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2006年10月29日 (日)

国会議員のJR無料パス

毎日新聞(10/29)から
新聞社が何を今さら、という気がするが、こんなことは何年も前から何度となく取り上げられて来た話題だ。特に安倍が新総理についた最初の記者会見(9/26)で自らの給与3割、閣僚の給与1割をカットする、と発言した時、新聞社なら即座に食い付くべき話題であった筈だ。不肖私は1ヶ月前のブログ(参照)で手厚い憲法下での保護されている特権に触れた。安倍の3割にしろ、閣僚の1割にしろ、期限付きか退職までか不明ではあるが、彼らにとっては屁でもない金額だ、只の売名に過ぎず、人気を集めるだけのパフォーマンスに過ぎないことを指摘した。

「毎日」が取り上げたのは幾つかある特典の一つJRの無料パスだけだ。後は小出しにするつもりかどうか解らないが、それにしても、それに係わる国民の税金の額の計算に一ヶ月も掛けたのだろうか。『ノーチェックで5億円』と大書した。

無料パスは国鉄時代には、国鉄側の持ち出しだったが、87年にJRが発足して以降は、衆参両院から貨物を除くJR6社にパスの購入費が支払われている。05年度の支払額は衆院から3億2734万円、参院から1億7377万円で、ここ数年は大きな変動はないという。

無料パスの利用方法に付いて、駅か旅行代理店で指定券を予約する場合もあるが、「パスを改札で見せて新幹線の席に適当に座っている」(衆院議員)という人もおり、実態把握はきわめて難しい。衆参両院も職務のために利用しているか確認はしていないのが実情のようだ。

JR各社への支払額は各社間の調整で決められるが、毎日新聞の取材にJR北海道は「過去の実績から想定される額」、JR東海も「利用実態に見合った適正な金額」と回答したが、JR西日本は「実際の利用状況とかけ離れている可能性もある」と話す。

一方、JRパスと並行して支給される航空クーポンは、東京と選挙区との往復に用途が限られ、使用しなかった分は返還しなければならない。(当たり前のことだ!)

現職時代、うまい汁を吸った元無所属参院議員の紀平悌子の話が載っている。
「経費がどれだけかかっているか調査した上で、国民が納得するルールを作るべきだ。議員活動に必要な経費は払っていいが、公務外などは自費で賄うべきだ。この問題が、議員間で近年ほとんど議論されていないのもおかしい」とおっしゃる。

古くは、お上、と敬われたお偉いお方たちのすることは、「お上のなさることだから」と、もの言えぬ立場にあった国民も、選挙権を獲得し、自分たちのために働いてくれる代表として国会の場に送り込んだ筈だ。なのに前世紀の遺物の風習が抜けきれず、お上意識は拭い取れず、いつまでも“偉い人”として仰ぎ奉る。それに、選挙民から選挙民の代わりに使い走り役を任された側も‘センセイ、センセイ’でふんぞり返る。この構造は100年前も今も変わったようには見えない。

この世界、父親が死んだからって右も左も解らない娘が代わりに出て来ても勤まり、おじいちゃんがそうだったから、おとうちゃんがそうだったからで勤まる程度の連中の集まりだ。大きな期待をするから腹が立つ。若い頃しきりに飛び交った言葉(ドリス・デイの歌の題名)があった。何事もなるようになるさ、ケ・セラ・セラだ。

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