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2006年7月 8日 (土)

夏休み

今日も夜になった。時間ばかり懸かっていらいらするパソコンに向かうのも億劫だが、軽い記事を書いておこう。

今年の夏休み期間(7/15〜8/31)の旅行者数が国内・海外合わせて前年比2・4%増の7786万人になるとの見通しをJTBが発表した。景気回復の兆しも手伝ったようで、旅行にかかる消費金額も昨年比で4・6%増の3兆2560億円と、調査期間を変更した00年以降ではいずれも過去最高となったようだ。

海外旅行者は昨年比5・0%増の251万人と2年ぶりに増加。反日デモの影響で昨年落ち込んだ中国・韓国の人気が復活。アジア方面が昨年比6・4%増えるほか、ドイツでのサッカーW杯で盛り上がったヨーロッパも昨年比6・2%の増加を見ている。

国内旅行者は昨年比2・3%増の7535万人で過去最高となる見通し。大都市からの近郊旅行や沖縄と北海道への旅行が好調だという。一人当りの平均旅行費は国内が3万5800円、海外が22万2500円程度だという。

因に世界の観光人口を見てみると、全体で約16億人、東アジア・大平洋到着、来訪者数が3億9720万人に達し、アメリカが2億8230万人と推定されている。これを今年の日本人の旅行者数と比べてみると、日本人の数の多さに驚く。1億3000万人の総人口と見て、約60%に上る人たちが、短い夏休み期間のうちに海外に、国内に大移動する。毎年の成田、関西の空港風景、草臥れ切って帰国する家族連れを見せてくれるが、帰国して出勤までに休養を取る余裕を持って計画しているお父さんはどれくらいいるのだろう。家族サービスで疲れ、疲労回復を待たずに翌日から働く。何度も足を運べる国内ならまだしも、遠方の海外となると往復でまる2日が無駄になる。帰国して家でごろごろと疲労回復の時間までスケジュールに組むことなど、支出した金額を考えるととても出来ないことだろう。

それにしても海外旅行に子どもを連れて行くことには原則賛成できない。夫婦だけでお互いの体を労りあい、のんびりと数日を過ごすスケジュールを立てるべきだ。子ども(小学生にもなっていれば)には親のいない間の留守番をさせ、家を守ることの大切さを覚えさせる方が良い。そのためには日頃から訓練をしておくことも大事だ。物騒な世の中だが、だからこそこのような機会に隣近所との付合い、コミュニケーションを結ぶ格好の材料となるチャンスだ。子どもたちは成長すれば各自、自分で海外旅行には出かけるチャンスを作るだろう。一人前に言う「見聞を広める」は子どもには役に立たない。夏休みの絵日記や自慢の種になるだけだ。子どもの時から贅沢に慣れさせる育て方や、習慣は決して良いことではない。明治生まれの私の父とは何処かに旅をした思い出は1度としてない。一人で大所帯を背負って働き抜いた父の頭の中は、一人も飢えさせずに生きて行くためだけに働かせる知恵が、びっしり詰まっていただろうと思わせる人だった。

私も現役時代に休日の家族サービスをしたことは1度もない。私の世代は「女房を働かせるのは男の恥」と言う言葉をしばしば耳にして育った世代だ。戦前とは、部下の4、5人を連れて飲み食いさせても困らない給料を上役は得ていた時代のことだ。その頃とは貨幣価値も大きく変わり、敗戦直後は日本人労働者の給料は世界でも指折りの低賃金の国になっていた。妻と二人の生活を始めた時、いなくなった部下の連帯保証人になっていた私は、残された支払いで妻に苦労させたことはブログでも書いた。それでも妻には仕事はさせたくなかった。死にものぐるいで働いた。労基法が完備されていなかった時代だ。私は生まれてこの方超過勤務の給料を1円も貰ったことがない。それでも残業は人一倍やって来た。土曜日が半ドンの会社ではなかった。しばしば日曜出勤もあった。1ヶ月の残業はらくに100〜120時間はあった。未熟児に近い体で生まれたにしては病気には縁がなかった。

そのため休日は1週間の疲れを癒すために休んだ。眠った、そして眠った。男児を一人だけ授かった。私の生活のサイクルは何年も変わらなかった。休日は体を癒すためで家族サービスなんてとんでもないことだった。それでも乳飲み子の入浴は帰りを待ってくれて私が担当した。妻は手が小さくて赤子の頭を支え切れないでいた。私は家にいて起きていればお襁褓の交換もやった。永年勤続でもらった休暇と旅行券は妻と子どもを生まれて始めての飛行機に乗せて九州を1週間掛けて遊んだ。出勤前の1日は休養日に充てて疲れを取った。現在でも「過労死」は問題になっているが、離職前の職種について約25年、残した有給休暇は合計で労働日数に換算するとおよそ1年半になる。完全に消化するには退職日以前1年半まえから休みを取っても給料は支給される勘定だし、言い方を変えれば勤続年は1年半長い数字になる。それほどこの世代には真面目の前に余計な二文字のつく人間がいたということになる。サラリーマン時代の睡眠時間はどう思い出しても平均して1日4時間以上はなかった。人間それでも十分生きて行かれることを確信できた。

苦労させた妻には退職後、結婚25周年の年、10日間のヨーロッパ旅行をプレゼントした。その後も何回か二人だけで海外には出かけている。海外旅行は家族サービスでも子どもにするものじゃない、子どもは成長してから、独立して自分の金で勝手にすればいい。

なんだか取り留めないことを書き連ねてしまった。動きの重いパソコンが気になって精神が集中しない。面白くない読み物になった、と思う。

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