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2006年8月15日 (火)

「心の問題」

《鼬の最後っ屁》のように小泉は靖国へ行った。頻りにテレビでもコメントしているように、国益に関する公約は守らなくても、彼一人のこころの問題が優先するようだ。

毎日新聞(8/15)に興味ある記事が載っている。小泉が日頃口にして来た“感激した”対象に、ある1冊の愛読書がある。旧ソ連のシベリアに9年間抑留され、その地で亡くなった山本幡男さん(45歳で病没)が遺した遺書を、当時は物品の落ち出しが禁止されていたため、仲間たちが分担して記憶し、日本へ引き揚げた後、遺族に伝えた実話をもとにした本である。書名「収容所から来た遺書」である。当時、何次にも亘って舞鶴港へ入港する船から日本の地を踏む抑留者たちの口から、強制収容所をラーゲリと言うロシア語で教えられ、今のアメリカ横文字のような流行語の感さえあった。

著者の辺見じゅんが1989年に書いた同書には戦争で運命を狂わされてもなお、病没するまで前向きに生きた山本さんの生き方が、共感を集めたものであった。国会の予算委員会でも「感銘深く読みました。平和のありがたさをかみしめた」という小泉に、山本さんの長男で、元立教大学教授を勤めた顕一氏(71歳)は、「一個人の『心の問題』はさておき、世界全体の平和を目指すという高い理想を持って行動されることを、望んで止みません」と語っている。

顕一氏は子どもの頃、父と暮らした旧満州(現在の中国東北部)で、日本軍の非道な行為を目の当たりにしていた。戦友が日本まで運んでくれた顕一氏ら4人の子どもたちへの父の遺書には「君たちは光輝ある日本民族の一人として生まれたことに感謝することを忘れてはならぬ。」「人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するという進歩的な理想を忘れてはならぬ」などが書かれてあり、顕一氏は「真の愛国者とは、利己的な国家主義者ではなく、世界の中で自国の良きあり方を考える人間をさすのでしょう」、と受け止め、「英霊として合祀された靖国で、父の霊はどんなに居心地の悪い思いをしていることか」という。また、それだけに、「相手が敏感であることに、こちらが敏感なのは問題だ。父の本に感動したという首相が、なぜ、問題を孕んだ靖国の参拝に固執するのか」と嘆いている。

小泉は靖国から戻って記者たちに思いを語った。しかし、こと新しい思いは何一つ言えなかった。中国や韓国がどう見ようと、それはどうでもいい。そんなことは聞きたくない。要は安っぽい彼の‘こころ’のうちのことで、単なる「感激した!」レベル以上の‘人間’ではなかったということだ。

参照「首相のこころ」06/01/08

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