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2006年12月12日 (火)

結婚すべき?しなくてもよい?

毎日新聞(12/12)から
例の石田衣良氏の‘白黒つけます’が実施したアンケートの結果。なによりも、設問をした当人が、「結婚すべき?」という言葉が強い響きを持ったことを反省したようだし、結婚は誰かに強制されてするものでもない。

《でも、社会は大きく様変わりしているようだ。世の中『男と女』だけと思っているのは昔風の時代錯誤なのだろうか。男だけど女、女だけど男、といった性同一性障害者、男女同性愛者らを「結婚」をとおして見た場合、どのように分類すればいいのだろう。結婚は子孫存続のためには避けられない結びつきと考えられたのは昔の事。現在では医学の発達は、男女の結びつきを前提とする結婚を省いても、妊娠させることを可能にし、精子さえ確保できればマリアさまのように処女懐胎まで可能にしてみせた。》

 先ずは“しなくてもよい”派の意見から。
「女性の社会進出が進んだとはいえ、結婚すれば家事も育児も介護も、結局は女性の仕事。自活できる仕事があれば、結婚しなければいけない理由がわからない」(さいたま、匿名)、「なぜ、こんなことを聞くのか理解できません。少数派がどんなに誠意を込めて意見を言っても、結婚せい!と過半数に詰め寄られたら、ひとたまりもありません。未婚であるというだけで、容赦なく人格を否定されることもあるのです」(神奈川県相模原市・匿名)、「結婚しなかったら家系が絶えるとか、少子化につながるとか、そんな理由で結婚するのは、その人を個人ではなく社会の部品のひとつとしか見ていない証拠」(宮崎市・友加)、「友人にも独身が多く、みな結婚相手がいないという不安感を持ち、なかば鬱になりかけくらいの精神状態です。その不安は世の中が、女性が結婚しないことを悪いこと、人間の生き方として間違っていると押しつけているせいです」(福島県大沼郡・匿名)

《これらの女性たちは結婚を、被害者意識と強迫観念でとらえているようだ。彼女らの年齢が記されていないから、判断できないが、それぞれ未婚の女性のようだ。しかし、それほど強迫観念に捕われることはない。同じ考えの女性たちの数は圧倒的に多くなっているのだ。後述するが、いわゆる少子化、高齢化とともに未婚化の問題がある。》
 
アンケートを見てみよう。有効投票数3709(男:1486、女:2223)
        結婚すべき  しなくてよい
  全体     41・8%    58・2%
   男     53・6%    45・4%
   女     33・9%    66・1%
 10代以下男  45・0%    55・0%
 10代以下女  34・7%    65・3%
 20代男    51・1%    48・9%
 20代女    34・8%    65・2%
 30代男    52・1%    47・9%
 30代女    33・7%    66・3%
 40代男    54・7%    45・3%
 40代女    33・0%    67・0%
 50代男    61・3%    38・7%
 50代女    36・3%    63・7%
 60代男    77・1%    22・9%
 60代女    44・0%    56・0%
 70代以上男  56・2%    43・8%
 70代以上女  23・1%    76・9%

《いずれの世代においても女性は平均して約3割(40代でやや高い4割強、70代になると最早男は煩わしい相手でしかなくなる)なのに対して、男性では10代以下が5割を下回るだけで、そのあとの年代になると高い結婚願望を示している。特に60代の8割に近い数字は、会社人間が慣れない世間との付き合いに戸惑い、今まで考えなかった家庭を振り返る時、語れる伴侶の存在の有り難さを味わうことの喜びを表わしたものと思う。》

では、結婚すべき とする意見から。
「一度失敗していますが、今はまた結婚したいと思っています。確かにひとりでいるのは気楽ですが、ひとりよりふたりのほうがなにをしても楽しい」(横浜市・匿名)、「結婚は互いの長所を生かし、短所を補い、ともに高めあう共同生活だと思うようになりました。私は猪突猛進するタイプですが、妻は慎重で上手に手綱を引いてくれます。一人の方が自由とは思いますが、淋しがり屋のわたしはそばに癒してくれる妻がいてほしい」(奈良県葛城市・秀興56歳)。

《別のデータからも、‘結婚しない派’を考えてみたい》
総務省統計局の「国勢調査」(2000年)から
♦「45歳〜49歳」と「50歳〜54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人)を算出したものを『生涯未婚率』。50歳時未婚の人は、将来的にも結婚しないとも考えられることから、生涯独身を通す人がどれくらいいるか、を示す統計資料として使われる。1950年からを5年刻みで捉えたものがある。
   
      性別生涯未婚率
  年次    男      女
 1950年  1・46%  1・35%
 1960年  1・26%  1・87%
 1965年  1・50%  2・52%
 1970年  1・70%  3・33%
 1975年  2・12%  4・32%
 1980年  2・60%  4・45%
 1985年  3・89%  4・32%
 1990年  5・57%  4・33%
 1995年  8・99%  5・10%
 2000年  12・57%  5・82%

男性の未婚率は急激に高くなっており、今後の晩婚化や、非婚化の増加により、数値は一層高くなることが予測される。これは今現在、日本が抱えている少子化問題の直接的な原因ともなっている。未婚化の進行を年齢別に見ると、少子化の過程では晩婚化に伴って20歳代〜30歳代にかけての未婚化が著しく進んでいる。女性の20代後半では、1970年〜2000年の間に18%から54%へと3倍にも増え、半分以上が未婚者となっている。男性にも未婚化が進み、30代前半では同じ時期に12%から43%へと、3・6倍にもなっている。当然これらの年齢層では、結婚する人数は減少しており、出産も減っている。

 年齢別未婚率の推移(2005年国勢調査)
   人口統計資料集から(社会保障・人口問題研究所)
       <25歳〜29歳>  <30歳〜34歳>
  年次    男    女    男    女
 1950年  34、3  15、2   8、0  5、7
 1955年  41、0  20、6   9、1  7、9
 1960年  46、1  21、7   9、9  9、4
 1965年  45、7  19、0   11、1  9、0
 1970年  46、5  18、1   11、7  7、2
 1975年  48、3  20、9   14、3  7、7
 1980年  55、1  24、0   21、5  9、1
 1985年  60、4  30、6   28、1  10、4
 1990年  64、4  40、2   32、6  13、9
 1995年  66、9  48、0   37、3  19、7
 2000年  69、3  54、0   42、9  26、6
 2005年  71、4  59、0   47、1  32、0
                (単位 : %)

1970年代後半からは男女各年齢層とも急激な未婚率の上昇を見せ、2005年には、30歳代前半の男性で、未婚率は5割に近く、女性20歳代後半には未婚率はおよそ6割にもなっている。

最後にアンケートの中から特異の立場からの結婚観を。
「わたしは性同一性障害です。今の日本では性転換をしない限り、同性での結婚は認められていません。結婚なんてただの紙切れ一枚、ただの制度だと思っております。しかし紙切れでしかないというものの、家庭を持てる、一生いっしょにいるという約束ができるという点では、結婚はいいものだなと思います。わたしたち同性愛者にとっては、結婚はしたくてもできないものです。制度があること、結婚という形式に甘んじることなく、末永く結婚生活をまっとうしてほしいです」(住所不明.匿名)。
   

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コメント

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投稿: TownsendLoraine21 | 2011年7月15日 (金) 20時48分

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