、インターネットを利用し始める年齢の低年齢化も進んできている。小学生向けのポータルるサイト「キッズgoo」で今年6〜7月に小学生の保護者を対象に実施した調査(有効回答数1311人)では、就学前までにネット利用を始めた子は34%で、一年前の調査に比べ倍増しているという。
人によっては「日本は子どもの時から最先端のインターネットを体験させている」と誇らしげに口にする人もいるが、パソコンだけではない。携帯電話こそもっと危険の潜むネットと言えるのだ。警視庁のまとめでは、05年度、出合い系サイトに関係した事件1581件のうち、被害者の84%が18歳未満となっている。また事件の96%で携帯電話が使われている。インターネットも携帯電話もネット利用について安全性を高めるために有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングサービスの普及に取り組んでいるが、「管理強化は親子関係に影響する」とサービス利用に及び腰の親も少なくないらしい。未成年の携帯電話の契約には、親権者のサービス利用の意志確認をすることになっているようだが、売らんかな、の販売現場でどこまで徹底しているかは不明だ。
親子関係を心配する親は、育児責任をどのように認識しているのだろう。アメリカなどでは「子どものインターネット利用は慎重にすべきで、注意もなく、好き勝手に使わせてはいけない」(群馬大学社会情報学部大学院教授・下田博次)というのが常識である。続けて氏は「日本の社会にはこの常識はないと言って過言ではない。もしあれば、フィルタリングソフトがもっと普及していただろう。なにより、ノーガードで有害情報に接することができる携帯電話を、子どもにこんなに売り付けたりはしないだろう」と。親は子どもが使用するネットには、フィルタリングを標準設定して置くべきだ。出会い系サイト規制法では「保護者は、児童による出会い系サイトの利用を防止するために、必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と、親の責任が指摘されているのだ。ガードがかけてないのなら、親は子への監督責任からも、内容のチェックはしなければならない義務を課されているのだ。「管理強化は親子関係に影響する」などと甘えた感覚そのものが子をダメにすることを認識するべきだ。
マイクロソフトの調査でも、フィルタリングソフトを使っている親はわずか8%で、知りながら使っていない親の2割が「子どものプライバシー侵害になりそうだ」と答えた、という。どう言って良いかわからない親の無知だ。親権者とは子どもの責任を全面的に持つ親のことだ。未成年で親の庇護監督下にある子にプライバシーなどないのだ。親は子どものネットの内容をチェックする自由(責任)があり、それは親としての育児義務でもあるのだから。まして親の財布から通信料・通話代がでているようなら尚更だ、プライバシーなどどこにも存在しない。それでもそのような情けない親のために、マイクロソフトは子どもからのサイトへのアクセス許可希望を、親にメールで知らせるサービスを始めた。キッズgooはサイトに、ネット利用についての家庭でのルールを書き込み、子どもが署名して使用が可能になるというものだ。先ずは手始めに家庭で親子で話し合った上でのルール作りが必要だろう。「親の知らぬ間に」の言い訳をしないで済む環境作りが大切だ。
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