K2登頂成功
8月1日、東海大学K2登山隊による登頂成功のニュースが伝わって来た。中国とパキスタンの国境、カラコルム山脈に聳える世界第2位の高峰「K2」(8,611メートル)の難しいコース、南南東支援ルートからの登頂だったという。二つの‘初’を冠する成功《日本女性で初、男性最年少(21歳)》となるそうだ。
気になることがある。世界遺産の登録も認められない汚れた山、富士山。野口健氏の呼び掛けもあり、徐々に綺麗にはなっているようだが、世界に名前の知れた山で最も汚い山、と評価されて見送られた。現在日本の世相を映してマナーの悪さは図りがたい。昔どおり信仰の山でなければならないとは言わないが、私が登山をしていた頃には山を汚さないために、日本の山程度は何日か前から体調を整え、当日下山の予定なら、入山中には排泄の心配のないようにしていた。勿論富士山とて同じことだ。下山するまでその心配はしないで済んだ。
ところが物見遊山の山登りが流行り、登山の心構えもないままに金魚の糞のように麓から頂上までの行列ができるまでになった。花見の見物と変わらない支度で食べ物を抱え、飲み、食い散らかしてゴミの山を造る。まるで桜の下で騒ぐ飲んべえの集まる上野の山と変わらない。樹海に入れば今でもなおゴミが散乱したままだ。
さて、東海大学の登頂パーティーだが、隊員からシェルパーまで、大所帯の移動に伴う登山道具から生活必需品の類いまで、膨大な装備をして山に挑んだ筈だ。野口氏がアルピニストたちが下山に際して残して行った残骸に驚き、今のような清掃事業に取り組んだことはすでに周知のことだ。彼らが登頂を目指す前には、すでに野口氏の活動は何度か繰り返されていた。登頂成功は華々しいが、先輩アルピニストの嘆くようなことはして来なかったろうか。野口氏の活動に協賛し、後援をしている毎日新聞社、登頂の記事はしっかりと載せたが、その辺りのことは聞いたろうか。
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