偏食の乳幼児が増加
2006年も今日で50%を過去のものとした。加齢するごとに一年は、余りにも容赦なく走り過ぎて行く。今にして思う、光陰矢の如し、と。
厚生労働省が29日まとめた05年度の「乳幼児栄養調査」で乳幼児の生活習慣が浮かび上がった。調査を元に、厚労省は授乳・離乳期の食への不安に関する解消策として、今年度中に支援冊子をつくり保健所などで配付していく予定。この調査は乳幼児の食生活改善を狙いに10年ごとに実施され、今回が3回目となる。調査は2005年9月、全国の四歳未満の子供2722人の親を対象にしたものだ。
離乳食は市販のベビーフードを使い、偏食やよく噛まない子も増えているようだ。そのベビーフードを
「よく使った」「時々使った」を合わせて 75・8%に上り、10年前を9・8%上回った。
「よく使った」人が子供の食事で困っていることとして上位に上げたのが
遊び食い 52・0% 偏食 40・5%
よく噛まない 23・4% などがある。
今回の調査では初めてのことになる就寝時間と朝食の欠食の関連も分析している。
週に朝食を食べない日がある子供は 9・4% この子たちの就寝時間を見ると、
午後10時台に寝る子は 13・8%
午後11時台 〃 24・1%
深夜0時以降 〃 50・0%
と、夜型ほど欠食傾向が高くなっている。
厚労省は「ベビーフードの使い方や就寝時間など、生活習慣が著しく偏ったものにならないよう心掛けて欲しい」と言っている。
今さら驚くことでもない。現在の家庭環境を見ていれば、当然の答えであろうし、厚生労働省が心配してもこの傾向はますます顕著に表れるものとなるだろう。相変わらず幼稚園児のようなドレスで表れる少子化対策に取り組んでいらっしゃる大臣さまが、働く女性への手厚い施策を進めれば進めるほど、家庭から出て行く女性やお母さまたちが増加することは、明らかなことだ。今日(6/30)この大臣さまは少子化に好転の兆しが芽生えたような発言をなさったが、我田引水で、瞬間データと読んだ方がいいだろう。
家にいないお母さんたちが、愛情溢れる離乳食で乳幼児を育てることは考えても無理な話だ。離乳食を与える時期が来るや否や、他人に子育てを任せ、これこそが正しいこと、とばかりに仕事場に急ぐ。恐らく離乳食を作ったことのないお母さまたちも多いだろう。昔の日本のお母さまたちは、最初に与える離乳食の重湯(おもゆ)は作れない人はいなかった。水の量を多くして、糊状になるまでお米を炊いたものだ。「昔は昔」とチンで済ましていては時間こそ短くなるが、注ぐ愛情も同じように短くなっているこに気がついて欲しい。炊き上げた重湯を少量ずつ匙で掬い、ふーふー、と熱を冷まし、自分の唇で熱さを確かめ、子の口まで持って行く。重湯だけでは栄養に偏りが出るから卵黄、魚、野菜、肉などを摺り潰し、同じようにどろどろの糊状にして与える。子供は「遊び食い」などしていられない。「偏食」「噛まない」もまた同じだ。
また、出勤時間に追われれば、子供の朝食は疎かになる。まして罪滅ぼしのつもりの夜更かしは、大事な成長期の子供の睡眠時間を取り上げ、7〜10時間は寝かせなければならない大事な時間を己の勝手で短縮させる。子供を生んでおきながら、子供のことを考えた生活はしていない。どこまでも親が中心の生活のリズムの中で子供を縛っている。子育てに関する限り厚生労働省の心配は、これからもずっと増幅して続くことだろう。
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コメント
いまさらですが、一言お伝えしたくて書き込みます。子供の生活習慣の乱れを、母親の就業と関係づけていらっしゃいますが、統計的には、母親が働いていない家庭、あるいはごく数時間パートで働いている程度の家庭のほうが、子供の生活は乱れています。
複数の統計によれば、母親が忙しく働いている家庭のほうが、子供にきちんと朝食を食べさせる割合が高く、テレビを見せる時間が少なく(これは昼間保育園にいるため当然ですが)、子供の生活習慣がきちんと育っている傾向にあるのです(もちろん例外はなんにでもありますが)。
夜寝るのが遅くなりがちという指摘はあたっていると思いますが、母親が働いていない家庭のほうが、子供が昼間(保育園で遊ぶほど)十分に動き回らないため、疲れてころっと寝付くことができず、結果的に就寝時間が遅くなり、しかも、朝もゆっくり寝ている(共働き家庭では無理にでも起こさざるをえない)という面もあります。
また、食事の質についても、300?の家庭の食卓を自己申告ではなく写真に撮って観察したところ、共働き家庭のほうが品数が多く、加工食品の割合が低く、野菜の種類も多いという結果が出ています。
母親が働くから子供が悪くなる、という論調を男性が支持するのは感情的には理解できますが、実態とかけ離れていることをご理解いただければ幸いです。逆にいえば、きちんと子供に向きあう余裕があるはずの専業主婦の女性でさえ、手抜きばかりで従来の母親らしさを失っているともいえるのですが(制約の多い働く女性ほど、少しは埋め合わせをしようとがんばるため、逆転現象が起こるのでは、と私は思っています)。
投稿: yuka | 2006年12月19日 (火) 14時05分