企業内保育所
これも毎日新聞(11/27)から
何度か紹介して来た“上田理恵子(「マザーネット」社長)が担当するサポートします”コラムで触れている。会社内に保育室を置く企業が少しずつ増えている、と。
通勤に便利なだけで小荷物同然に扱われている一時預かり所のような託児所の育児方法に、家族破壊の根源を指摘し、ブログ開設以来、早くから問題提起して来た。遡れば香港から日本の歌謡界に登場し、「ひんなげしの はながー」と特徴的だった大きな犬歯を見せて可愛く歌ったアグネス・チャンが、その後大人になり、結婚、出産して子育てを始めた頃、実らずじまいではあったが話題を撒いた論争があった。ことはアグネスが乳飲み子を抱えてテレビ出演したことから始まった。(1988年2月9日)
最初に噛みついたのが時の歌謡界の大御所、淡谷のり子であった。これを切っ掛けにした所謂『アグネス論争』なるものだ。この問題は当時のページを参照していただければよいが、今回は、今年4月に「元気の木保育室」を併設(開設)した総菜製造・販売の「ロック・フィールド」(本社・神戸市)の話である。
安藤忠雄氏の設計による保育室は本社屋に隣接しており、1階ロビーからも保育室が見えるので、就職活動中の学生の間で評判になり、社員採用でも効果が出ているようだという。定員は30人で、現在は本社や工場勤務の社員の子どもたちが11人通っているそうだ。
企業内保育の利点として幾つか出ているが、18年前に起こった論争のようなものは見当たらない。企業内であろうと、育児は、だからこそ一層女性に押し付けられる、といような懸念を伺わせたが、時が、時期尚早であったのだろうか、それとも男には言っても結局は同じこと、ならいっそのこと企業内でも育児ができれば、まっいいか、となったのだろうか。
1. 急な子どもの発熱にも社内電話で連絡ができる
2. 昼休みに駆けつけることも可能
3. 朝も従業員用送迎バスで子どもと一緒に出勤が可能
そのバスの中では会話も弾む
などの項目が並ぶ。雨の日には子どもたちがオフィスの中を散歩ができるよう配慮されているらしい。
企業内保育室の開設と維持には、かなりの費用がかかるため、企業にとっては勇気がいるでしょう。中小企業を支援するため、企業内保育所の設置費用を低利で貸し出す融資制度創設の動きも出ているようです。と紹介しておいて、私の会社でも、と持ってくる、抜け目ないな。
マザーネットのような中小企業が、優秀な女性社員を確保するには、小さな子どもがいる社員でも働きやすくすることが不可欠だ。このためパート社員には、子連れ出勤ができるようにしたり、子供の昼寝用の部屋も設けましとさ。自分の会社で働くママ社員のニーズをしっかり把握し、どうすれば彼女たちがいきいきと働けるかを考え抜き、企業としてどんな支援をするかを決定して欲しいと思います、と結んでいる。
上の3つばかり上げられている中でも、時に起る発熱や怪我などよりも、毎日の母親(ロックフィールドの場合)と乗るバスの中で交わす会話の大事さは、他の利点と言われるものの何十倍も大きい。或いは会話を交わすことのできない乳幼児なら尚更だ。揺れる乗り物の中で、しっかりと抱きしめ、お互いの顔を見つめあい、心通わすことのできる至福の時が持てるのだ。一時預かり所に急いで放り込んで、そそくさと職場に向かっては、愛情の交換さえままならない。何度も書いてもきたから、これ以上繰り返すことをしないが、家にいる時間だけ猫可愛がりしていては、情緒不安定な子になっても仕方ないことだ。
身近において、しっかりと母乳を与えられる母は、こぼれる程の惜しみない愛情を注いでやって欲しいものだ。
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