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2006年7月25日 (火)

続・多すぎる大学

少子化と共に淘汰されて行く学校がどんどん出てくる。大学に限らない。土地の狭い日本では親との同居を嫌えばより狭い土地に建つのはのっぽビル。数は少なくなっても新しく世帯を持つものは出てくる。少しでも安い買い物をと選んだ結果が不良物件だったりするが、高層マンションに核家族が集中するのは、家族の繋がりを大事にしなくなった新人類の特権なんだろう。その限られた狭い空間だけは少子化の影響もなく、却って小学校などは不足が訴えられている。反面、昔は名門校であったとされる小学校は、閉校になり、取り壊しの目にあうことは全国のあちこちで発生しているのが現実だ。

敗戦後のベビーブームで生まれた子供たち(今将に社会問題になっている団塊の世代の人たち)が学ぶには到底足りない小・中・高等学校が続々と建てられ、第2次ベビーブームを経過して現在の日本の教育地図が出来上がった。これでとどめておけば良かった最高学府の高等教育まで裾野を広げ、申請さえ出されれば、何でも彼(かん)でも大学に、短大に改名をしてしまった。名ばかりの有相無相ができあがった。それらの大学は、学問どころではない、二流でも三流でも兎にも角にも就職するための卒業証書が欲しかった。結婚のための肩書きが欲しかった。そして今では男女交際の場に成り下がった。そのような連中には今は最高のチャンスの時だ。

今朝の毎日新聞から。
日本私立学校振興・共済事業団の調査によると、大学、短大への進学希望者数と総定員が等しくなる「大学全入時代」の到来を来春に控え、今年度、私大の定員割れが4割を超え、短大も5年振りに5割を超えて厳しい経営の実態が裏づけされた。
今年度大学500校のうち、入学者が定員に満たなかったのは222校で、定員割れ率は40・4%
昨年度  542校   、同じく定員に満たなかったのは 160校で、      29・5%

定員割れ率の推移をみると、
 89〜98年度までは一桁で
 99年度に    10%
 00〜05年度   30%前後
 06年度始めて  4割を超えた

短大では373校のうち193校が定員割れ。(51・7%)
また、今春の志願者数は約295万人と3年連続で減少、志願倍率も6・70倍で過去最低を更新した。ニートになるだけの遊びたい若者にとっては来春は絶好の受験チャンスだゾ!

薬学、理工学系学部が入学し易くなったようだ。競争率は国公立で1倍台、私大では偏差値50以下もゾロゾロだそうだ。

反面まだまだ勉強したい若者にはもっともっと上を目指して欲しい。世界にはまだまだ上が幾らもある。世界の大学ランキングで一体日本の最高学府、東大・京大はどこに位置するのだろう。現在ランキングを決めている機関が二つあるが、その1つ、ロンドン・タイムズ紙の別冊(THES)がまとめた高等教育版ランキング(2005年11月)によると、200大学中、東京大学は2004年度の12位から下がりはしたもの、16位に、京都大学は31位に位置している。
 総合では 1位 ハーバード大学(米)
      2位 マサチューセッツ工科大学(米)
      3位 ケンブリッジ大学(英)
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 因に北京大学(中国)が東京大学の1つ上の15位にランクインしている。
      
日本の大学では他に、99位に東京工業大学、105位に大阪大学、続いて129位名古屋大学、136位東北大学、147位広島大学、157位北海道大学、172位神戸大学、198位昭和大学となっている。

世界200大学をどのような基準で評価したのだろう、問題なるところだ。
THESでは次の5項目を用いている。
 ♦Peer Review -- 専門家による評価とされ、そのウエイトも総評価の50パーセントを占める。しかし、世界各国から選ばれた1300人とは分かっていても、どの分野の専門家なのか明かされていない。1300人の専門家が世界中の大学の比較が可能かは疑問がある。
 ♦International Faculty -- 外国人スタッフの比率
 ♦International Students -- 留学生比率
 ♦Faculty/Students -- 学生一人当りの教員数 FS 比
 ♦Citations/Faculty -- 教員一人当りの論文引用数

ただし、分野別で見ると、自然科学分野、工学・情報分野では東京大学はどちらも世界100大学中7位、自然科学分野では京都大学が15位大阪大学が40位、東京工業大学が55位にランクイン。人文科学分野で一橋大学、広島大学がともに56位に、早稲田大学が89位に。社会科学分野で東京大学が16位、慶応義塾大学が87位に。

日本ではアイヴィーリーグの名で知られている大学の一つ、コーネル大学(アメリカ合衆国北西部の8私大の1つ)、もともとはスポーツで有名だったが現在では学術的な方向での影響が大きく、入学は最難関とされているが、科学工学分野、物理工学分野ではアメリカ第1位ながら、総合では上位に名を列ねていない。

先に述べた別の機関が上海交通大学 世界大学学術ランキングである。ロンドン・タイムズとの相違では、英語の優位性、地域別の偏り、個別の基準や指標の相違が指摘されている。

ますます少子化の進む国だ、質の悪い学生をかき集めて経営で苦労することはない。定員割れが4割、5割の大学など可及的すみやかに閉校すれば良い。なにしろ日本には大学が多すぎるのだから。

参照:「多すぎる大学」06/06/06

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