中高生の不眠
中学・高校生の4人に1人が不眠を訴えていることが、日本大学医学部兼桂孝助手(公衆衛生学)らの研究でわかった。10万人規模の調査で思春期の子どもの不眠の実態が明らかになるのは初めてで、不眠の割合いは大人を上回っていることがわかった。
滋賀県大津市で開催中の日本睡眠学会学術集会で30日に発表された。調査は04年12月〜05年1月に全国の中学校131校、高校109校を無作為に抽出し、在校生に睡眠状況や生活習慣、精神的健康度を質問する方法で行われた。回収数は約10万人、回収率は64・8%であった。
不眠症には4つのタイプがあり
①入眠障害 一般的に30分以上寝つけない
②熟眠障害 熟睡したようでも眠った気がしない
③中途覚醒(夜間覚醒) 夜中にしばしば目が醒める
④早朝覚醒 朝早く目を醒し、再度眠れない
に分類されるが、このうち一つ以上が当てはまった場合では、1997年に成人3030人を対象にした調査時の21・4%を上回り、今回の中・高年生の不眠の割合いは23・5%と高いものであることがわかった。
入眠障害は 中・高生(14・8%) 成人(8・3%)
夜間覚醒 中・高生(11・3%) 成人(15・0%)
早朝覚醒 中・高生(5・5%) 成人(8・0%)
成人にくらべ、日中の興奮からなかなか寝つかれないが、成人の人間関係や複雑な付き合いの心労の多い生活に比べ、子供たちは横になり、寝入ってしまえば気楽に眠りに入っていることが窺われる。
不眠が多かったのは
♦女子よりも男子
♦精神的健康度が低い
♦朝食を食べない
♦飲酒習慣あり
♦部活動に不参加
♦大学進学希望なし
らに該当する子どもたちであった。この中にある「精神的健康度」とは何か。急激な社会生活環境やライフスタイルの変化、生活体験の不足や人間関係の希薄化、ストレスの増大が、児童や生徒に身体的にも心理的にもいろいろな影響を与えていると見られ、それらから受ける影響を指数化して評価をすることで学校教育の場において、心の教育や心の健康といった精神的健康を類型化して捕らえる診断尺度である。
女の子なら、箸が転んでも可笑しがる年頃、とも例えられるような多感な13〜18歳。男は大人の真似をして酒にたばこに興味の目を向ける年齢。昔と違って男女とも携帯を持てば帰宅の門限などあってもないと同然。何時に帰り、何時に寝ても叱られない。有り余るエネルギーを発散させるには遊ぶのに困らない誘惑はそこいら中に転がっている。調査では不眠が多いのは男で、酒を飲み、進学の意志も無く、やる気のないぐーたらで、どう見てもニート予備軍としか考えられないような連中と映る。
問題はこのはじき出される子供たちをどう指導するかだ。せっかく精神的健康度を図る手法(MHP-C:Mental Health Pattern for Children)があるのなら次に打つ手は見えている筈だ。
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