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2006年8月28日 (月)

夏休みと最後の日曜日

残すところ数日になった夏休み最後の日曜日の27日、あちこちで水難事故が発生している。
毎日新聞(8/28)から、川や海で起こった事故は3人の死亡、六人が行方不明となっている。

午前10時半ごろ、神奈川県三浦市初声町三戸の三戸海岸で、家族ら14人と浜辺でバーベキューをしていた川崎市幸区の建設業、富山利彦さん(36歳)の4男楓矢斗ちゃん(5)が溺れ、午後0時半ごろ死亡した。
また、午前11時班ごろ、三重県松阪市山添町の櫛田川の中州で、鮎釣りをしていた同市櫛田町の無職、脇田孝さん(78)が、釣りを終えて約100メートル離れた岸に戻る途中、増水した川に流され行方不明になった。一緒に渡っていた息子の克久さん(44)は、県警のヘリコプターに救助された。
このほか、死亡は京都府1人、高知県1人、行方不明は宮城県2人、千葉県、愛媛県、沖縄県、沖縄県でそれぞれ1人ずつ出ている。

夏休みに入って間もなく、埼玉県ふじみ野市のプールでの女児死亡事故もあって、不自由が発生して多くの水遊びの場所がどうしても、海や川に移動せざるを得ない状況があった。警視庁が23日、お盆の時期(11〜17日)の水難事故の状況を発表した。それによると、死者数は77人に上り、前年同期よりも32人も増えていた。全体の発生件数も169件で71件増えていた。警視庁は「全国的に天候に恵まれ、海や川へ出かけた人が多かったため」とみている。

同庁によると、水難者数は215人(前年同期比92人増)で、そのうち中学生以下の子どもは53人(同16人増)。行方不明者は4人、負傷者は43人、無事に救出されたのは91人だった。死者77人のうち子どもは13人で前年同期よりも8人増えた。

7月1日まで遡っての累計では発生件数が435件(前年同期491件)で死者数は223人(同258人)といずれも減少した。7月中は梅雨が長引き、海や川への人出が少なかったためとみている。

夏休み最後の日曜日は27日だったが、二十四節気で生活をしていた頃の子どもたちは、もう夏休みの終わる頃には海には行かなかった。お盆も過ぎ、土用波*が押し寄せ台風の来るシーズン、二百十日**が近くなると、海が荒れることは誰もが知っていた。およその見当だったが8月15日を過ぎると海辺は閑散として泳ぐ人は自然にまばらになって行った。今のようにサーフィンは未だ誰も知らなかった。モーターバイクもなかった。

*土用波 南方洋上にある台風や低気圧から寄せてくる波のうねりのこと。高い波や低い波が総合されてできる波は、天気が穏やかな時でも1000に1つは通常の波の2、3倍の高さの波が現れる。普通に次の波が寄せてくるまでには7〜8秒かかる。そう考えると1時間半から2時間に1回は高い波が寄せてくることになる。このシーズン、波の被害にあった当事者たちは、決まったように「突然高波に襲われて」「急に波が」など言うが、至極当たり前の現象で突然でも急にでもないのだ。

嵐が来るから、或いは荒れているから、と言われても無視して沖へ出て命を捨てる、或いは酒を喰らって飛び込んで溺れる、こんなのは幾ら死んでくれても構わないが、遊泳中の子どもや人を巻き添えにすることは赦されない。

**二百十日 立春から数えて210日目、毎年9月1日の頃。台風襲来の特異日とされている。
  昔ならった、小学4年生の唱歌 『ゐなかの四季』
 麦を刈った後、田植えを済ませ、夏の成長期を過ごした稲の収穫に、台風の影響のないように、祈る3番の歌詞にはこう歌われる

  二百十日もことなく済んで、
  村の祭の太鼓がひびく。
  稲は実がいる、日和はつづく、
  刈って広げて 陽に乾かして
  籾(もみ)に仕上げて 俵につめて、
  家内そろって 笑顔に笑顔。

自然のうつろいを知り、米の生産行程を学び、歌うことで自然から学ぶことが増えて行った。この他にも八朔、二百二十日という刻みもあり、農家にとっての三大厄日とされている。

毎年々々繰り返される水難事故だ。海で遊ぶのもいい、川で泳ぐのも、魚を捕るのもいい、現代人はもっと自然を知り、自然を恐れることを学ぶことが必要ではないだろうか。

現在猛烈な台風12号が南の洋上ミッドウエー諸島近海に発生している。まだ進路は不明のようだが、二百十日の9月1日が来る。日本に向かうこともあるだろう。

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