« 「朝鮮王朝実録」寄贈か返還か | トップページ | 教室に入れない子 »

2006年6月13日 (火)

自業自得のおんな

数日前のブログで書いた。『汝 姦淫するなかれ』、40歳代になる女性が夫に隠れて密かに他の男とメールのやり取りをし、好きでもなく結婚した夫との間に、子どもまでもうけて置きながら、末娘の成人を待って夫とはうまく離婚してその男との新生活を仄めかす、バカな相談をした女がいたが、回答したのは栗原美和子、「離婚、いいと思います」に励まされ、当の本人は姦淫を続けながら後1年と10ヶ月の辛抱、と夫を捨てる日を指折り数え、来る日の快感を胸に秘めて自信を持って生きて行こうと思う、と知らせて来た。

私は偏見をまじえ、わざと悪意を持って文を綴ったが、どんなに綺麗ごとの文章にしようと、飾り立てようと、この女性の腹の中は上に書いた通りであろう。浮気などという生易しい心の中ではない。夫を騙し、裏切り、一見家庭の中では妻らしく振るまい、後ろを向いて舌をだし、パソコンか携帯かは知らないが、心ときめかせて他の男にメールを送る。投書の後、スネに傷持つ同類の女性読者からは女性への共感の意見が寄せられたようだが、「ご主人の立場を気遣うべきだ」との意見もあったらしい。

続いて今回(6/12)は又、57歳女性からの投書。夫は51歳、二人の家庭がどのようなものか不明(何も書かれていない)、再婚なのか、結婚何年目になるのか、子どもはいるのかいないのか、当世珍しくもないが、夫が6歳も若いのも解らない。相談の内容はこのようだ。

夫が持つ携帯の中身を見ての悩みだと言う。夫は仕事用と、別に私用に利用するものと二つを使い分けている。ところがである、ある日、私用(彼女は‘秘密の’と表現する)を忘れて出かけた夫の留守に、禁を犯して中身を盗み見してしまった。結果30〜40歳代の女性との交際が分かった。「肉体的に自分がかなう相手ではありません」。結婚前から同時進行で複数の女性とつきあうのを見ていたので、結婚したら女で苦労するのは覚悟していたが、簡単に割り切れない。甘い言葉のやり取りを想像しては嫉妬している。この立場を笑って認めるにはどれくらいの時間と心労を重ねればいいのかと思っている、というもの。

回答者は、あの訳の解らないおっさん、志茂田景樹(直木賞作家で作品の多いのも知っているが、目を通したことはない。テレビに出て来て訳の解らないことを喋るおっさんとしか知らない)。彼が言うには、
携帯を二つどころか5つも6つも隠し持つ奴を知っている、携帯を盗み見たことは良くないが、秘密は悟られないのがルール、「生きるということは心に傷を抱えながら前へ進むこと」心の傷は放っておいていい、人生に新しい展開が生まれれば、傷は気付かぬうちに消えている筈と。これを心の自然治癒という。嫉妬は負のエネルギーです、それを正のエネルギーに変えましょう。あなたにも、すべてを忘れて楽しく没頭している時間があるでしょう、それにエネルギーを注いでみてください、が回答である。

女性は若い女が夫と閨で戯れる姿を想像し、嫉妬に狂っているのだ、通り一遍の回答で済む訳ないだろう。決して覗いてはいけないパンドラ(ギリシャ神話のゼウス神が作った人類最初の女性とされる)の凾を覗き、己を嫉妬の炎に身を焦がしているのだ。57歳を侮るなかれ。
 余談になるが数日前、“銀座のお母さん”と呼ばれる占い師が、千葉で公開のお悩み相談に参上した時のことだ。(ドイツの競技に関連する番組が見たくなければ他に見るものがない)“誰か”の呼び掛けに勢い良く飛び出したのが70歳を過ぎた恰幅のよい女性だった。占い師の問いかけに応えるに「旦那と死に別れて20年以上、男が好きだ、男が欲しい」と言ったものだ。会場(殆どが中年以上の女性)から凄まじいばかりの歓声が上がった。

ギリシャ神話そのままだ、パン(すべての)ドラ(贈り物)が神から贈られた固く封をした凾(壷とも)には人類に災いするすべてが詰め込まれ、唯一の善は一番底にあった「希望」だった。パンドラが生まれながらの好奇心から凾をあけると、ありとあらゆる悲しみ、病い、喧嘩、嫉妬、苦悩が飛び出した。彼女は急いで蓋を閉めたが間に合わなかった。そのために人類は、閉じ込められた希望を求めて苦悩しなければならなくなったという。

私達夫婦は結婚してほぼ40年になる、私は勿論だが、妻も私への信書は絶対に目を通さない。その禁を破るのは年賀はがきくらいだ。短い年賀の挨拶と、お互いに若いころの友人、知己の筆を懐かしむが、通常は、見れば読めるはがきであっても、お互いに決して触れない。当然のことだ。私は携帯嫌いで持ち合わせないが、例え持ったとして、妻の目の前に置き忘れても、どんな秘密が存在しても不安はない。妻は懸賞でもらったものを持っているが、私は覗いたことはない。その人間の尊厳に係わることだから。

覗いた結果が己の苦しみに繋がったとしても、それは自業自得、同情することもない、勝手に苦しめばよい。他人(ひと)さまに相談することじゃない。

しかし、同性は考えが違うようだ。同じく今回はもう一人女性の回答者を用意している。漫画家の柴門ふみ という。短いので全文紹介する。「貞操は夫婦の義務です。なぜガマンするのですか?あなたがどれだけ傷ついて苦しんでいるか夫の前で大暴れしてアピールすることです。でないと心労は一生ついてまわります」とある。
勝手なものだ、この回答、前回の40歳の姦淫女に言えば良い。ばれないでするのは貞操とは無関係とでも言うのだろうか。聞いてみたいものだ。(処女論争では体じゃない心だ、というのが定説のようだが)


|

« 「朝鮮王朝実録」寄贈か返還か | トップページ | 教室に入れない子 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/107998/10514295

この記事へのトラックバック一覧です: 自業自得のおんな:

« 「朝鮮王朝実録」寄贈か返還か | トップページ | 教室に入れない子 »