流行 スパッツ
spat(s)はもともと靴の甲かけのこと。しかし、現在は女性が多く好んで着用していて、男の股引のような着用のされ方だ。男ならズボンの下に隠して着用するが、女性は堂々と人の目に曝す。
「暮らし豊かに・・」東京ストリート時装、もっとすてきに!、ほどよくセクシー、原宿で。全身が写された乞食スタイルのスカートとズボンの二人連れと、スカートから覘く股引を履いた足元を撮られた別の女性一人。キャッチフレーズのようなセクシーさもなければ女性らしさは、どちらの写真からも微塵も見受けられない。
押し入れの奥から引っぱりだしてきたようなボロを何枚も重ね着し、見苦しく染めた不揃いの髪を垂らし、頭には鳥打ち帽を載せ、下着の覘くジーパンの足下はよれよれのルーズソックスが巻き付いている。連れの方はと見れば、これまた染めた髪の上からうず高く巻き付けた襟巻で、不似合いの眼鏡を掛けた顔半分が隠れ、首に巻き付き、紐だらけの上着を着て、ポケットに詰め込んで飛び出した何本もの紐(ストラップに非ず)をぶら下げたスカートの下に、皺だらけの股引を履いた足は、O脚がなお目立つ内股にして、二人並んで紙袋の中の食い物にかぶりついている。何処から見ても反吐が出そうな見苦しさだ。足元だけが写っている女性は全体像が解らないが、スカートの下にまたスカートが覘き、足首にレース飾りの付いた股引だ。
これらの記事を書いた伊藤忠ファッションシステム・コンシューマーアナリスト(あっ、この名前、以前にも取り上げたことがあった)の表現を借りるとこうなるから驚きだ。
《写真下の20歳の学生さん(足元だけ撮られた女性)は黒のスパッツのすそに紫のレースがついている。トレンチコートからのぞくシフォンワンピースのプリントの一色にも紫が使われている。その女性は「タイツは蒸れるし、着脱が結構面倒。その点スパッツは快適だし、夏場は足の無駄毛処理をし忘れた時にも便利」「無地ものからひょう柄まで20本は持っている。組み合わせるものの色目やデザインによってコーディネートしている」と話した。その一方では裾がクシュクシュしたスパッツは、ギャルを思わせるためはかない。ちょっとしたシルエットの違いにも敏感に反応し選択をしているようだ、となる。
続いて二人連れ「履くならスパッツかロングソックス。タイツなら柄物。今年は無地タイツの気分じゃない。レッグウオーマーを会わせるなど、人と同じにならない工夫をしたい」など、便利なものから一歩抜け出し、気分を左右するひとつのファッションアイテムに昇格している様子が窺われる。》となる。
私の美的センスがおかしいのか、どう見ても襤褸が歩いているようにしか見えない。確かに絵画の世界にピカソが現れた時代、それまでの写実的な古典調からシュールレアリズム、抽象派、ブラックやグリスらと挑んで確立した立体派(キュービズム)があるように、ファッション界の波なのかも知れないが、それにしても余りにも汚らしい。
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