出生数 6年ぶりに増加
以前ブログに書いた。出生率が上がった、と喜んだ少子化担当大臣さまの言葉に「そんなものは瞬間データのぬか喜びに過ぎない」と。しかし、どうやらここ数カ月だけのことだが、本当に増加したことがデータに表われたらしい。
毎日新聞(8/22日)から
厚生労働省は8月21日、ことし上半期(1〜6月)の人口動態統計速報をまとめた数字を発表した。出生数は前年同期比1万1618人増の54万9255人で、上半期ベースで00年以来6年ぶりに前年を上回った。同省はその原因を、雇用の改善傾向に伴う結婚件数の増加や人工中絶数の減少にあるのではないかと分析しているようだ。
05年に1・25と過去最低を更新した合計特殊出生率は、97年以降前年割れ・横這いが続いているが、06年は9年ぶりに上昇に転じる可能性が出てきた。06年の月別出生数を前年同月と比べると、
1月は前年を下回ったが
2〜6月は5ヶ月連続で増加している。
5ヶ月連続して増加したのは00年の8〜12月以来5年半ぶりになる。この時は、6ヶ月目に減少に転じているが、06年の下半期(7〜12月)の出生数が前年のペースを維持すれば、06年通年の出生数も00年以来6年ぶりに前年を上回ることになる。
数字が好転の兆しを見せたことで、いつものように楽観的だが、相変わらずの他力本願の言い回しだ。たかだか半年そこらの短い期間のデータをそれほど深読みしてもいいものか。言うほど雇用の改善が進んだか、中絶が減少したか。その前に大臣が就任以来少子化対策として、苦肉の策をいろいろと打ってきたが、そちらからの効果は何も生まれなかったということなのか。
政府が言うには、出生数が増加に転じた背景として、厚労省は景気回復に伴う雇用者数の増加をあげている。男性の雇用者数は05年6月以降13ヶ月連続で前年同月を上回っている。これを追うように結婚数も05年後半から増え、06年上半期は05年同月比1万936組増の36万7965組となった。上半期ベースで結婚数が前年を上回ったのは6年ぶりになる。
05年の出産1000件に対する死産率は、自然死産が12・3で04年比0・2ポイント減に対し、人工中絶によるものは16・8で0・7ポイント減少している。同省は「仕事が見つかって結婚に踏み切った人や、中絶しなくとも生活できると判断した人が増えているのではあいか」と見ているようだ。
実際には05年は人口の自然増加数(出生数ー死亡数)がマイナス2万1408人となり、人口の減少時代に突入している。06年上半期の自然増加数は依然マイナス1万4827人だが、05年に比べるとマイナス幅は1万6207人縮まった。しかし、05年通年で自然増加数がプラスに転じるかどうかは依然微妙なところだ。
この記事の3日後の25日、出生率3・14の日本一の多産の沖縄県・多良間島(多良間村)の記事が載った。ここは宮古島と石垣島のほぼ真ん中に位置する亜熱帯気候に属する人口1370人(05年国勢調査)の島だ。鹿児島までの距離よりも、遥かに間近にあるのが台湾だ。珊瑚礁が隆起してできた平坦な島内には、基幹産業のサトウキビ畑や肉用牛の放牧場が広がる。牛の数は人口の数の倍はある3709頭、ヤギも多い。「3・14」は98年から02年までの5年間平均。市区町村別で全国一位であるという。
「子は宝」が生きている。 --- つづく ---
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント