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2006年11月16日 (木)

何とやわに

14日の午後9時ごろ、新潟県神林村福田の民家の納屋で、村立平林中学校(勝間修二校長、生徒数121人)2年の男子生徒(14)が首を吊っているのを母親が発見し、119番通報した。男子生徒は病院に運ばれたが、間もなく死亡が確認された。遺書は見つかっていないが、男子生徒は同日、同級生にズボンと下着を下ろされ、周囲に「死にたい」などと話していたという。

同日午後の掃除時間中に、複数の生徒が見ている前で同級生の1人にズボンなどを下げられ、その後の授業は泣きながら受けていたという。異変に気づいて声を掛けた担任教諭には「大丈夫」「魚が釣れないから」などと答えてはぐらかしている。男子生徒は午後5時半ごろ、同級生3人と徒歩で帰宅。その途中に彼らに「死にたい」などと洩らしていた。同6時半ごろに夕食を食べた後、行方が分からなくなっていた。

同日の放課後の委員会や部活動にはいつもどおり参加していた。同校ではふざけてズボンを下げる遊びがはやっていた。男子生徒はこれまでにも、2、3回、同級生にからかわれるなどしたという。勝間校長らは15日未明と朝に男子生徒の自宅を訪れたが、その時にはズボンを下ろされたことなどは、遺族に説明していなかった。

勝間校長は「優しくてコツコツ努力するまじめな子で、挨拶もよくしてくれた。誠に痛ましい事件で厳粛に受け止めたい」としながらも、「ズボンを下げられたことがいじめに当るのか、自殺との因果関係も含め時間をかけて判断したい」と述べるにとどめた。

同級生は「2人は仲良し。ふざけ合っていたのだと思う。信じられない」と話す。2人は小学校も同じで親友だったという。男子生徒はズボンを下ろされた際、泣きながら同級生に「消えろ」と呟いたという。同級生は放課後、「僕がやりました」と名乗り出て謝ったという。同級生は15日、学校を休んだ。

亡くなった子の祖父(80)によると、男子生徒は14日夜、家族で食事をした際は、変わった様子はなかったという。

上の一連の事件をいじめととるか、遊びととるかは難しいところだ。近ごろの幼稚園では男の子、女の子どうしの好きだ、嫌いだは普通に口にされ、抱き合ってのチューさえ保護者はにやにやしながら眺めるだけだ。昔のスカートめくりはどうなったのだろう。こちらには保護者は目くじら立てるが、チューはにやにやだ。時代の違う私の幼稚園の頃の遊びは、「お山の大将、おれ1人 後から来るもの突き落とせ」で男の子は強さを競った。

女の子の遊びは知らない。長じて男の子は、ズボンを下ろしては逃げ、下ろしては逃げ、何時誰が下ろされるか分かったものじゃなかった。皆ひとかどの少年になるための、通過儀礼のようなものだった。その最後が修学旅行だ。賑やかな枕投げの後は、夜、皆が寝静まったころを見計らって、ガキ大将を先頭に真っ暗な中を蒲団を剥ぎ、次々に下半身をむき出しにして逃げた。ただ、今回のような中学生になってもこのようなことをやっているような幼稚なバカはいなかった。

私の時代、中学生になれば精神は立派に大人の仲間入りだ。格好だけであってもよかった。義務教育でなかったこともあったかも知れない。難しい書物に目を通し、入隊、やがて赴く戦場のことを考えた。武士道とは・・。しかし、すぐに敗戦を味わった。

当世の中学生の何と軟弱になったことだろう。襁褓もまだ取れていないようだ。本人がそう感じたら、それはそれでいじめ、だという。昔は町中に銭湯というものがあった。銭湯と散髪屋は男にとっても女にとっても市民文化の中心だった。良きにつけ、悪しきにつけて町中の情報が手にとるように集まった。そこでは大人や爺さんたちの会話を聞きかじり、子どもも情報を豊かにして行った。街では名の知れた人も、身に着けたものを丸ごと剥いで素っ裸の付き合いをした。今は皆、自宅に風呂を持ち、完全な密室文化の生活に変わった。極々小さな自己中心の世界を作り上げ、他からの干渉を受けつけず、世間のつながりを自らが絶つ。そこからは人間的なつながりが無くなってもちっともおかしくない。家庭での会話もなくなった現代社会では、子どもに引き継ぐべき大人の知恵はほとんど伝わらないのが実態だろう。打たれるとすぐに折れる子が増えた。躾けを放棄し、叱ることのできない親の下で、甘やかされ、踏まれて育つ麦のように、力強い男の子が少なくなった。自分の子だけが正しくて、他は皆敵、教師も校長も、学校も、教育委員会もものの数ではない。保護者が天下を取っている。

今回の事件、私にはいじめとは映らない。小学生時代からの仲良しの友だちだ。単なるふざけ合いの範囲だ。そのために相手の少年は自分がやったことを認め、教師にふざけ過ぎを謝っているのだ。心配はこちらの子だ。翌日学校を休んでいる。自分の軽はずみな行為が引き金になって、いつも一緒にいた友人を失ったショックだろう。校長は、自殺と少年の行為との因果関係を調査する、というが、残った方の少年のケアも忘れないで欲しい。生涯立ち直れない負い目を背負うことになることも考えられるから。

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