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2006年9月18日 (月)

こんな裁判あり?

毎日新聞(9/16)から
「時節柄 刑軽すぎ」として酒気帯び運転で死亡事故を起こし、業務上過失致死と道交法違反の罪に問われた大阪府内の内装業の男に対し、大阪高裁は14日、懲役1年とした1審・大阪地裁判決を破棄して懲役1年6月を言い渡した。

白井万久裁判長は「やはり時節柄というか、そう簡単には済まされない。1審の刑期は軽すぎると言わざるを得ない」と付言した。被告側は、福岡市で幼児3人が死亡した運転事故後の厳罰化の流れが量刑に影響したと見ており、弁護人は「世論に左右されるのはおかしい」と話している。

弁護人の言うことは当然で、最近の飲酒運転事故の乱れ振りには怒りを覚えるが、そして、世論も何時になく激しい憤りを上げているが、だからと言って裁判官の匙加減、気分一つで地裁の下した判決に変更を加えるのはおかしいのではないか。

判決によるとこの事故は、05年10月21日午前7時10分ごろ、同府豊中市内を軽トラックで走行中の男(35)が、安全確認を怠ったまま車線を変更。後続のバイクを転倒させ、男性(当時45歳)を死亡させたものだ。男は未明に500ミリリットル缶の発泡酒を3本飲み、3時間ほど寝たあと、運転していた。

白井裁判長は量刑理由で、男に違反歴があることなどを上げ、判決理由に続いて「(飲酒運転は)最近、非常にやかましく取り上げられており、厳しく責任を問われる」と述べている。

大阪地裁は今年2月、懲役2年6月の求刑に対し、男に懲役1年の実刑を言い渡していた。被告側は刑が重すぎるとして、検察側も量刑を不当として、控訴していた。

弁護人は「こういう時期でなければ執行猶予がついた事案だろう。裁判官は人権の砦であり、世論に判断を左右されるのはおかしいのではないか」と話している。

その通りだと思う。判決の多くは裁判の長い歴史の中から、似たような事件の判例を参考にしていることは事実だが、裁判長の腹一つで地裁判決に変更を加えた例は恐らくないと思う。私もブログの中で飲酒運転に対する憎悪を書き連ねているし、少なくとも現行法の生温さには歯がゆい思いをしている。罰金刑の最高額を500万、1000万円にするべきだ、とも書いている。現行のような抜け道が残されているような法律では、飲酒による死亡事故は絶対になくならない。一滴でも飲んでいる運転者には容赦ない罰を加えるべきで、運転免許の再取得が許されるなど論外だ。まして轢逃げによる死亡事故には殺人事件相応の終身刑の適応も検討するべきだとも考える。酒を飲むのは自由、だがそのために起した事故のけじめをつけるのが“責任”という自由の本質なのだ。それができないなら始めから酒は飲むべきではない。それこそが若者たちの好きな言葉「自由」なのだ。裁判長は、言い訳をし、自己弁護するような“世論”を持ち出すべきではないのだ。自己の信念で下した判決なら言い訳は要らない。この判決では小学生レベルの「みんなが、そう言うから」と何も違いはないだろう。

付言するなら、現行法の不備や限界を言い、今後もっと厳しい法律の施行を促すべきだと思うのだが。

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