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2006年9月15日 (金)

長野・中央道多重衝突

「魔の急カーブ」「毎月のように事故」「長いくだり坂、距離感つかめず」「下り坂カーブ 雨でスリップか」「20台追突 4人死亡」など、紙面に書かれたドキッとさせられる大きな文字。

 昨14日、未明の午前1時ごろ、当時、雨の降る中、長野県阿智村の中央自動車道で、奈良県生駒市の坂口哲男(50)が運転する大型トラック(25トン)が運転する事故を起して横向きになり、そこに後続のトラックや乗用車など20台が次々に追突した。同県警高速隊などによると、この事故で4人が死亡、10人が重軽傷を負った。現場は急な右カーブで、今回の現場付近は01年6月にも、車がスリップし、2人が死亡、04年には7件、05年にも6件の事故が起こっている。都度、特殊な鋪装や照明が装備されて対策は取られていたというが、5年間に41件の事故が起こっており、高速道路にしては急なカーブであった。カーブの曲がり方は半径が300メートルで下り勾配も5%ついている。中央道の制限速度は80キロだが、現場付近は70キロに規制されている場所だ。

しかし、「毎月のように事故」とのんびりしていていいものか、それが分かっていて放置した結果が5年間で41件の大きな事故になっているのだろう。事故の起こる度に対策は施したように見えるが、抜本的な対策にはなっていない結果だ。というよりはもっと根本的な問題があるのではないか。狭い国土の、これ又狭い平地を縫うようにして走らせる高速道路、どうしても曲がりくねったものになるのはやむを得ないだろうが、人の命を載せた車が走る道路だ。なによりも人の命を優先した設計でなければならないと思う。このように特定の場所に集中して事故が発生することは、そこに人為的なものだけでない何等かの欠陥があるということではないだろうか。半径を現在よりも少しでも大きく取る、勾配を小さくする、などの対策を取ることは不可能なんだろうか。現在のままでは欠陥を抱えたままで、これからも繰り返し起こる事故の数を数えるだけになりそうだ。これでは欠陥マンションを設計した姉歯と、建物を造ったヒューザーの関係と変わらない。マンションの方は幸いにも倒壊するほどの大地震には見舞われず、死亡する人も出ないうちに対策がとられているが。

長野・中央道は、今回の新聞の見出しのように「魔の急カーブ」「毎日のように事故」「死亡○○人、重軽傷△△人」「雨でスリップか」などと書かれるだけなのだろうか。

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