子どもと過ごす時間
「ぎゃーっ」「きゃー」「ママ、ママ!」「うわーん」「だめ!」「いやだいやだ」「きゃー、きゃー」おお騒ぎしてぱた、ぱたと走り回るガキども。「これ、これ、これがいい」2、3歳の女児が商品の横に座り込み、その商品のパンを潰れるほどの勢いで叩き続けている。きゅっ、きゅっと鳴るサンダル。スーパーが撒いた安売りのチラシに呼び寄せられた主婦たち。老夫婦が店に寄った午前10頃からのおよそ1時間のあいだ。いつも以上の大音量で鳴らして天井から降り注ぐ店のテーマ音楽(?雑音)。学校が休みとあってはたまったものでなない。学級崩壊させる程の力を備えたガキどもが加わっての大騒ぎになっている。今更驚くことではないが、躾けに気がつく利口な親がそろそろ出て来てもいいと思う。躾けに厳しい明治生まれの両親に育てられたせいか、だらしない親子をみると我慢ならない腹立たしさを感ずる。買い物に出るたびに目に余る光景に出くわす。今までに何度書いてきたことか。
「スーパーは子どもの遊び場か」 05/08/12
「スーパー、レストランで」05/06/11
毎日新聞(8/2)から
昨年の10月にも同じ財団法人 日本女子社会教育会が1995年に実施した「家庭教育に関する国際比較調査」が発表されている。今回の2005年版との比較をしてみよう。
《父親が子どもと一緒に過ごす時間》
1995年 2005年
タイ 6・0 5・9
アメリカ 4・88 4・6
韓国 3・32 2・8
スウェーデン 3・6 4・6
イギリス 3・32 ー
フランス ー 3・8
日本 3・32 3・1
《母親が子どもと一緒に過ごす時間》
1995年 2005年
タイ 8・06 7・1
アメリカ 7・44 7・1
韓国 8・4 7・1
スウェーデン 6・49 5・8
イギリス 7・44 ー
フランス ー 5・7
日本 7・44 7・6
日本の働く母親だけで子どもと一緒に過ごす時間のデータを採れば、おそらく父親とさして違わない短い時間になることは予想できる。フルタイムで働いていれば、多少差はあっても父親並みにはなる筈だ。男性と同じように、母親がフルタイムを求めれば求めるほど当然子育てに係わる時間は短くなる。各国の女性の就労率(或いは専業主婦の)が比較できて、日本の実態が正しい比較の中で論じられよう。
新聞は、父親と母親との前回比を棒グラフで示し、他国と比べて男女の時間差で、日本が最大であるとしているが、何の意味もない。他国の雇用形態も分析して見た上でなければ棒グラフを並べてみても何も出て来ない。故意に他国の男性と比べて、日本の父親が子どもとの接触時間が短かいことを強調させようとする下心にしか映らない。男の職場の厳しさは、サービス残業を含め、ストレス、ノイローゼ、鬱など過労死を覚悟の仕事が増えている。ますます子どもと一緒に過ごす時間など減少する傾向にある。何度もブログに実体験を書いて来たが、私の休日は休養に当てるために存在した。家族サービスどころではないのが男の職場だった。
男女雇用機会均等法が作られても尚、生理休暇は認められ、女性の特権を所有したままだ。深夜労働が厳しくて、ストレスや月経痛がひどいからとて泣き言を言うことはない。確かな男女差があることを解った上の機会均等法の成立を願ったのだから。ストレスは男性にだって山とある。折角勝ち取った機会均等法だ、どんなに厳しくてもやり抜いてこそ意味はある。それともやはり無理だったって女性の特権を武器に開きなおるか。
それでも私の知るかぎり、家庭サービスに励む父親は私の世代では考えられないほど確実に増えている。だが、前回と比べて「子どもと接する時間が短い」と悩む父親は27・6%から41・3%に増えており、同財団法人は「子どもにもっと接したいのにできないという意識の表れ」と受け止めている。また、子どもを狙った犯罪や生活を反映してか、子育ての悩みや問題点として「子どもの身の安全」を挙げる親が33・8%から46・9%の増加した。
肝心の躾けの面では5歳で「行儀よく食事ができる」割合が日本69・3%、韓国70・8%で9割前後の各国に比べると如何に日本の家庭の躾けがなっていないか、日常の生活の中でも窺うことができるが、そのままデータにも表れている。「日常の挨拶ができる」の項でも日本は83・0%で最も低く、15歳で「マナーを守ることができる」も9割台の各国に比べ、日本は85・8%と最低だ。社会のルールが守れない現在の日本の親を、そのまま子どもが写し取っている。同財団法人は「全体的に躾けの達成度や子どもの自立が低い傾向が見られる」と分析しているが、核家族から来る家族制度の崩壊が、その多くの原因となっていることに、早く気づくべきだ。
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